子育てエール!専門家による、ママパパ応援コラムvol.100

赤ちゃんグッズはなぜ消毒が必要なの?いつまでする?消毒の方法と注意点を助産師が解説

2021/7/8
赤ちゃんグッズはなぜ消毒が必要なの?いつまでする?... 赤ちゃんグッズはなぜ消毒が必要なの?いつまでする?...

赤ちゃんが触れたり口に入れたりするものは全部消毒したほうがいいのか、いつまで消毒が必要なのかなど、消毒に関して迷うこともあるのではないでしょうか。そこで今回は、世田谷区の保健センターで相談業務に携わり、オンライン助産師サービス「助産師サロン」を運営されている助産師の高杉絵理さんに、赤ちゃんグッズの消毒について教えて頂きました。

赤ちゃんが口にいれるものに消毒が必要な理由

哺乳瓶、おもちゃ、おしゃぶりなど赤ちゃんが口に入れたりなめたりするものは消毒が必要といわれています。その理由は、洗うだけでは細菌などが残っていることがあるからです。生まれてすぐの赤ちゃんは免疫力、抵抗力が弱いため、赤ちゃんを病気から守ってあげるために消毒が必要です。

なかでも哺乳瓶は、ミルクの栄養価が高いため哺乳瓶に洗い残しがあると雑菌が繁殖しやすいといえます。

消毒は何才まで続けたらいい?

赤ちゃんのうちはずっと消毒が必要なのかというと、とくに基準が設けられているわけではありません。一般的には免疫力の弱い生後3ヵ月~4ヵ月頃まで消毒したほうがよいとされていますが、赤ちゃんの発達状況などにより異なるからです。

また、赤ちゃんが自分の手を口に持っていったり、つかんだおもちゃを口に持っていったりする動きがみられるようになったら消毒をするのをやめてもいいと考えるのもひとつです。赤ちゃんはこの時期には手についた常在菌などを口に入れて免疫力を高め始めているからです。成長には個人差があるので、赤ちゃんがいろいろ口に入れるようになったときを目安にして判断するとよいかもしれませんね。

なお、低出生体重児や病気があって免疫機能が通常より低い赤ちゃんの場合は自分で判断せず、医師に相談して決めましょう。

また、もう消毒しなくてもOKと思われる時期を過ぎた場合であっても、哺乳瓶や離乳食食器は少量の洗い残しでも雑菌が繁殖しやすいため、赤ちゃんの体調がよくないとき、梅雨どきや夏場は消毒もした方が安心です。

消毒する2つの方法

消毒方法はおもに「消毒液を使う」「煮沸消毒する」の2つ。それぞれについてみていきましょう。

【方法1】消毒液を使う方法

消毒中

次亜塩素酸ナトリウムなどが含まれた溶液に一定の時間浸けて消毒します。使う直前まで浸けたままにしておいて、再度汚染されるのを防ぎましょう。使用するときは清潔にした手、またはトングなどで溶液から取り出して、雑菌などをつけてしまわないよう、拭いたりせず溶液をよく振り切ってそのまま使います。

1回の溶液はメーカーにもよりますが24時間使えたりするので、1度用意したらいろいろな物をかんたんに消毒することができる手軽さ、殺菌効果が高いことがメリットといえます。

消毒液や消毒するグッズによっては長時間浸けておくことができない場合もあるので、それぞれの仕様を確認してからおこないましょう。

【方法2】煮沸消毒する方法

大きめの鍋にお湯を沸かして、そのなかに消毒したいものを入れ、3~5分煮沸します。素材や仕様などによって煮沸時間の目安がある場合もあるので確認するとよいですね。

煮沸消毒が終わったらトングなどで取り出します。拭き取ることで雑菌などをつけてしまう可能性もあるので、できるだけ使用する前に煮沸をするようにして水気をよく振り切って使いましょう。煮沸したての哺乳瓶は熱いのでやけどしないよう気を付けてください。

煮沸消毒の場合、熱によって殺菌されるので、経済的に消毒することができるのがうれしいですね。

消毒をするときの3つの注意

消毒する際は次のことに注意しましょう。

1.消毒方法は仕様などに沿って選ぶ

消毒するグッズによって素材や推奨の消毒方法が異なりますし、消毒液もメーカーによって使用方法が異なる場合があります。必ず確認して記載の内容に従うようにしましょう。

2.消毒前に洗浄する

消毒する前によく洗っておきます。洗うときは哺乳瓶や食器などはやわらかいブラシやスポンジで優しく洗って傷がつかないようにしましょう。またスポンジなどにも雑菌が含まれていることがあるので、こまめに取り替えたり消毒したりして清潔にしておくと安心です。

3.目を離さない

煮沸の場合は火を使うので消毒中は目を離さないでください。また、取り出す際はトングなどを使い、やけどに気を付けましょう。消毒液の場合も赤ちゃんが触れることのないよう離れたところに置いておくと安心ですね。

まとめ

赤ちゃんが使うものに消毒が必要な理由と消毒方法をご紹介しました。消毒が必要なのは限られた期間とはいえ、大変と感じる方もいると思います。便利なグッズを利用するなどして、子育てが楽しくなるよう負担を減らせるといいですね。赤ちゃんが触れるものを清潔にして、赤ちゃんの健康を守りましょう。

高杉絵理

PROFILE

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看護師、助産師、保健師の資格を取得。総合周産期母子医療センターの産科やNICU、産科クリニックで経験を積む。現在は世田谷区の保健センターで妊婦さんやママたちの相談業務に携わる。助産師にオンラインで相談できる「助産師サロン」も運営。自身も1児の母として育児に奮闘中。 オンライン助産師サービス「助産師サロン」

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