浅間山の裾野に暮らすピラティスインストラクター前村詩織さんファミリー。2021年春に蕗乃ちゃんが仲間入りし、家族5人に。今回は蕗ちゃんの保育園デビューやいかに…?というお話です。
2020年5月、ピラティスインストラクターとしてクラスをもっていたスタジオやジムはコロナ禍で軒並み休業に。それを機にエイヤっとオンラインレッスンを始めました。対面ではなく画面越しでボディワークを指導するのは試行錯誤の連続でしたが、生徒さんも少しずつ増えてきて、楽しくなってきたころ、妊娠が発覚しました。
なんせ7年ぶりの妊娠・出産、待望の次女の誕生を心待ちにする気持ちと、一刻も早く仕事に復帰したい気持ちがないまぜに。生まれてみたらかわいくて、べったり一緒にいたくなるのかもなあ、とも思いましたが、これまでの経験からも、きっとすぐに働きたくなるに違いない、預ける先があるに越したことはない…と、保育園の申し込みをすることにしました。
3月初旬が出産予定日の次女を0才児クラスに入れたければ、出産に先立ち、前年の10月中に申し込みをする必要がありました。当時はまだ東京在住だったので、保育園見学のため長野を訪れました。首がすわったら入園できる園を第一希望に、生後5ヵ月になる少し前に入園させることにして、申し込み書類を町役場に提出しました。
移住先の町は待機児童がゼロなので、申し込みをすればどこかの園には入れると噂で聞いていました。保育園の激戦区・品川区で保活を経験した身としては半信半疑でしたが、数ヵ月後、第一希望の園に入園が決まってホッと胸をなでおろしました。とはいえ、申し込みも、入園決定通知書を受け取ったのも、まだ妊娠中のこと。あとは無事に生まれるだけ…。
さて、生まれてからはあっという間。新居の完成、引越し、そして引越ししてからも続く工事に来客。バタバタしているうちに蕗乃は4ヵ月になり、保育園入園の日が近づいてきました。
完全母乳で育てていたので、入園の3週間ほど前から哺乳瓶でミルクを飲む練習を始めたのですが、一筋縄ではいきません。哺乳瓶をくわえても吸う感覚がわからないようで、ミルクがまったく減りません。ミルクの味が嫌なのかと搾乳した母乳に変えてもダメ。乳首の形状を変えたら飲むかなと5種類も試したけれど全滅。しまいには哺乳瓶を口に近づけるだけで泣く始末。もうお手あげ!で、結局哺乳瓶から飲めるようにはならないまま初登園の日を迎えました。
母親から離れればなんとかなるかも、という淡い期待はあっさり裏切られ、保育園でも順調に(?)哺乳瓶を拒んでいた蕗ちゃん。夏だったので脱水症状が心配で、午前中の2時間だけ預け、すぐに迎えに行く日が続きました。保育園の先生たちも小さな蕗乃にミルクを飲ませようと、スプーンで飲ませたり、コップで飲ませたり、手を替え品を替え試してくれたようです。ある日お迎えに行くと、「お母さん、今日はスポイトを使ってみました!」なんて報告してくれることもあって、ありがたいやら申し訳ないやら。
これを書いている今、初登園から約2ヵ月が経ったところです。最初は10ccしか飲めなかったミルクを、50〜60cc飲めるようになり、預けられる時間は4時間にまで延びました。相変わらず哺乳瓶からゴクゴク飲むようにはなっていませんが、かわりにコップから飲むのが上手になったようです。
初めてのつかまり立ち、初めてのハイハイにあんよ。これからたくさん時間を過ごす保育園で、遠からず、「蕗乃ちゃん、小さいころは哺乳瓶から飲まなくて苦労しましたよね〜」なんて笑い話になることでしょう。そんな苦労話を一緒に笑いながら話せる相手がいるのは、本当に心強いこと。お母さん、お父さん、お姉ちゃん、お兄ちゃん、保育園の先生、祖父母、友人たち。子育ての担い手は多ければ多いほどすこやかだなと思います。
PROFILE
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ピラティスインストラクター。日本で十数名しか保有していないオーストラリアのピラティス国家資格を取得し、ASICS Sports Complex TOKYO BAYなどでクラスを受け持つ。2020年長野に拠点を移し、フリーのインストラクターとして働きながら一男二女の子育て中。
https://www.instagram.com/shiorilates/
(制作 * エチカ)