先輩パパとママの毎日コラムvol.595

サンフランシスコのんびり子育て日記「インドア派妊婦がヨセミテの大自然に教えられたこと」

2023/10/3
サンフランシスコのんびり子育て日記「インドア派妊婦... サンフランシスコのんびり子育て日記「インドア派妊婦...

コミックやアートブックの翻訳・出版コーディネートを手がける神戸一絵さんがサンフランシスコを舞台に繰り広げる初めての妊娠・出産・子育ての物語。今回は妊娠が分かってすぐに出かけたヨセミテへのトレイルハイクについてです。

こんにちは。干潮の日は、朝に娘と海でヤドカリを捕まえてから保育園に行く生活を送っている神戸です。

元々は何時間でも座って大好きな漫画を読んでいられるインドア派な私。半日室内にいるとムズムズしてくる夫の趣味に付き合っているうちに、週末は山登りやトレイルハイクに行くようになりました。妊娠が分かった時には、すでにヨセミテ国立公園への旅行を計画していた私たち。医師に相談すると「無理をしない程度の運動ならよい」と言われ、妊娠が分かってすぐ旅に出かけることに。当時妊娠8週目でした。

サンフランシスコからヨセミテ国立公園まではコンビニもないハイウェイと山を越え、車で4時間ほど。それまでつわりは軽い方だったのですが、到着した頃には「気持ち悪い、横になりたい、眠い…これが妊婦の身体か…」と目が回る感覚に戸惑いながら、コテージのベッドに倒れ込み、天井を見つめるしかできませんでした。同行の友人にはまだ妊娠を伝えていなかったので車酔いのせいにして、なんとか身体を持ち上げハイキングに出かけることに。

「少しでも異変を感じたら正直に話してすぐに引き返そう」緊張の面持ちでトレイルコースに向かいました。

初秋のこの日は抜けるような青天。セコイアの木がそびえ立つトレイルコースのひんやりとした澄んだ空気を肺いっぱいに吸い込むと、頭の中のモヤモヤがスーッと流れるようになくなっていく感覚がありました。歩を進めていくごとに身体が温かくなり、それまで感じていた不調がなくなって、むしろ妊娠が分かってからの数週間で一番頭がクリアで気持ちが明るく身体が軽くなっていきました。

ヨセミテ国立公園は人気の観光地なので整備された道も多く、子犬も妊婦も安心です。ヨセミテ国立公園は人気の観光地なので整備された道も多く、子犬も妊婦も安心です。

ここでしか見られない巨大な岩壁を見上げ、湖畔で休憩し、初心者向けの平坦な道ではありましたが、気づけば合計5時間のハイキングコースを歩ききっていました。

どこもかしこも絶景。カメラ小僧(夫)もシャッターを切る手が止まりませんでした。どこもかしこも絶景。カメラ小僧(夫)もシャッターを切る手が止まりませんでした。

今思えば初めての妊娠で、妊娠って身体に何が起こる?自分はどういうタイプ?運動しても胎児は大丈夫?など分からないことだらけ。知らぬ間に身体がこわばっていたようです。インドア気質で頭でっかちになりがちな私は、ヨセミテの大自然に「ビギナー妊婦よ!赤ちゃんの分まで深呼吸するんやで!」と教えてもらったのでした。

神戸一絵

PROFILE

神戸一絵このライターの記事一覧

大阪府出身。2019年に渡米し、現地のサブカル系出版社に勤務。2020年にサンフランシスコで第一子(一人っ子予定)を出産。現在は神奈川県鎌倉市在住で、子育てをしながらフリーランスでコミックやアートブックの翻訳出版にたずさわる。鎌倉の丁寧な暮らしとアメリカの合理的な子育てのハイブリッドを目指している。

(制作 * エチカ)

RELATED 関連情報はこちらから

RANKING アクセスが多い記事をランキング形式でご紹介。

妊娠・出産・育児は、
わからないことがいっぱい。
悩み過ぎず、自分のペースで
行える育児のカタチを紹介していきます。
コモドライフとは?