子育てエール!専門家による、ママパパ応援コラムvol.9

これがお手本!上手に赤ちゃんに母乳を飲んでもらう方法。

2016/7/12
これがお手本!上手に赤ちゃんに母乳を飲んでもらう方... これがお手本!上手に赤ちゃんに母乳を飲んでもらう方...

一口に授乳と言っても、実は困難も多く、授乳に関して悩んでいるママはとても多いですよね。母乳の出に問題はないか、赤ちゃんがちゃんと必要な量を飲めているか、はじめてのママには分からないことだらけです。個人差が大きいためきっちりとした正解がなく、それがまたママを悩ませる原因ともなっているようです。そこで今回は、赤ちゃんにおっぱいを上手に飲んでもらうためのポイントをいくつかご紹介します。

母乳をあげる回数・間隔は?

健診に来られるママたちに「1時間おきに飲ませているが足りてるのでしょうか?」「夜起きないのですが、起こして飲ませた方がいいのでしょうか?」などの相談を受けることがよくあります。基本的には、赤ちゃんが欲しがるたびに母乳をあげるとよいでしょう。
母乳の回数は1日8~12回程度が目安ですが、個人差が大きいため授乳の回数よりも、おしっこが1日8回以上出ているか、体重がしっかり増えているかが大切な指標となります。

・生後2ヵ月頃まで:1~2時間おきに片方につき5~10分ほどが目安です。
頻繁に飲んでもらうことで母乳も作られやすくなるので、回数が多少多くても大丈夫です。
ただ、毎回お腹がすいて泣いている訳ではないこともあるので、抱っこで様子を見たりしてもよいでしょう。長い間吸い続けている場合は、左右のおっぱいを交代したり、体勢を変えてあげると満足することもあります。また、ミルクを足す場合はお腹がふくれやすいので、3時間以上間隔をあけるとよいでしょう。

・3ヵ月以降:一度に飲める量が増えてくるので、回数は1日5~8回程度に減ってきます。
ケースにもよりますが、新生児期はあまり時間があくようであれば、起こして授乳してあげるのが安心です。その後は、体重増加とおしっこの出が正常であれば、時間があいても大丈夫です。

はじめは授乳の間隔などバラバラなことも多いですが、赤ちゃんとママのペースが徐々に出来てきますので、育児本や他人と比べて焦ったりせず、慣れていくようにしましょうね!

上手な飲ませ方、3つのポイント

1. 抱っこの仕方

横抱きや縦抱き、フットボール抱き、沿い乳など、様々な体勢の飲ませ方がありますが、大事なのはママと赤ちゃんに負担がかからないことです。無理な体勢は腱鞘炎やうまく吸えない原因となりますので、もたれかかれる椅子やクッション、枕などを使って、できるだけ手首や肩、腰への負担を減らしましょう。赤ちゃんは頭が重いので、頭を肘や体全体などで支えるようにし、荷重が一点にかからないようにします。赤ちゃんの口がママの乳頭の高さで乳頭に対してまっすぐ向くように抱っこしましょう。乳腺が詰まらないようにするため、いつも同じ体勢の飲ませ方でなく、違った方向から飲ませる抱っこの方法に時々かえてあげることも大切です。

2. くわえさせ方

赤ちゃんの口元を乳頭などで刺激すると、赤ちゃんは乳頭を探して口を開けます。大きく口を開けたところでママの体を動かすのでなく、赤ちゃんの頭を乳輪の方に動かすようにして、乳頭を深くくわえさせましょう。アヒル口のような形であまり大きな音がせず、コクコクと赤ちゃんの喉が動いていれば、しっかりと飲めている証拠です。くわえ方が浅かったり斜めになっていたりすると、うまく母乳が出ずに飲めなかったり、乳頭が切れてしまったりとトラブルの元となるので気をつけてあげましょう。

3. 授乳後の上手なげっぷのさせ方

授乳後、一息おいてから赤ちゃんの胸の下のあたりを肩に乗せるようにし、背中を下から上へさすります。5分程度行って出なければ、吐いて喉に詰まらせたりしないように赤ちゃんの顔や体を横に向けて寝かせてあげましょう。体勢が変わることでげっぷが出る場合もあります。なかなか出にくく、おなかが張る場合は、ママの胸の上でうつ伏せにして背中をさすってあげるのも出やすい方法ですよ。

【最後に】

慣れない授乳で、はじめは心配になることも多いですが、回数を重ねていくうちにペースややり方がつかめていき、楽になってくるでしょう。授乳の時間は、どんどん成長し変わっていく赤ちゃんと触れ合えるとても貴重な時間です。こうしないといけない!というように、あまり思い詰め過ぎず、赤ちゃんとのふれあいを楽しみながら授乳に慣れていきましょうね。

吉田朋代

PROFILE

吉田朋代このライターの記事一覧

小児科医。
名鉄病院、名古屋赤十字病院など勤務、小児科専門医の資格所持。

RELATED 関連情報はこちらから

RANKING アクセスが多い記事をランキング形式でご紹介。

妊娠・出産・育児は、
わからないことがいっぱい。
悩み過ぎず、自分のペースで
行える育児のカタチを紹介していきます。
コモドライフとは?