先輩パパとママの毎日コラムvol.94

家族と、姉と弟と。

2017/9/6
家族と、姉と弟と。 家族と、姉と弟と。

アムステルダムに暮らしながら写真家・文筆家として活動する小野博さん。愛娘・ハルちゃんとの暮らしに、弟・こうちゃんもやってきて、ますます賑やかになった小野家の日々。

ハルちゃんの一日はこうちゃんから始まる。

こうちゃんの泣き声が隣の部屋から聞こえると、パッと目を覚まして「こうちゃんが泣いているから、いってくるね」と走ってゆく。すると「あはは、こうちゃん こうちゃん」と、二人がじゃれあっている声が隣の部屋から聞こえてくる。そう、ハルちゃんはこうちゃんがとっても好きなのだ。

もちろん、こうちゃんもハルちゃんのことが大好きだ。僕がどんなにあやしても泣き止まない時でも、スマホでハルちゃんの写真を見せるとスッと笑顔になったりする。あとハルちゃんが階段を上がってくる音が聞こえると、どこにいても猛スピードでハイハイして迎えにゆくのを見ると、いつも微笑ましい気持ちになる。

とはいっても、こうちゃんがやってきてから、ハルちゃんだけの時に比べて子育てはぐっと大変になった。片付けたばかりの部屋があっという間にめちゃくちゃになるし、ご飯の時も、散らかしたテーブルと床を拭いている時間の方が、食べている時間よりずっと長い。だから子どもの寝かしつけが終わると、思わずガッツポーズしてしまう。ただ前よりずっと楽しいなって思うことも増えた。

たとえば、ある日のこと。僕とこうちゃんはブロックで、ハルちゃんはパズルで遊んでいました。するとハルちゃんが

「ハナコさん、今なにやってんのかなあ?」

と唐突に質問してきました。僕はハナコさんがなにをしているかさっぱり見当もつかなかったので「ハナコさん、いろいろがんばってるんじゃない」と超適当に答えると、ハルちゃんが僕の方をじっと見つめて

「がんばるってなんだあ?」

と聞き返してきました。その返しがあまりにも面白くてゲラゲラと爆笑をしていると、そばにいたこうちゃんもつられてキャッキャと笑い、ハルちゃんも「なんだかわかんないけど、面白くなってきちゃった」とケラケラと笑い始めた。

部屋にこだまする三人の笑い声。

その時、ああ家族っていいなとしみじみ感じました。そんな家族と、姉弟の話でした。

ハルちゃんとこうちゃん
小野博

PROFILE

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写真家・文筆家。2002年よりアムステルダム在住。著作に世界を旅した記録を綴ったエッセイ集『Line on the Earth ライン・オン・ジ・アース』(エディマン)、日本とアムステルダムでの暮らしを綴った『世界は小さな祝祭であふれている』(モ・クシュラ)など。

(制作 * エチカ)

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