先輩パパとママの毎日コラムvol.190

大切な大切な家族の記憶「仕事?育児?どっちかなんて、そんなの選べない!」前編

2018/9/18
大切な大切な家族の記憶「仕事?育児?どっちかなんて... 大切な大切な家族の記憶「仕事?育児?どっちかなんて...

写真家・千倉志野さんに聞く、二人姉妹の子育てエピソード。今回のテーマは「仕事と育児の両立」です。

仕事と育児の両立、これって働くママ(もちろんパパも)にとっては切っても切れないテーマだと思っています。仲の良い保育園のママ友と話し込むと、このトピックは登場回数高し(笑)。我が子は本当に可愛い、でも仕事も好きだから働いていたい、そんな女性たちが私の周りにはたくさんいます。たまにお互い悩みを吐き出して、みんな大変なんだなあ、私だけじゃないんだなあと思うと、それだけで気持ちが晴れます。今回はそんな仕事と育児の両立のお話です。

うつぶせで寝る赤ちゃん

私はフリーランスのフォトグラファーです。仕事があれば地方・海外どこへでも喜んで行きます。動くのが大好き、旅が大好き、ひとつの場所にじっとしているのが苦手なタイプです。なので、妊娠中も以前と変わらず、それこそおなかが大きくなってもギリギリまで撮影の仕事をしていました(これは本当に神様に感謝したいことなのですが、とっても幸運なことに一人目のときも二人目のときもつわりが全くなかったのです)。

カメラの仕事が大好きなので、妊娠したから仕事をストップする、子どもが生まれたから仕事を辞める、そんなこと1mmも思いつきませんでした。とはいえ、じゃあ仕事を続けていくために産前から保育園などのリサーチや準備をしていたか、と言われたら具体的なことは何もしていませんでした。

会社員ではないので、正式にいつから復帰、復帰したらきっちり9時〜17時まで、などという仕事でもないし、様子を見つつ両方上手にやっていければいいかなくらいに軽く考えていました。ところがまあ、蓋を開いてみれば一人目も二人目も見事に3月生まれ!保育園に入園できる可能性の高い4月まではほぼ1年もある!……それは今思い出しても想像以上に大変でドタバタな入園前の1年間でした(二人とも)。

お姉ちゃんと妹

生まれてすぐに役所に行き、とりあえず保育園の希望は出しましたが、そう簡単に認可保育園に空きが出るワケありません。キャンセル待ちに乗せてもらいつつ、認可以外も探しつつ、並行して一時保育を実施している園を探し、月に2度の電話受付開始日の朝9時に必死に電話をかけ(そうまるで人気のライブのチケットを取るかのように!)、電話が繋がったなら半月先の予約をまとめて取ったものでした。

ただ、私の仕事は撮影だけではありません。家では撮影後のパソコンワークが待っています。子どもを寝かしつけ、ああ寝てくれた、さてここから机に向かうぞ〜!と作業を始めたところで、ギャー!と起きてしまうこともしばしば。デスクワークが進まないことにイライラしつつ「お願い、寝てくれー!」と思いながらの寝かしつけ。そういうときのこちらの焦りやイライラは子どもにも伝わってしまうのでしょうね。結局一緒にスヤスヤ寝落ちしてしまい、しまったーっ!などという夜もよくありました。

同じポーズでお昼寝

そんな日々に加え、地方や海外への撮影仕事が舞い込むこともありました。とてもありがたいことに夫と、我が家から1時間の距離に住む両親が「せっかくだから行っておいで」と送り出してくれたので(小さな子どもとの数日、いや場合によっては1週間を超える母親不在の日々は残された方としては本当に大変だったと思いますが)、そんなときはもう私が子どものことを心配していてもしょうがない!どうしたって帰れないんだから!と家のことはきっぱりお任せすることにして、私はその数日だけは大好きな写真のことだけ考えて、思う存分撮る日々!と割り切って全身全霊で撮影を楽しむことにしました。

唯一大変だったのは、飲んでもらわないと張ってカチコチになってしまうおっぱい。常にカメラバッグに搾乳器を忍ばせておき、飛行機や新幹線の移動中などちょっとした隙間時間にささっと搾乳しつつの出張でした。後編へつづく。

千倉志野

PROFILE

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写真家。学習院大学文学部ドイツ文学科卒業後、スタジオアシスタントを経験。2003年にドイツ・ベルリンに渡り、フォトグラファーAndre RivalとUlrike Schamoniに師事。2006年からフリーランスフォトグラファーに。雑誌、広告、作品提供など、幅広く活動中。著書に『PRESENT』(Harmonics inc.)がある。
http://www.shinofoto.net/

(制作 * エチカ)

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