先輩パパとママの毎日コラムvol.106

なんとなくおかあさん「赤ちゃんと一緒のバスタイム大作戦」

2017/10/30
なんとなくおかあさん「赤ちゃんと一緒のバスタイム大... なんとなくおかあさん「赤ちゃんと一緒のバスタイム大...

2人の子どものママでもあるライター・小宮山さくらさんによる等身大の子育てコラム。

おっぱい、おむつ替え、寝かしつけ……。赤ちゃんとの暮らしにはたくさんのやるべきことがありますが、なかでも大変なもののひとつが、バスタイムです。

アロマオイルを垂らしたり、電気を消してキャンドルを灯したり、半身浴をしながら好きな小説の世界に耽溺したり。出産前まではロマンティックな癒しの空間だったバスルームが、産後は笑っちゃうほど激変!!ストレス解消どころか、お風呂自体がストレスの源になってしまったのでした。

我が家は夫が仕事で帰宅が遅いため、完全に入浴はワンオペレーション。たかが入浴、されど入浴。とにかく、子どもたちを安全に、風邪をひかせることなく、どれだけはやく洗えるか、どれだけスムーズに髪を乾かせるか、そして服を着せて無事に終了できるか。お風呂場は事故が起こりやすい場所でもありますから、まったくもって気が抜けません。

浅くお湯を張った浴槽

そして、わたしが思うに、入浴中の最大の難関は、赤ちゃんを洗うことでも、湯船に入れることでもありません。それは、「自分を洗う」こと。これに尽きると思うのです。特に、シャンプー。視界がさえぎられるあの数分間、赤ちゃんからは目を離さざるをえません。そのとき、赤ちゃんをどうするか?そこにすべてがかかっているのです。さらに冬になると、寒さとの戦いも加わって、それはもう、てんやわんや。なんで人間には腕が2本しかないの!と心の中で叫びながら、焦りすぎて心臓バクバク、我が子の泣き声でも聞こえようものなら、頭を泡立てたままで大パニックです。大げさかと思われるかもしれませんが、まったくもって大げさではありません!

赤ちゃんとのバスタイムは戦場。精神論だけでは乗り切れません。必要なのは、軍師官兵衛ばりの作戦力です。今回は、用意して大活躍だったものをシチュエーション別にご紹介します。

☆溶かすタイプのベビー沐浴剤……入浴=洗浄になるので、これでひと手間はぶけます。

☆ゆりかご型のベビーラック……赤ちゃんを洗ったあと、いったんバスタオルで包んでから、ベッドタイプのベビーチェアを脱衣所に置き(これだけで狭い脱衣所はパンパン!)、その上に寝てもらう。その間に秒速で自分の髪と身体を洗う。床に厚手のバスタオルを敷いてそこに寝かすのもよいでが、うちは床に置くとギャン泣きして大変だったので、この方法をとりました。目的は「自分が洗っている間の赤ちゃんの安全の確保」なので、実質チェアに寝かせている時間は3分にも満たなかったかも。でも、その3分の捻出が、ものすごく大変なんですよね。

☆赤ちゃんの首に付けるタイプの浮き輪……首が据わってからは、首にはめるタイプの浮き輪を導入。赤ちゃんがぷかぷか浮いている間に自分の身体を洗えるので便利でした。心配なので、洗髪中も10秒に一度は安全を確認していましたが……。

うきわでぷかぷか

☆ベビー用ゴム製チェア……おすわりができるようになってからは、濡れても平気なゴム製チェアが大活躍!お尻のくぼみにお湯をためられるので、冬も安心。座ってもらっている間に秒速で自分を洗いました。

ベビーチェア

上記の3つの作戦を順番に遂行し、なんとかどさくさにまぎれて自分の身体を洗っていました。愛用していたのが、2度洗いの手間がはぶけるトリートメント不要のシャンプーと、泡立てる手間がはぶける、泡で出てくるタイプのボディーソープ。「どれだけ手間をはぶきたいんだよ……」という感じですが、とにかく自分のことは1秒でもはやく終わらせることが重要でしたので、この2つは大活躍でした。自分の髪の毛を乾かす時間を取るのも難しかったので、髪型もショートカットに変えました。

ちなみに最初は、子どもたちをタオルで拭いている間、自分は全裸&髪びしょびしょでした。真冬の風呂上がりは風邪をひく危険と隣り合わせ。子どもももちろんですが、自分が風邪をひいて赤ちゃんのお世話がより困難になるのは絶対に避けたい事態です。そこでいろいろ調べた結果、自分用のバスローブを購入。濡れたままバスローブをはおり、子どもたちの世話をして、最後に自分が着替えるのですが、全裸とバスローブでは、あたたかさはもちろん、気持ち的にも雲泥の差(やはり全裸であたふたするのはなんていうか、気分的につらいものです)。もっとはやく導入すればよかった!と地団駄踏みました。こういう「自分がらくになるためのもの」に対してはこれからも貪欲でいたいと心から思います。

みなさんも、ものすごく高いものでなければ、思いつくものはどんどん試してみてください。わたし自身、買ってはみたものの結局使わなかったというものもありますが、試したことを後悔はしていません。お風呂グッズを調べている時間も、ネットの向こうにたくさんの同志がいることが分かって、とても嬉しい気持ちになったものです。

最後に。ものすごく寒い日の夜など、心折れてしまって「まぁ、一日ぐらいいいか……」とお風呂をサボってしまったこともありました。ただし赤ちゃんの身体は代謝が活発なので、お湯で絞ったタオルでふくようにしました。決しておすすめできることではないですが、今思い返してみれば、「もっとサボってもよかったかなー」と感じるくらい、たいしたことではなかったです。入浴に限らず、育児でストレスがたまったときは、「これだけは完璧にやらなきゃ!」のラインを少し下げて、自分にやさしくしてあげることも有益なのではと思います。

タンスの中を漁るお子さん

さて、現在、娘は7才、息子は4才。娘はついにひとりでお風呂に入れるようになりました。息子も、目はまだ離せませんが、赤ちゃん時代に比べると余裕です。わたしはシャンプーとコンディショナーが分かれているものを使えるようになりました。信じられないことに、ボディオイルをゆっくり肌にすり込む時間さえできました。うう、幸せ……。バスタイムでの戦場の日々は、すでに大切な思い出のひとつです。

いままさに毎日のお風呂で奮闘しているお母さん、お父さん。あと3年、いや、あと5年もすれば、ゆっくり温泉気分で湯船につかれる日が必ず来ます!そして、片手で支えられる小さな赤ちゃんをお風呂に入れていたあの頃が、泣きたくなるほど愛しく懐かしい記憶になると思います。だから、好きな香りのボディオイルを塗るとか、肌ざわりのよいバスタオルを使うとか、ちょっとでも心躍る何かを見つけて、バスタイムを楽しんでくださいね。どうか、風邪に負けませんように。応援しています!

小宮山さくら

PROFILE

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ライター。クリエイターへの取材やインタビューを中心に、『カメラ日和』『tocotoco』(第一プログレス)などの雑誌、書籍、広告などで活動。参加書籍に『無名の頃』(パイインターナショナル)、『脇阪克二のデザイン』(PIEBOOKS)、『エジプト塩の本』(美術出版社)、『猪熊弦一郎のおもちゃ箱』(小学館)など。目下、2児の子育て中。

(制作 * エチカ)

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