篠崎芽美

先輩パパとママに聞きました!

vol.120

ダンスで開く、子育ての明るい扉。「ピラティスの呼吸で、出産を自分のペースに。」

プロのダンサーとして幅広い作品に参加しながら、子連れで受けられるピラティス教室や親子向けのワークショップなど、子どもや親子に向けた活動を積極的に行っている篠崎芽美さん。二児の母であるご自身の妊娠や出産について、今回はさまざまなお話を伺いました。第2回は「ピラティスの呼吸で、出産を自分のペースに」です。

ダンスで開く、子育ての明るい扉。「ピラティスの呼吸... ダンスで開く、子育ての明るい扉。「ピラティスの呼吸...

ーー初めての出産はいかがでしたか?

篠崎
やっぱり、大変でした…。一般的に、ピラティスの知識があるとお産時の呼吸が上手にできると言われているんですね。わたしもピラティスの知識は一通り持っていたし、マンツーマンで事前にピラティスのレッスンを受けたり、先輩たちから経験談を聞いたりもしていたので、イメトレでは準備万端のはずだったんですよ(笑)。でも、やっぱり現実は思うようにはいかなかった。ふだん生徒さんたちに教えているようには、なかなか実践できないんだなと改めて実感しました。

ーーどういうところが予想外だったのでしょうか?

篠崎
ピラティスの基本に、「呼吸とともに、骨盤底筋を締めたり(骨盤の下の部分を構成する筋肉を、意識して上側に寄せること)、緩(ゆる)めたりする」という動きがあるんですが、出産時はこの動きがとても重要になってくるんですね。わたしも平常時であればもちろんこの動きを把握しているんですが、実際に陣痛が起きると激しい痛みで呼吸のリズムが乱れるし、身体全体にぎゅっと力が入るし、さらに、自分の意志に反してものすごく「いきみ」たくなってしまうんです。この「いきみたい!」っていう感覚がほんとうにすごくて、驚いてしまって(笑)。赤ちゃんのためには骨盤底筋を締めなきゃいけないときなのに、いきみたくなって勝手に骨盤底筋が緩んで、赤ちゃんを押し出したくなっちゃう、コントロールが効かない、どうしよう!って。

ーー臨場感が伝わってきます…!その後は、どのように対処したのでしょうか。

篠崎
どうしてもいきみそうになってしまう力を抜くために、まずは落ち着いて、ゆっくりと深呼吸を繰り返しました。肺の下側にある横隔膜を動かして、出産に適した呼吸を繰り返すうちに、だんだんと頭がクリアになってきました。「いま痛いところは骨盤だけなんだ、ということは、肩も背中も奥歯もガチガチに力を入れる必要は無いんだ」と分かってくると、余計な力もすーっと抜けて、リラックスした気持ちになれました。

出産中の篠崎さん

ーーとても冷静な判断ですね…!

篠崎
普段から、つらいときやしんどいとき、モヤモヤしたときなどに、つらさの原因が分かることで頭がクリアになることってありますよね。何をしたらいいか分からない状態から、やるべきことがはっきり分かって気持ち的にラクになる、という状態というか。そのときも本当にそんな感じで、痛みの場所が分かることで冷静になれたんだと思います。ピラティスの呼吸のおかげで、お産本番もかなり落ち着いて臨むことができました。初産のときは、産後に不調がありそのまましばらく入院することになったので、また別の大変さがあったのですが…、陣痛自体は、なんとか乗りこなせたような気がします。

ーーひとりめとふたりめのときでは、違いはありましたか?

篠崎
ふたりめのときは、完全にやり方をつかんでいたので(笑)、ただただ楽しいお産でした。陣痛はすごく痛いんですが、陣痛と陣痛の間の痛くない時間帯に、意識がすーっと遠のいて、うとうと眠れたことが本当に気持ちよかった。慣れってすごいですよね(笑)。

ーーすごい境地です…。篠崎さんのようには難しいかもしれませんが、ピラティスの経験がない方に向けて、陣痛時、出産時のアドバイスをいただけますか?

篠崎
まず、ふたつのことを意識するのがよいと思います。ひとつめは、「呼吸」。ふたつめは、からだの中を「イメージ」すること。呼吸で大切なのは、息を吸うときに、肺をしっかり広げて横隔膜を下げることを意識するということです。横隔膜は肺の下側にある筋肉で、しゃっくりのときにけいれんするところ。精神面にも大きく影響する筋膜ですから、しっかりと呼吸をすることがリラックスにもつながります。妊婦さんが息を吸うと、すーっとおなかが出て、赤ちゃんは前側に出る感覚です。いわゆる腹式呼吸ですね。また、緊張しすぎて脈が速くなると体力も消耗してしまいますから、深く、ゆっくりと深呼吸することで、お産に向けて体力を温存することが大切です。本番であわてないように、妊娠中から練習しておくとよいと思います。

ーーふたつめの「イメージする」というのは、どのようにすればよいのでしょうか。

篠崎
陣痛がつらくてパニックになりそうなとき、呼吸を忘れて息を止めてしまいそうなときに、ぜひ思い出してほしいのが、「赤ちゃんに酸素を送るぞ!」というイメージです。わたしはこのイメージのおかげで、痛いときも深く息を吸うことを忘れられずにいられてとても助かりました。妊娠中の日常生活においても、このイメージは精神的な助けになるのではないかと思います。ぜひ、試してみてくださいね。

出産直後の母子
篠崎芽美

PROFILE

篠崎芽美このライターの記事一覧

高校在学中に「珍しいキノコ舞踊団」に出演。入団後、国内外で発表された全作品に出演。 CM、MV、演劇などへの振り付け提供多数。その他、子ども連れで受けられるピラティス教室やダンスワークショップを各地で行う。2016年より子育て中のアーティストと観客を支援する「ダンス保育園!!」の発足に参画。2018年より子どもと表現をテーマにしたワークショップとパフォーマンスのイベント「ヒョーゲンのメメメ」を主催。
@memi_shinozaki

(制作 * エチカ)

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コモドライフ編集長NOTE