子育てエール!専門家による、ママパパ応援コラムvol.104

妊娠中、骨盤はどう変化する?妊婦帯と骨盤ベルトの正しいつけ方と選び方【助産師監修】

2021/8/5
妊娠中、骨盤はどう変化する?妊婦帯と骨盤ベルトの正... 妊娠中、骨盤はどう変化する?妊婦帯と骨盤ベルトの正...

妊娠中は骨盤がゆるむというお話を聞いたことはありますか?そこで活躍するのが妊婦帯や骨盤ベルトなのですが、どうやってつけたらいいのか、どれを選んだらいいのか分からないという方が多いのではないでしょうか。そこで今回は杏林大学保健学部看護学科の准教授である助産師の加藤千晶先生に、妊娠中の骨盤の変化や妊婦帯と骨盤ベルトについて教えていただきました。

妊娠中の骨盤の変化

妊娠すると「リラキシン」という女性ホルモンが分泌されて骨盤をつないでいるじん帯がゆるみ始め、出産直前には赤ちゃんがとおるよう産道を最大限にひろげます。人間の骨のなかでも骨盤はとても頑丈に作られていますが、それは重い上半身を支えるため。そこで、じん帯や筋肉のゆるみで骨盤が不安定にならないよう、妊娠中や産後は骨盤を安定させてあげることが大切です。

妊婦帯・骨盤ベルトの役割

妊婦帯・骨盤ベルトの役割

妊婦帯のおもな役割は、大きくなったおなかを下からささえて重いおなかの負担を軽減すること。また、はらまきタイプであれば、冬場や夏の冷房がきいた部屋でおなかを冷やさないようにする効果もあります。

骨盤ベルトのおもな役割はじん帯がゆるんだ骨盤を安定させたり、骨盤が不安定になりすぎるのを予防したりすることです。つけることで歩いているときの足の運びをラクにしてくれる効果も期待できます。

妊婦帯の正しいつけ方と選び方

妊婦帯の正しいつけ方と選び方

妊婦帯は、妊娠5ヵ月の戌の日にさらし帯を巻いて安産祈願をするのをきっかけに、ちょうどおなかも膨らみ始めることから使い始める方が多いようです。正しいつけ方ですが、おなかを下から持ち上げるようにして妊婦帯を合わせ、ベルトをおなかの大きさに合わせて留めるだけ。きつく締めすぎず、心地よく感じるぐらいの強さに調節することが大切です。

妊婦帯には代表的なものとして次のような種類があります。

・はらまき+ベルトタイプ

筒状のはらまきにおなかを下から支えるベルトがついたもの。はらまきがおなかを温めてくれるので、冷房のきいた部屋、寒い季節などからだの冷えが気になるときに重宝します。外出時や家事などで動いているときはベルトをつけておなかを支え、寝るときはベルトをはずしてリラックスなど、シーンに応じて使い分けがしやすいですね。

・ベルトタイプ

ベルトのみのタイプはおなかを下からささえて腰の負担を軽減します。そのためとくにおなかが大きくなってきたときにおすすめです。着け外しがかんたんなので、座っているときは外す、立っているときはつけるなど体調や状況に合わせて使い分けがしやすいのも嬉しいですね。

・はくタイプ

ショーツと妊婦帯が一体になったものです。はらまきタイプと違いずり上がる心配がないので、よく動きまわるときにおすすめです。仕事をしているときや外出時なども安心ですね。

骨盤ベルトの正しいつけ方と選び方

骨盤ベルトは正しい位置で締めることが大切です。正しい位置とは、一般的に骨盤の出ている場所(いわゆる腰骨といわれるところ)と太ももの骨の出ている場所の間の位置のこと。

骨盤の一番出っ張っているところから、2cmほど下ぐらいのところにベルトの上を合わせて体に合わせてまきます。きつく締めすぎると血流が滞ってしまうので、「締める」というより「巻く」というイメージが良いですね。

骨盤ベルトを着ける位置

骨盤ベルトにはおもに次の種類があります。

・ベルトタイプ

おしりにフィットしてヒップをしっかりささえ、骨盤・恥骨・腰をサポートして骨盤のゆるみやゆがみを安定させます。マジックテープなどで簡単に留めたり外したりできるので、はらまきや産後用のショーツの上から装着することもできます。

・ショーツにベルトが一体化した骨盤パンツタイプ

ショーツにベルトが縫い付けてある一体型で、ベルトの調節が不要です。ウエスト部分にはゴムが使われていなかったり、伸びのよい素材で作られていたりして、おなかを締めつけないよう作られています。ショーツをはくだけで骨盤ケアができてしまう手軽さが魅力ですね。動いてもベルトがズレる心配がないので仕事中やお出かけにも使いやすいでしょう。

まとめ

ゆるんだ骨盤は腰痛や尿モレの原因になることがあります。産後、骨盤はゆっくりと元に戻っていきますが、骨盤ベルトなどを装着して整えることが大切です。どんな妊婦帯や骨盤ベルトを選んだらいいか迷ってしまうという場合は、産院の助産師に相談してみましょう。とくに骨盤ベルトは相談をしてから装着することをおすすめします。

妊娠帯、骨盤ベルトを上手に活用して妊娠中、産後のママの負担を軽減し、健康に役立てましょう。

加藤千晶

PROFILE

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杏林大学保健学部看護学科 准教授
助産師として約10年大学病院にて勤務。その後、看護・助産教育に約15年携わり、産科病院にて看護部長を経験。現在、杏林大学保健学部看護学科准教授として助産師教育に携わっている。

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