産後しばらくは、100%赤ちゃんとの生活と体の回復に費やせて幸せな一方で、はたしてどうやったらこれまでのように仕事を続けられるんだろうという、漠然とした不安や焦りのようなものもありました。

夫婦で話し合ったり、先輩女性にインタビューばりに話を聞いてみたり、似たような境遇の方のSNSを読んだりして、何が不安や焦りの要因なのかを整理してみました。ところが結局、頭で考えても解決しないことばかり。

そんな折、産後３ヵ月頃から、家族に息子のお世話を協力してもらいながら、拘束時間が短い仕事をわずかに始めることができました。当時はまだ母乳育児もしていたので、子と離れることに不安もありましたが、本格的な仕事復帰の前に、仕事をすることが楽しいという感覚を忘れずにいられたのはよかったと思います。

また、出産前までは日常のなかにも仕事のことを考える時間があったのですが、赤ちゃんとの暮らしになるとそうはいきません。仕事に費やせる時間など、物理的に難しいというデメリットばかり目を向けていた時期もあったのですが、母になった視点を活かすなど、もっとこんな仕事にトライしたい！と、次第にポジティブに捉えられるようになり、目の前にある仕事を丁寧にやっていきたい気持ちへと変化していったのです。

育休中に頭で考えて悩んでいたことは、動いてみると案ずるより産むが易しでした！息子がものごころついた頃には、やりたい仕事を楽しくしている母の姿を見せられたらと思います。

めまぐるしくも幸せな日々のはじまり。

赤ちゃんとの暮らしは、仕事だけではなく普段の生活自体が大きく変化しました。最初の頃は、美容院くらいがほんとうに自分だけに使っている時間という感覚。それでも低月齢の時は、早く家に帰らないと！と、そわそわ。日常生活でも、久しぶりにコーヒーを丁寧に淹れたら感動！ひとりで銭湯に行ったら最高！と、それまで普通にしていたことに心を動かされることがたくさんあり新鮮でしたね。

ひとりの時間が欲しいと思いつつも、一方でいざ行った美容院も銭湯も、ボーッとしながら考えるのは我が子のこと。いつかお婆さんになって、またひとり時間たっぷりになって今を振り返ったら、こんなに幸せなことってないんじゃないかって、ちょっと俯瞰して思っています。

そんなふうに、ひとりの時間は減ったけれど、できることも増えました。“時短料理”と“ちょい掃除”はすっかり得意技に！

料理自体がうまくなったわけではなく自慢も出来ないのですが、乳幼児向けの便利な食品を活用しながら、ちょい足しするなどして自分流にアレンジしたり、大人用に味変するなどの工夫が、ささっと迷わずできるようになりました。

もともと苦手だった掃除も面倒ではなくなりました。以前だったら、休みの日にまとめてすることが多かったのですが、今では気になったらその瞬間に、そこらへんにあるもので“ちょい掃除”ができるように。

あと、母になって一番感じているのは、鈍感力が鍛えられたことです。なんでも完璧にこなす必要はなくて、多少汚れていたとしても、息子が元気ならいいよね！と。　

そんな感じで、母としてのじぶん時間を日々楽しんでいます。

最近のじぶん時間では、20年以上の友人とバースデーランチからの野っ原バレーボールを楽しみました！

PROFILE

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1985年埼玉県所沢市生まれ。活発で男の子のような幼少期を過ごす。高校生まではスポーツ少女だった一方でものつくりが好きだった母の影響から、絵画や造形、映画に興味を持つようになる。大学は日本大学芸術学部写真学科に進学。卒業後、広告代理店制作部勤務。フォトグラファーを志し、広告フォトグラファーアシスタントを経験。2013年からの２年間はバンコクを拠点とし活動。2015年からは東京を拠点とし、人物写真、料理写真、ウェディングフォト、ファミリーポートレートなど女性らしいあたたかみのある写真を得意として幅広く活動中。
https://www.chisatoyamagami.com/

(制作 * エチカ)