子育てエール!専門家による、ママパパ応援コラムvol.122

おむつかぶれはどうして起こるの?予防方法、家庭でできる対処法、病院を受診する目安は?

2022/3/12
おむつかぶれはどうして起こるの?予防方法、家庭でで... おむつかぶれはどうして起こるの?予防方法、家庭でで...

悩ましい赤ちゃんのおむつかぶれ。赤ちゃんのおしりが赤くなっていたりすると心配になってしまいますよね。そこで今回は、神奈川県立こども医療センター皮膚科部長の馬場直子先生に、おむつかぶれが起こる原因、予防方法、家庭でできる対処の仕方、また受診の目安を教えていただきました。

赤ちゃんはおむつかぶれを起こしやすい

おむつかぶれは、おむつを履いているときにムレ、刺激、摩擦などがおもな原因となって起こる皮膚の炎症のことをいいます。

おむつをこまめに替えないと、赤ちゃんのおしりはムレた状態になり、ふやけて傷付きやすくなります。そこへおしっこやうんちなどの刺激が加わると、ムレ、刺激、摩擦などによっておむつかぶれが起こるのです。とくに新生児など月齢の低い赤ちゃんは皮膚が薄いため、肌のバリア機能が未発達。少しの刺激でもおむつかぶれを起こすことがあります。

おむつかぶれを予防するにはどうしたらいい?

おむつかぶれを予防するにはどうしたらいい?

おむつかぶれを予防するために、こまめなおむつ替えを心がけましょう。おしっこやうんちで赤ちゃんの肌が長時間濡れたままになるのを避けるため、おしっこやうんちをしたらすぐにおむつを交換します。

うんちをしたあとは、おしりをシャワーなどで洗い流すとより効果的です。難しいときはぬるま湯をたっぷり含ませたティッシュなどを使って、擦らずにぬぐいとるのもよいでしょう。

また、性器やおしりをきれいにしたあと、赤ちゃんの肌に保湿剤を塗って水分、油分を補うことも大切です。おしりを拭いたらローションやクリームなどで保湿をします。ムレてしまうと肌がふやけて傷付きやすくなるため、保湿後は時間をおいて乾かしてから新しいおむつを履かせましょう。

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おむつかぶれが起きたときの対処法

おむつかぶれが起きたときの対処法

こまめにおむつを替えるなど気を付けていても、おむつかぶれは起こることがあります。軽症であれば数日で治ることが多いので、家庭で対処して様子をみてみましょう。

家庭でできる対処として、やはりこまめなおむつ替え、うんちをしたあとは洗い流す、水分を多く含んだティッシュなどで擦らずにぬぐいとる、保湿をするなど、予防でおこなっていることをより厳密におこなうよう意識するとよいですね。

また、症状があるところにはワセリンなどを塗って肌を保護しましょう。おしりや性器を清潔にしたあとにしっかり水気を拭きとって、ひと呼吸おいてからワセリンを塗ります。皮膚に浸透させるというよりも皮膚の上にぺたぺた乗せるイメージでやさしく塗りましょう。その後はすぐにおむつを履かせて構いません。

こんなときは受診を!

こんなときは受診を!

病院で診てもらうべきか判断がなかなかつかないことあると思います。次のような症状が見られたら受診したほうがよいでしょう。

・赤みが強い
・気を付けてスキンケアをしているのにどんどん赤みが強くなっている
・赤いぶつぶつができている
・表皮の一部がむけている
・おむつ替えのたびに痛がって泣く
など

ほかにも気になる様子があれば病院で診てもらうと安心ですね。

まとめ

おむつかぶれに一度もなったことのない赤ちゃんはほとんどいません。一方で、日頃のケアを心がけていれば、ある程度予防したり、軽く済ませることもできる皮膚トラブルです。日頃のケアを怠らず続けていただいて、それでも便がゆるくなったときなどに、おむつかぶれが見られてなかなか治らないと感じたら、これくらいのことで受診してもいいのかしら?などとためらわずに、早めに皮膚科を受診しましょう。

馬場直子

PROFILE

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神奈川県立こども医療センター皮膚科部長、横浜市立大学皮膚科臨床教授

1983年滋賀医科大学医学部卒業、1994年横浜市立大学皮膚科講師を経て、神奈川県立こども医療センター皮膚科部長、2015年より横浜市立大学皮膚科臨床教授を兼務。日本皮膚科学会専門医。専門分野は小児アトピー性皮膚炎、母斑、血管腫、皮膚感染症など小児皮膚科学全般。

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