子育てエール!専門家による、ママパパ応援コラムvol.77

ベビー服の水通しの目的、方法、注意点を解説!洗剤選びのポイントも【小児皮膚専門家】

2020/10/21
ベビー服の水通しの目的、方法、注意点を解説!洗剤選... ベビー服の水通しの目的、方法、注意点を解説!洗剤選...

ベビー服を購入したら赤ちゃんに着せる前に「水通し」をすることが大切です。初めての妊娠であればママやパパは「水通しってどうやればいいの?」「洗剤は使わないの?」「手洗い?洗濯機?」などさまざまな疑問がわくのではないでしょうか。そこで、神奈川県こども医療センター皮膚科部長である馬場直子先生に、水通しをする理由、水通しの正しい方法、注意点と、ベビー服を洗濯するときの洗剤選びのポイントを教えていただきました。

ベビー服に水通しが必要な理由

赤ちゃんに服を着せている女性

水通しとは、着る前に水洗いすること。水通しをする理由はおもに「ホルムアルデヒドなどの化学物質を除去し、汗を吸収しやすくするため」です。衣類には、製造する際に使われた染料、ホルムアルデヒド、糊などの化学物質が残っている可能性があります。赤ちゃんの肌はデリケートなのでこれらの化学物質に触れるとかぶれてしまう場合があるため除去しておくことが大切です。また、糊を落とすことで生地が柔らかくなって着心地が良くなったり、汗を吸収しやすくなったりします。

ベビー服だけでなく、肌着、ガーゼ、スタイ、おくるみ、タオル、布団カバーやシーツ、ぬいぐるみ、ベビーカーのフロントガードカバーなど赤ちゃんの肌に触れるものは生まれる前に水通ししておきましょう。

ベビー服を水通しする方法

赤ちゃんの肌着を広げている女性の後ろ姿

水通しは洗濯機でおこなっても手洗いでもどちらでも構いません。また、洗剤は基本的に入れず水だけでOK。洗濯するときは衣類の紐をほどいておいてくださいね。

*洗濯機で水通しする場合

まずはベビー服を洗う前に洗濯機を洗いましょう。洗濯槽専用の洗剤を使用して、洗濯槽の汚れやカビを取り除いておきます。そして、洗濯機がきれいになったらベビー服を洗濯表示に従ってネットに入れるなどして、「ソフト」または「手洗い」コースに設定して洗います。

*手洗いで水通しする場合

洗面器や洗面台などに水をためて洗うので、まずは使用する洗面器や洗面台などをきれいに洗いましょう。きれいになったら、ぬるま湯か水をためて、その中にベビー服を入れて水に浸し、軽くもみ洗いします。

使った水は一度捨てて、新しいぬるま湯か水を入れてよくすすいでください。最後に、流水ですすぎましょう。

干されているベビー服

洗濯機を使う場合も手洗いの場合も、洗濯が終わったらしわを伸ばして干してください。小さなベビー服が並ぶ様子はとても可愛らしく、思わず笑顔になってしまうかもしれませんね。

洗濯洗剤を選ぶときにはここをチェック!

水通しは洗剤を使う必要はないのですが、気になる方は少量の洗剤を使ってより清潔にしても構いません。また、赤ちゃんが生まれたら一度着た衣類の洗濯には洗剤を使います。そこで洗剤選びのポイントをお伝えします。

*ベビー服の洗剤を選ぶときの判断基準

新生児を抱っこしている女性

赤ちゃんの肌に触れる衣類やタオルなどを洗濯するときは赤ちゃんの肌を守るために、以下の4つが満たされているものを選びましょう。

(1) 100%植物性洗浄成分である
(2) 無添加(着色料、漂白剤、リン、蛍光剤が含まれていない)
(3) アレルギー、皮膚刺激性などの安全性テスト実施済み
(4) 洗剤の洗い残りの心配がない

大人用の洗濯洗剤でもこれらを満たせば使用することができます。ただ、赤ちゃん用に開発された洗濯用洗剤であれば商品にもよりますが、上記のほかにも赤ちゃん特有のうんちやミルク汚れをすっきり落とす植物性洗浄成分を採用されており、さらに赤ちゃんの肌にやさしい洗剤もあるでしょう。また、界面活性剤の含有量もより少なく作られているかもしれません。

ベビー服の乾かし方と保管に関する注意点

洗濯が終わった後の乾燥や保管に関しても注意してほしいことがあります。

*乾燥の注意点

干されているベビー服

外に干す場合、花粉や大気中のPM2.5が衣類につかないように配慮し、乾いたらすぐに取り込んで保管しましょう。季節により気になる場合はなるべく日当たりのよいところに部屋干しすると良いかもしれませんね。生乾きを防ぐために扇風機を使用するのもおすすめです。

乾燥機の使用はベビー服の洗濯表示に従っておこなえば問題ありませんが、コインランドリーは不特定多数の人が使うものなので避けましょう。

*保管の注意点

ベビー服をたたんでいる手元

大人の衣類にはベビー服に比べてホルムアルデヒドが含まれている量が多い場合があります。そのため、大人の衣類と分けて保管してください。また、保管する際、防虫剤を使用すると、防虫効果を発揮する化学成分が衣類に残ってしまうため絶対に避けてください。防虫剤で保管した大人の衣類と一緒に保管することもしないでくださいね。

まとめ

水通しは赤ちゃんの肌を守るため、12ヵ月(1才)ぐらいまでおこなうと安心です。月齢が上がってきたらいつもの洗濯に混ぜておこなうと負担が軽減できますね。ただし、アトピー性皮膚炎や乾燥肌の赤ちゃんの場合は、バリア機能が弱くさまざまな化学物質に対してアレルギーやかぶれを起こしやすくなるため、4~5才までは水通しをおこなったほうが良いでしょう。

もう、そろそろいらないかな?と思ったら、一度水通しせずに着させてみて、2~3日は肌の様子に注意してみていてください。もし、痒がったり、赤くなったり、ブツブツができたりしなければ、もう大丈夫ということです。ただし、衣類の種類によっても違うので、いったん水通しはいらないと判断しても、別の衣類で症状が出たら、再開しましょう。

水通しや洗剤選びに配慮して、赤ちゃんの肌にやさしく着心地の良い服を着せてあげてくださいね。

馬場直子

PROFILE

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神奈川県立こども医療センター皮膚科部長、横浜市立大学皮膚科臨床教授

1983年滋賀医科大学医学部卒業、1994年横浜市立大学皮膚科講師を経て、神奈川県立こども医療センター皮膚科部長、2015年より横浜市立大学皮膚科臨床教授を兼務。日本皮膚科学会専門医。専門分野は小児アトピー性皮膚炎、母斑、血管腫、皮膚感染症など小児皮膚科学全般。

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