高橋倫代

毎日のこと

先輩パパとママの毎日コラム

vol.328

福はうち!「わが家の出産準備」

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書籍や雑誌のデザイナーとして活動する高橋倫代さんが綴る、パパと節分産まれの息子さんとの幸福いっぱいの日々。今回は出産準備のあれやこれやについてです。

福はうち!「わが家の出産準備」 福はうち!「わが家の出産準備」

妊娠7ヵ月を過ぎて夏の暑さとともにつわりが落ち着いた頃、仕事用に借りていた小さなアトリエを解約し、自宅のダイニングの隅に専用の机とパソコンを置かせてもらいました。そこから1ヵ月ほどかけて、着ていて動きづらいワンピースも、いつかゆっくり読もうと思っていた長編小説も、子どもがよじ登ったら倒れてしまいそうな脚の細い椅子も全部処分して、2人ぶんの荷物であふれた1DKの部屋を3人ぶんの荷物が置けるようにひたすら断捨離!出来たスペースに、ベビーベッドとプラスチックの収納ケースを4つ置きました。

里帰りから帰ってきたらとっても忙しくなるらしいからと、専門の業者にお願いして水回りを一度すべてキレイに掃除してもらったり、ネットスーパーや宅配をスタートしてみたり、なるべく産後のタスクを減らすべく、お宮参りをする神社やお食い初めのやり方まで先回りして決めておいたり…。

出産前、それまで「赤ちゃん」という生きものにほとんど関わったことがなかった私には、子どものいる生活がどれだけ楽しいのかを想像しきれず、ちまたの噂で聞いた「育児はとっても大変」という声の方がずっと大きく響いていました。わが家の出産準備は、可愛らしいベビー用品をウキウキと選んでいる時間よりも、これから始まる未知の生活を恐れて産後の負担をいかに減らすかを考えている割合の方が多くなっていたように思います。

きっと産後は無理をしてしまう。親としての責任感のなかで限界をはるかに超えるまで頑張ってしまうかもしれない。そうして子どもの生活を私1人、夫婦2人だけで抱えきれなくなったときに、身内以外にもどこか頼れる先を持っておきたくて、シッターさんの会社をいくつかと、産後にママと赤ちゃんを守ってくれる施設(産後ケアセンター)のアクセスを調べておきました。

何よりも、「子どもの面倒は母親が見なくては」 と自分のなかにうっすら、しかし確実に染みついている母性神話が、しんどいと思ったときにSOSを出すことにブレーキをかけぬよう、『外部の力を借りていこう!』と、夫と何度も話しておきました。子どもにとって居心地の良い家をつくるうえで人に頼るのは必要なことなのだと、自分に言い聞かせておきました。

しかし、いざ産まれた息子に会ってみたら、頭の天辺から小さな小さな足の爪先までそのすべてが愛しくて、少しの時間でも離れることがたまらなく寂しくて。夫からも『思い詰めないよう、休日はなるべく育児から離れて1人の時間をとってほしい』と言われていたはずなのに、産前に心配していたのとは別の理由で、赤ちゃんを誰かに託すことのハードルはすこぶる高いものでした。

パパと息子のお散歩にもついつい同伴。パパと息子のお散歩にもついつい同伴。夜中に眠すぎて意識がとびそうななかで授乳をしながら、おとなしく家で寝ておけば良かったと毎度後悔するのですが!

実際に夫以外に息子をお任せしたのは生後半年になった頃。少しずつ仕事に復帰するなかで必要に迫られて、平日の昼間に数時間シッターさんに来ていただくことになりました。妊娠中はもちろん産まれてからもずっと、まるで一心同体かのように密接して過ごしているうちに、だんだんと息子が自分の世界の全てになってきて。最初の頃、息子を預けることはまるで自身の身を裂かれることかのような心境に至っていました。朝、シッターさんが来る前の時間、息子をぎゅっと抱っこしながら心のなかで何度も何度も『ごめんね』と思っていたけれど、もしかして当人はそんな感じでもないのか…。少し慣れてくると、玄関のドアが開きシッターさんの顔が見えたとたん、にーっこりと笑って、私の元からシッターさんの元へ、嬉しそうにハイハイで寄って行くようになりました。

いろいろなトコロに遊びに連れて行ってもらい、息子の世界はどんどん広がっていくようです。いろいろなトコロに遊びに連れて行ってもらい、息子の世界はどんどん広がっていくようです。

シッターさんに抱っこをせがんで両手を伸ばす姿を見て、その可愛らしさに笑いながら、息子には、母親と父親以外にも大好きな人が出来ていくのだなということに気づかされます。『育児を1人だけでしない』と、出産前に高らかに掲げた目標は、産後、うって変わって息子にのめり込み、このままではいつか親元を巣立っていくときに後ろ髪をぎゅーーーっと引っ張ろうとしてしまうかもしれない(!)私の子ばなれを、上手に手伝ってくれているようです。

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高橋倫代

PROFILE

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グラフィックデザイナー。本の装丁や雑誌のデザインなどを主に手がける。2月3日の節分に産まれた男の子と夫の3人暮らし。
http://takahashitomoyo.com

(制作 * エチカ)

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