イラストレーター・角裕美さんの、赤ちゃんのいる暮らしをお届けします。今回は、赤ちゃんの離乳食についてお話を伺いました。
ーー離乳食をスタートしたときのことを教えてください。
角さん
離乳食については、知識も情報も全くありませんでした。私の病院では新生児の育児情報だけで離乳食までの指導はなかったので、親に相談してみることに。すると「昔過ぎて忘れちゃった」とのことで、それまでの子育てのなかで一番「?」が多くて焦ったのを覚えています。自力でどうにかしなくてはと、育児本や育児雑誌を参考にしてみることにしました。「何がいつから食べられるか」「どうやって調理するのか」について調べることが多かったですね。
ーー実際に始めたのはいつですか?
角さん
うちの子は他の子よりも少し小さかったので、もっとのんびり始めてもいいかなぁと思っていたのですが、6ヵ月から離乳食をスタートさせました。その理由は、卵を早い時期から食べたほうが卵アレルギーを予防できるということを本で読んだからなのですが、卵を7ヵ月くらいで食べ始められるようにと、6ヵ月から離乳食をスタートさせることにしたんです。子育てはいろいろ分からないことだらけですが、アレルギーも未知の世界で本当に心配だったので、もしアレルギーが出てしまったときにすぐに病院に行けるようにと、まずは日中に一食だけ離乳食を取り入れることから始めました。
ーーママも安心できる環境でのスタートですね。最初に作ったものを覚えていますか?
角さん
はい!最初は10倍粥でしたね。本のレシピを見て作りました。息子は初めてのミルク以外の食事に驚いていたようで、最初は私の方をじっと見つめてきて「え?これ食べるの?」と、訴えているような顔が、かわいかったのを覚えています。一口目は知らない食感にびっくりしたのか、口に入れてすぐ吐き出してしまいましたが、二口目からは気に入ったのか、自分からスプーンをつかんで口に持っていって積極的に食べていました。
ーー初日にして食べ物の美味しさに目覚めた感じですね!その後も離乳食をよく食べてくれましたか?どんなレシピがお気に入りでしたか?
角さん
初めのころは味付けをしないで、食材を柔らかく食べやすくしたものをあげていました。離乳食後期の今は、うどんが大好きなのでよく作っています。シーチキン、しらす、小松菜、わかめ、じゃがいも、にんじん、たまねぎなど、息子が大好きなものがたくさん入ったうどんをよく作ります。大好きなものがたくさん入っていると、手を叩きながら「きゃー!」と笑いながら食べてくれるんです。
ーー美味しそうに食べてくれるのは作りがいがあり、嬉しいですね!
角さん
そうですね。でもいまだに、味付けや固さなど、どのくらいがちょうどよいのかが分からず、試行錯誤しています。さらに最初のころは、一生懸命作っても全然食べてくれないものもあって。それだと自分もショックでがっかりするので、まずはレトルトで食べてくれる食材なのかを試してみて、食べてくれたものを自分で作るようにしていました。
ーー好きなもの苦手なものは、赤ちゃんにもあるんですね。食事の好みは変わったりしましたか?
角さん
10ヵ月を過ぎたころから、食の好みが出てきたようで、ブームが現れるようになりました。バナナが大好きだったので毎日デザートで出していたら、飽きたのか全然食べなくなったり、おにぎりも同様で、大好きだったのに急にプイと見向きをしなくなったり。1才を過ぎたくらいから、いろんなものが噛めるようになりだいぶ大人のメニューに近くなってきました。最近では、次は何のブームがくるのかを、ちょっと楽しみにしています。
PROFILE
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武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科卒業。グラフィックデザイナーを経て、イラストレーターとして独立。雑誌、書籍、広告などで活躍するほか、定期的に個展も行う。
http://kadohiromi.com/
(制作 * エチカ)