先輩パパとママの毎日コラムvol.567

愛するプニプニ「パパの心の準備」

2023/2/28
愛するプニプニ「パパの心の準備」 愛するプニプニ「パパの心の準備」

イラストレーターかみやかやこさんの子育てダイアリー。身体に変化が訪れるママと、特に何も変化はないがパパになる夫。夫がどんなふうにパパの気持ちを高めていったのか、というお話です。

ねぇ、パパ?

そんなふうに夫を呼ぶのは、子どもの気持ちの側から家族で会話することが増えたから。いつからパパとママになれたのだろう。ある日、私のおなかに赤ちゃんが来たとき、私の人称に突然「ママ」という、部類が増えた。それと同時に、夫にも「パパ」が増えた。

身体にどんどん変化が起きて、無意識に少しずつママ自覚は高まる。けれど、夫の身体に何も変化はない。どういう変化でパパになれるのだろう。

結婚前、「若いパパになりたい」と言っていた夫。子どもも動物も好きで、たぶん可愛い存在が好き。しかし、やはり実感が湧かないと、パパ感は出てこない。はてさて、パパ感とは?本人も、赤ちゃんが産まれてきて、顔を見ないと、どうも自覚が…と言っていた。

ある日、仕事帰りの夫は人気絵本作家さんが描いた「パパになる心構え」という内容の本を買って帰ってきた。彼の中で、悶々と、パパになるにはどうすれば?という悩みでもあったのであろうか。そんな本を読んだりして、気持ちを高めていた。

メモを見ながら家事をするパパ

また、パパとして、今、おなかの赤ちゃんのためにできることを任せた。例えばベビーベッドの組み立てや、部屋の整理など力仕事だ。

彼は、やって欲しいことは、具体的に、言わないとわからない。「洗濯物お願い」と私が出先から連絡すると、見事に取り込んだだけなのだ。「洗濯物を取り込んで、畳んで、しまっておいて」と説明しないと動かない。日頃、計画性はある人間なのに、家の中のこととなると何故…と不思議なことが多々起きるのだ。

なので、産後の家事もすぐに頼れる戦力にはならなさそうだった。これは長期戦だぞ、と私の思いついた策は、「家の中をメモだらけ」にすることだった。

洗濯機横、冷蔵庫横、ゴミ箱横、食材ストック横、コンロ横。自然と目につくところに、フランクに、指示書を書いた。指示書通りに洗剤を入れたり、ボタンを押してもらう。私は、とにかく口出ししない。洗って失敗したくない衣服は、あらかじめ取り除いておく。そして最後に「ありがとう」を忘れない。そんなことを地道に繰り返す。

その結果、基本的な洗濯機のボタンは覚え、洗濯物を上手に干せるようになった。お願い、と言うだけで畳みまでやってくれるようになった。大進歩だと思う。

そんなこんなで、私のおなかが膨れると共に、名前を考えたり、お迎え準備の買い物をしたり、二人の時間を過ごした。ママ一人で気持ちが高まっていくのではなく、二人で、自分たちのペースで、パパママになる気持ちを高めていくのが嬉しかった。

立ち合いで赤ちゃんが産まれたときには、夫はそれはそれは嬉しそうで。産まれてすぐ、助産師さんが赤ちゃんを計測したり、目視で健康診断をしているとき、いそいそと後ろについて、キャッキャしていた(私は分娩台でへな〜としている)。

息子と遊ぶパパ

そして数年経ち、今、彼はすっかりパパになっている。

息子を高い高いして、天井に頭を擦り付けたり、肩車して走ったり。私にできない行動をするパパ。私ならイライラっとしてしまう場面も、面白おかしく、優しく乗り切るパパ。寝かしつける時、子どもより先に眠るパパ。

オムツなんて変えないと言っていた人が、うんちをしているか確認するために、思いっきりオムツ越しに匂いで確認している。嗅がずとも、オムツ越しに触るか、めくって見れば…と私は、思っているのだが、彼は今朝も嗅いでいた。

そんな彼を優しいよいパパだなぁ。と思っている。いつの間にか、我が家のパパができ上がっていた。

かみやかやこ

PROFILE

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多摩美術大学グラフィックデザイン学科卒業。デザイナーを経て、イラストレーターとして独立。2018年に女の子、2021年に男の子を出産。愛情たっぷり注ぎながら、子育てを楽しんでいる。好きなものは、海、コーヒー、いい香り、植物、ドラマ、美容情報、美味しい食べ物、アイドル。
http://kamiyakayako.com/
https://www.instagram.com/kamiyakayako/

(制作 * エチカ)

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