先輩パパとママの毎日コラムvol.160

なんとなくおかあさん「臨月を楽しむために」

2018/6/5
なんとなくおかあさん「臨月を楽しむために」 なんとなくおかあさん「臨月を楽しむために」

2人の子どものママでもあるライター・小宮山さくらさんによる等身大の子育てコラム。

いよいよあとひと月で、赤ちゃんに会える!

不安も喜びも高まりまくりな特別な時期、それが臨月。まずは無事に赤ちゃんを産むことが最優先なのはもちろんですが、せっかくの人生の一大事、最後の妊婦生活を思いっきり楽しみたいなという気持ちもあり、わたしもいろんな計画を立てて臨月を楽しみました。臨月までずっと働いていたので、ひと月もすることがないなんて生まれて初めて。おなかの重さは人生マックス、しんどいし疲れやすいし不安も大きな時期ですが、今思い返すと、人生でいちばんやりたい放題していた時期だったかもしれません。

まずは、マッサージ。

妊婦さん向けのアロママッサージを予約して、120分間、夢心地のひとときを過ごしました。今でも思い出すだけでふわーっと幸せになるくらい気持ちよかった!もちろん無理は禁物なので、体調の良いことを確認してから施術に臨みましたが、施術中は赤ちゃんも気持ちよくなったのか、おなかの中でボコボコと大暴れ!おなかをぐにゃぐにゃ動かせながらの楽しいマッサージでした。産後は赤ちゃんとの楽しくもスーパーハードな日々が始まり、マッサージどころではなくなりますから、これは本当に行ってよかったと思っています。奮発して、ロングコースを選ぶのがおすすめです!

次は、読書やテレビなどの趣味。

産後数年は本を読む時間もなくなるだろうと思っていたので、里帰り先の実家にあった長編の歴史小説シリーズを全部読み直し、小説の世界に没頭しました。ここぞとばかりに、映画のDVDもたくさん観ました。観ている間は不安な気持ちもどこかへ行ってしまうような、ハッピーエンドな映画ばかりをチョイス。予定日が近づくにつれて、陣痛の不安なども大きくなるものですが、笑って不安を紛らわせようと、お笑い番組をみたり、落語のCDを聞いたりも。考えても仕方がない種類の不安に対しては、「考えなくてすむ」状況に自分を持っていく、という作戦が有効でした。

小宮山さんと猫

あとはとにかく友達と会って、自由な時間を楽しみました。臨月に入ったらいつ陣痛が来てもおかしくないので遠出はできませんでしたが、近所のカフェまで友人に来てもらって、お茶をしたり、ランチをしたり。二児の母になった今になって思うと、ほんとうに宝物のように貴重で贅沢な時間でした。赤ちゃんができたらひとりでラーメンを食べるなんて夢のまた夢ですから、ぜひ、あつあつの汁物をひとりでカウンターで食べる、なんていうことも体験していただきたいです。

日本では出産前に赤ちゃんに関する贈りものをすることはタブーとされているきらいがありますが、欧米などではベビーシャワーといって、この時期に安産を願って友人たちが集まるパーティーを開く風習があり、最近は日本でもじわじわ浸透しつつあるようです。わたしもベビーシャワーは未経験でしたが、海外に住むいとこがベビーシャワーの定番であるおむつのケーキを贈ってくれたことがとても嬉しかったです。小さな小さな新生児用のおむつがとってもかわいくて愛しくて、眺めていると、出産の不安よりも、赤ちゃんを迎えるわくわくのほうが大きくなっていくのを感じました。いまでもいとこにはとても感謝しています。

おむつケーキ

そして意外とおすすめなのが、現在までのアルバムの整理。

待望の赤ちゃんが生まれたら、普段写真を撮らない人でも撮って撮って撮りまくってしまうことは必至。きっと、まったく新しい写真ライフがはじまります。だからその前に、夫婦だけの生活や、妊婦時代の生活を振り返るためのアルバムを作っておけば、後々になって見返したときに「こんなに静かな時代もあったんだなあ……」としみじみ感じることのできる、とっておきの一冊になるのではと思います。

わたしはどんどん大きくなるおなかを定点観測で白黒写真に撮っていたので、それを並べてアルバムに貼ったり、愛猫との日々をアルバムにまとめたりしてひとりで部屋でニヤニヤしていました。元々写真を撮ることも編集作業も大好きですし、完成後は達成感も得られるので、とても楽しい時間になりました。

予想通り、産後は写真は撮りまくるけれどもアルバム作りにまではまったく手がまわらなくなってしまい、「夫婦だけの時間?それなに?」状態になってしまったので、このときアルバム作りを頑張っておいてよかったです。ちなみに、この次にアルバムを作ったのは4年後、長男を産む前の臨月でした……。そしてもうすぐ5才になる長男のアルバムはまだゼロ冊。申し訳ない気持ちでいっぱいです。とほほ。

どんどん大きくなるおなかを定点観測で撮った写真

臨月ともなると、入院準備や赤ちゃんの産着などの基本的な出産の支度はすでにみなさん済んでいると思いますが、よりリラックスした出産前後の生活を過ごすために、必須ではないけどあったらより楽しい、自分なりの「プラスα」の準備を済ませておくのもおすすめ。

わたしの場合は

という3つのことを実践。

産後は身体がボロボロになりましたが、ピカピカ光る自分のつめが視界に入るだけでも気持ちが上がったりするし、エクステのおかげでなんとか出産直後も鏡を見られたし、産後は濡れた髪を乾かす時間も惜しかったため、髪は本当に切ってよかった!と思えて、いいことづくめでした。

あとはいろんな雑誌をみて、テニスボールやペットボトルにつけるストローなど、100円ショップなどで手に入る陣痛グッズをいろいろ用意するのも楽しかった。実際は使わなかったものもありますが、 たいした損をするわけではないので、 要はどれだけ「ポジティブな時間を楽しめるか」が大事だったような気がします。

と、なんだかここまで、遊んだことばかり書いてしまいましたが、安産のために、スクワットやウォーキング、階段の上り下りなど、軽い運動も毎日していましたよ!と、念のため。

よく子育ての先輩方から「産んだら本当に何もできなくなるから、やりたいことは今のうちに!」と言われていましたが、実際、産んだらほんとうになにもできませんでした……。けれど、臨月までめいっぱい楽しく過ごしたことと、産後の生活をシュミレーションしながら母親になる覚悟を決めていたことで、 出産直後からはじまった嵐のような日々も、ときどき弱音を吐きつつも、心に余裕をもって楽しむことができたような気がします。

長いようで短い約10ヵ月の妊婦生活。いつがいちばん楽しかった?と聞かれれば、やっぱり「臨月!」と答えるわたしです(安定期のあの高揚感も捨てがたいけれど……)。みなさんも、どうぞ、素敵な臨月をお過ごしくださいね!

小宮山さくら

PROFILE

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ライター。クリエイターへの取材やインタビューを中心に、『カメラ日和』『tocotoco』(第一プログレス)などの雑誌、書籍、広告などで活動。参加書籍に『無名の頃』(パイインターナショナル)、『脇阪克二のデザイン』(PIEBOOKS)、『エジプト塩の本』(美術出版社)、『猪熊弦一郎のおもちゃ箱』(小学館)など。目下、2児の子育て中。

(制作 * エチカ)

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