先輩パパとママの毎日コラムvol.90

子育てを今振り返る「産後の葛藤とべったり密な赤ちゃん期」

2017/8/23
子育てを今振り返る「産後の葛藤とべったり密な赤ちゃ... 子育てを今振り返る「産後の葛藤とべったり密な赤ちゃ...

エディター・ライターとしてファッション業界で活動する柿本真希さんの、波乱万丈子育てコラム。

前回お話したように、なんとも壮絶なマタニティブルー期を過ごしたわけですが、産まれてからは一転バラ色に。今思い返してみると、アップダウンが激しく、なんとも身勝手なものですが。。。(ホルモンのせいだから仕方なし!ということに)

娘はとても大きく、4000g近くで産まれ(!!)大きな病院の中で4日ほど体重1位の座をキープ。授乳室では、ふにゃふにゃの小さな赤ちゃんがか細く泣く中、どすんと大きく泣き声も身体と同じ大きく野太い声。「私の娘、大丈夫かしら。。。可愛くなるかしら。。。」なんて一抹の不安を抱えつつ、一生懸命授乳していたことを覚えています。

今の御時世は「小さく産んで大きく育てる」という考え方がありますが、私は「大きく産んで小さく育てる」という理想の真逆で、大きく産まれた娘は身体も弱く、食も細く、どんどん標準体重となっていき、下回っていくように。おまけに夜泣きもひどく、激しい人見知り。

そんななかなか大変なスタートではあったのですが、もともと、赤ちゃんや子どもが大好きだった上に、溢れ出る母性!可愛いなぁ可愛いなぁと毎日、毎時間、毎分、様々な角度から写真を撮り、幸せに浸っておりました。

ぬいぐるみを抱きしめて眠る娘さん

産前が仕事でとっても忙しい生活を送っていた為、産後ののんびりした生活はまさに天国。きっと、仕事を休むということ、仕事を休んだ生活、は人によって向き不向きがあると思います。向き不向きは人それぞれ。どれも正解なわけではなく、ただ単に私自身にとっては、仕事を休んで赤ちゃんと過ごすという生活が向いていたんだと思います。お散歩に出かけては、空を見上げ、道端の花を見て、赤ちゃんに話しかけ、何を見てもキラキラしているように感じ、それこそスキップでもしたいくらいの浮かれよう。

また、産後でアドレナリンが大放出していることにより、私はもう元気!と思い、産後退院してすぐに浮かれてトイザらスへ出かけ、途中で貧血気味になり、帰宅後発熱したりもしました。

でも、娘を出産した時の私は25才。働かなければいけないんじゃ…、働かなければ自分のポジションをとられてしまう…、みんな周りは働いている…なども考えてしまい、自分の浮かれた心をなぜか無理やり抑え、仕事に少しずつ復帰しました。今思い返してみると、若い年齢ゆえ、仕事復帰が当たり前だ!と思い込もうとしていた気がします。フリーランスという立場もまた、そういう思いを加速させたのかもしれません。

ママと娘さん

そんな中、娘1才の時に2人めの妊娠が発覚。結婚するまでは実家暮らしだったおかげで家事が苦手、娘に夢中、仕事も少しずつ復帰、という私の状態によって大忙しの日々の中、保育園を探し、保育園に無事合格した直後の妊娠発覚でした。

どうせ出産前後にまたお休みするし、もっと保育園が必要な人がたくさんいるだろうし、保育園に預けることに躊躇する気持ちもあったので、保育園は行かないことに決意。たまの仕事の際には、近所に住む夫の友人宅に預かってもらうことにしました。

今思い返すと、自分の母、義母、本やWeb、先輩ママ、自分の理想、周りの独身の友人の仕事、自分の家事の出来なさ、そういったものがこんがらがって、もう何がなんだかてんてこ舞いの大奮闘していた時期だったなぁと思います。私の性格が、“楽観主義・忘れっぽい・やたらと前向き・子ども好き”というおかげで、マタニティブルーのようにはならなかったのが幸い!

うつぶせ寝

何はともあれ、思い返してみても、産後は、特に一人目の産後は、ママは子育てに夢中&とても大変。もちろんパパも大変。子育てが第一段階落ち着いた今、電車やバスなどで必死そうなママ、怒っているママ、途方にくれている様子のママなどを見かける度「ゴールはあるからね。それに今のその時期は一瞬で、後で思い返して懐かしむ日がくるよ。それに周りに頼りまくって甘えていいんだよ」といつも思います。(思うだけでなく話しかけてしまう時も多々ですが…)

とはいえ、私も産後に大先輩ママに「そんなに何度もオムツを取り替えなくても大丈夫だよ」とアドバイスされるとムッとして、「いいじゃない!私の娘なんだから…」と思ったりもしましたし、マタニティブルーの時のように“私ってば可哀想…”とスポットライトを浴びてしくしく泣くということはないにしろ、先輩たちの声を素直に聞けなかった時もあります。

月並みな言葉ですが、子どもが親を育ててくれる。これは本当に今でも実感しています。今でも人として猛烈に未熟な私ではありますが、思い返すと産前産後のあのてんてこ舞いな中で成長させてもらったなぁと感じます。

子どもが大きくなった今でも毎日子どものことを考え、くっつき、悩み、育て、育ててもらっているのですが、お腹に赤ちゃんがいたり、母乳をあげたりしていた子どもとの絶対的に密な時間とはまた違う。

あの頃に戻りたいと今でもしょっちゅう思います。

指しゃぶりしながらお昼寝

次回は、子どもが2人に増えた後のお話を!

柿本真希

PROFILE

柿本真希このライターの記事一覧

エディター・ライター・ディレクター。2児の母。様々な媒体やカタログにて、編集・執筆・連載・インタビューを担当。2012年からニュージーランドにて母子留学を2年半。2014年秋に帰国後、エディター・ライターに加え、ディレクション・キャスティングなど多岐にわたって活躍中。
http://www.makikakimoto.com

(制作 * エチカ)

RELATED 関連情報はこちらから

RANKING アクセスが多い記事をランキング形式でご紹介。

妊娠・出産・育児は、
わからないことがいっぱい。
悩み過ぎず、自分のペースで
行える育児のカタチを紹介していきます。
コモドライフとは?