フードユニット、TORiの岡本雅恵さん。今回は子育て中のお母さんのリフレッシュについてのお話です。
大切な命を授かり、自分の身や時間を削ってまでも守りたい存在ができるということ。もし、自分時間のグラフのようなものがあるとしたら、赤ちゃんにかける気持ちの割合みたいなものって、人にもよるのかもしれませんが、私は第一子が産まれて1年くらいは、ほぼ100%?に近かったような気がします。
命を繋ぎ、育てていくという、もともと備わった本能がある限り、「自分時間<赤ちゃんとの時間」に傾くのは当たり前のことだと思うし、初めての体験ばかりで不安ばかりでしたが、新鮮で、楽しくて、何より我が子との時間は幸せに溢れていました。
でも、そんな時間もある一方、子どもが少し手が離れてきたり、日々成長を感じていたりすると、我が身を振り返ると、あれ…私ってどういう人間だっけ?何が好きなんだったっけ…??と、自分の存在があやふやなような、自分のことなのによくわからなくなってしまったことがあり、悩み苦しい時期もありました。
そこから一歩踏み出せたのは、私は保育園との出会いや、仕事に復帰することだったのですが、あの辛い時間を過ごしたことも、それを乗り越えることができたのも、すべてに意味があったな〜と今は振り返って思えるようになりました。
四六時中、小さな守るべき命と対峙するのですから、それはそれは大変なことなんですよね。目の前のやらなければいけないことでいっぱいいっぱいだし、考えることも次から次へとでてきます。保育園に預かってもらい、自分の時間がまとまってできたことで、改めて焦点が自分に戻るような、私が私に戻っていく感覚がありました。
ちなみに二人目のときは、もうすっかり自分時間の確保の仕方も、気持ちの傾き方も、自分に軸があるので、子どもと一緒にいるときも、離れているときも、それぞれの良き過ごし方ができるようになっていました。育児への慣れもあったと思います。経験値ってすごい!って何度も思いましたよ。行きたい展示に行ったり、カフェに連れ出すのもなんのその。シチュエーションとしては限られますが、仕事に連れて行くこともありました。夫も経験値があるので、安心して早めのうちから任せられました。
リフレッシュできると、子どもへの向き合い方も冷静になれるし、一段と可愛く感じるしで、いいことづくめ。お母さんが笑っていることが一番ですからね。子どもとの距離が近すぎて、自分という存在を感じづらくなったとき、私は一人になって深呼吸したり、好きなことをたくさん思い出したり。これからも頑張りすぎず、楽しんで育児をしていきたいなと思っています。
PROFILE
Rom 岡本雅恵このライターの記事一覧
料理家。友人と共にフードユニットTORiとして、カフェ営業、ケータリング、webや雑誌などのレシピ提供などを経て、2020年に長野へ移住。畑に隣接する古民家をアトリエとし、Romという屋号で活動を開始。野菜を育てたり、土に近い暮らしを通じて、さらに季節と地域を意識した食の在り方を模索中。女の子と男の子の二児の母。
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(制作 * エチカ)