コモドライフ取材班

小児科医×助産師さんが語る!しあわせ授乳までの道

vol.2 産後すぐのママが授乳や育児の段取りで苦労する理由は?

「にっこり授乳期研究会」の小児科医の堀内先生と助産師の宮下先生に、産後すぐのママと赤ちゃんについてのお話を詳しく伺いました。2回目は、授乳や育児の段取りがうまくできない、と悩むママが多い理由について伺いました。

産後すぐのママが授乳や育児の段取りで苦労する理由は? 産後すぐのママが授乳や育児の段取りで苦労する理由は?

ーー前回お話を伺った、産後2日目の夜を乗り越えた後も、なかなか授乳がスムーズに進まずに悩むママは多いですよね。

堀内先生
授乳や育児が段取り良くできない、と悩むママは多いですね。ですが、これは当然のことなんです。自然界をみても出産直後のメスの動物は、子どもを守るために殺気立っているから近づくと危険、とよく言われますよね。これは人間も同様で、産後2ヵ月ほどは母としての本能で「戦いモード」に入っているんです。本能的な脳の活動が活発になり、理性的な脳の活動は抑制されます。つまり、理性的な面では産後の女性のアタマの回転は弱くなっているんです。計算できない、段取りができない。一方で、赤ちゃんの危険を察知したり、空腹や気分を感じ取る能力は上がっています。それなのに、仕事や勉強と同じように、育児も手際よくやらなければいけないと考え、それができないから悩むんです。

宮下先生
最近感じているのですが、出産前に細かいことを教わりすぎているのかもしれませんね。手順や知識を頑張って覚えても、その通りにできる脳になっていないんです。そういう意味では、私たち専門職も落ち入りがち(笑)。私自身も育児をふりかえると知識があるので、「こうしなくてはならない」と思い込み、その通りにできなくて混乱した経験があります。

堀内先生
私はそんなママたちを見ると、いつも思うんですよ。「どうしてそんなに子どもを育てようと頑張るの?子どもは育つんだから」と。充分がんばっているのでママには、少し力をぬいてほしいなと感じます。

堀内先生

ーーママの本能で段取りができなくなっているんですね!頑張りすぎて混乱しているママたちにとって、救いとなるお話です。

堀内先生
1ヵ月健診のとき、混乱しているママは多いですね。何時間おきに授乳しなくては、おむつを変えなくては、と自分で自分を縛っていて、うまくいかないと嘆いている。

宮下先生
「こんなものかな」と思えるようになるまで、2ヵ月ぐらいかかりますね。

堀内先生
理屈の世界から直感の世界に変わるまでに必要な時間が、だいたい2ヵ月くらい、ということです。段取りで動くのではなく、ママにしか感じられないセンサーで動けば良いんです。

宮下先生
ただし、そう思えるようになるには、愛情を持って見守ってくれている人が必要です。夫や母親など家族はもちろん、助産師がその役割を担うこともあります。身近に守ってくれる人がいて初めて、「これで良いんだ」と思えるようになります。

ーー「これで良いんだ」と思えるまでの間、混乱したときのために出産前に知っておいたほうが良いことはありますか?

宮下先生
産後すぐの育児は、見返りが明確ではないんです。テストは勉強すれば結果が出る、仕事は終われば褒められたりお給料がもらえる、というように、今までの人生は努力すれば何かしらリターンがあるんです。しかし、育児にはリターンがないので、「こんなにやってあげているのに」と悲しくなったり、混乱したりします。産後すぐの育児とはそういうものだ、予め知っておくと心が楽になりますね。

堀内先生
「こんなにやってあげているのに」から、「親にさせてもらっている」と思えるようになると、ひと山越えています。また、誰もが通る道、ということです(笑)。1ヵ月健診では混乱していたママも、2ヵ月経つと、つきものが落ちたような良い顔になりますよ。

産後すぐのママの心理状態や、出産前に知っておいたほうが良いことを教えていただきました!次回は、授乳や育児で困ったときに役立つ母乳外来などについて、お話を伺います。

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