季節によらず赤ちゃんは汗っかき!グッズ選びで意識すべきポイントの一つは通気性?【小児科医が解説】
赤ちゃんは汗っかきで、季節によらず汗による肌トラブルが起こりがち。赤ちゃんの肌をすこやかに保つためには、毎日のおふろ・スキンケアはもちろん、ベビーカーや抱っこひもなど、赤ちゃんが広い面積で触れる育児グッズの素材選びも大切です。何を重視して選ぶといいのかについて、小児科医の保田典子先生に教えていただきました。
赤ちゃんが汗っかきな理由
赤ちゃんは新陳代謝が活発で体温が高いこと、生まれながらにして大人と同じ数の汗腺を持っていることなどが理由で、とても汗っかきです。
また、体温調節機能が未発達なこともあり、体温調節ができず、汗をかいて熱を下げようとします。そのため、日中活動しているときはもちろん、授乳後や寝起きにもたくさん汗をかきます。
昼夜の温度差が激しい時季や、蒸し暑い時季だけでなく、冬などの寒い時季も暖房、着ている服、布団などの影響を受けて汗をかきやすく、赤ちゃんの汗っかきは季節を問いません。こまめに赤ちゃんの様子を確認し、快適に過ごせるように工夫しましょう。
汗をかいた後は体が冷えたり、あせもなどの肌トラブルの原因にもなったりしますから、おふろで清潔にして、スキンケアをしっかりおこなうことが大切です。また、赤ちゃんの体に長い間接する肌着やウエア、ベビーカーや抱っこひもなどのグッズは通気性を意識して選ぶことがおすすめです。
赤ちゃんが蒸れやすい理由と蒸れが引き起こすリスク
赤ちゃんは汗っかきで、おむつなどの蒸れやすい素材を身につけていることなどから、汗をそのままにしておくと、肌が蒸れた状態になってしまいます。とくにねんねの時期は自分であまり動けないため、背中に汗がたまりがち。また、こまめにおむつ替えをしないと、おしり周りも蒸れてしまいます。蒸れた状態が続くと、あせもができたり、肌がふやけて傷つきやすくなったりします。傷ついたところに刺激が加わることで、おむつかぶれができることも。季節を問わず、赤ちゃんを蒸れが引き起こす不快感やリスクから守ってあげることが大切です。
通気性を意識して選びたいアイテムは?
赤ちゃんは不快な蒸れがあっても自分で蒸れを軽減することができません。そこで、少しでも赤ちゃんの肌を蒸れによるリスクから守るために、「通気性」を意識して育児グッズを選びましょう。通気性が良いと蒸れだけでなく、赤ちゃんを包む空気の気温をさげ、体感温度も下げてくれます。さまざまな育児グッズがありますが、とくに「通気性」を意識して選びたいアイテムを紹介します。
肌着・ウエア
肌着とウエアは、吸湿性と通気性がいい綿100%のものを選びましょう。赤ちゃんは大人よりも体温が高いため、着せすぎると汗をかいてしまいますから、薄着を基本にしましょう。また、赤ちゃんは暑いとグズグズします。そのような様子が見られたら、着せ過ぎていないか確認して調節しましょう。
紙おむつ
市販されている紙おむつは、通気性を配慮して作られていますが、お腹や足などがキツイと肌が蒸れる原因になります。赤ちゃんの体形に合わせてサイズアップをしたり、違うメーカーを試してみたりしてみましょう。汚れが長時間肌に触れると肌トラブルの原因になるため、おむつはこまめに替えてください。
ベビーカー・抱っこひも
ベビーカーに乗っている赤ちゃんは、大人よりも地面に近くなるため、熱がこもって体温が上がって汗をかきやすくなります。抱っこひもは、ママ・パパと密着する分、想像以上に暑く、やはり赤ちゃんが汗をかきやすい状態に。特に、長い時間赤ちゃんに接する部分は汗をかきやすくなります。これらを念頭に置いて、選ぶときは、デザイン性だけでなく、背中やおしりなどの赤ちゃんが接する面が通気性の良い素材かどうかも重視するといいでしょう。ベビーカー、抱っこひもを使うときは、こまめに赤ちゃんの様子を確認し、着替えなどで体温調節をすることも忘れないで。
バウンサー
赤ちゃんがゆらゆらゆれてご機嫌でいられるバウンサー。赤ちゃんを見ながらちょっとした家事をしたいとき、ママやパパがくつろぎたいときなどに活躍する赤ちゃん用の椅子です。使用時は背中やおしりやお股周りがバウンサーと接した状態のため、通気性が良い素材で作られたものを選ぶのがおすすめです。カバー部分を洗濯できる素材なら、衛生的に長く使えますよ。
チャイルドシート
赤ちゃんを車に乗せるときは必ず装着します。赤ちゃんを守るために体を固定するので、密着する部分が多いです。選ぶときには、シート部分の通気性が良いかどうかもチェックしましょう。
汗をかいてしまったときの対処
どんなに気を付けていても赤ちゃんは汗をかくものです。授乳後、起床後、お散歩からの帰宅後などのタイミングで、背中に手を入れて肌着の湿り具合をチェックするなどして、赤ちゃんが汗をかいていないか確認しましょう。
汗をたくさんかいてしまったときは、肌の清潔を保つために、できればシャワーで流すのがおすすめです。難しいときは、湯で搾ったガーゼなどで、ポンポンと肌を押すようにしてふき、保湿剤を塗ってから新しい肌着・衣類を着せます。
もしあせもやおむつかぶれができてしまい、なかなか良くならないときは、できるだけ早くかかりつけの小児科、皮膚科を受診してくださいね。
まとめ
季節を問わず赤ちゃんは肌トラブルを起こしやすいのですが、もともと肌が強い赤ちゃんでも、特に暑い時期は肌トラブルを起こしやすくなります。赤ちゃんは暑がりなので、家にいるときなどは、涼しく過ごせるよう環境を整えるとよいでしょう。汗をかいたあとはシャワーで流して保湿したり、衣類を替えさせたりして、赤ちゃんの肌を守りましょう。
PROFILE
保田典子このライターの記事一覧
小児科 | 高円寺こどもクリニック院長
2003年筑波大学医学部卒業、国立国際医療センター、大阪市立総合医療センター小児循環器内科勤務等を経て現職。小児科専門医。一般診療、小児循環器診療に加えて、漢方治療や発達相談にも対応している。2021年、高円寺こどもクリニック開院。3児の母。