川原和之

先輩パパとママの毎日コラム

vol.245

キミの瞳が、ボクをパパにする「次女がはじめて歩いた日のこと」

2人の娘のパパである川原和之さんが写真で振り返る、次女が歩いた日のエピソード。

キミの瞳が、ボクをパパにする「次女がはじめて歩いた... キミの瞳が、ボクをパパにする「次女がはじめて歩いた...

歩く特訓。

小さな子の子育ては言葉にできない幸福感の裏に、不安と安堵の繰り返しの日々がある。わが家の場合、特に次女が歩き始めるまでの期間がそうだった。

「這えば立て、立てば歩めの親心」とは、子どもの日々の成長を心待ちにした親の心情を現した言葉である。この言葉に表れているように、子どもが自力で歩けるようになるまでの過程には、子どもの成長が目に見える形で示される。

長女の出生体重は2,926g、次女の出生体重は2,062g。体重の違いだけが成長の進み具体を決めるわけではないけれど、長女より約1kg軽い次女を両手で抱いたとき、その小ささと軽さにびっくりしたことを覚えている。

低体重児で生まれた娘が入っていた保育器。低体重児で生まれた娘が入っていた保育器。

長女のことを思い返すと、歩くまでの成長は順調そのものだった。春生まれだった長女は人生2回目の春の到来とともに歩き始め、桜並木の下を母に手を引かれながら歩いた。このときの妻の表情は喜びに満ちていた。僕たち夫婦にとっては初めての子で、目の前で日に日に大きくなる姿に常に歓喜し、小さな反応にも夢中になっていた。

それに比べて、次女は小さく生まれたこともあり、成長はのんびり、ゆっくりで、18ヵ月が経過しても歩かなかった。子どもたちが寝静まって妻と2人で話すとき、妻は「小さく生まれたから仕方ないよね、よく笑うし、ゆっくりでも成長しているから、きっと大丈夫」と、自分に言い聞かせるように何度も言った。そう話した妻の顔はとても不安そうだった。

その後、1才6ヵ月健診の日を迎えた。会場には親子3人で行った。健診会場には広い遊戯スペースがあり、身体計測や診察を待つ間小さな子どもたちが遊びまわっていた。あたりを見渡すと、小さな子どもたちが30人以上いた。その中でも次女が一番小さく見えた。もうすでに歩ける子、娘が使えないようなおもちゃで遊ぶ子、たくさんの言葉をおしゃべりする子。長女のときを思い出しながら、同じ1才半の子どもでもこんなに成長の差があるんだなと驚いた。

妻と「今後歩けるようになるのか、先生に相談してみないとね、もしかしたら専門機関の受診も勧められるかもね」などと話しながら待っていた。そんな最中、ママの膝の上でおとなしく待っていた娘が突然立とうとした。そして、一歩足を出した。あれ、これって歩く気配?そのあと、そっと妻がつないだ手を離すと、一歩足がでた。えっ、でた?あれ、一歩、二歩。結局、診察を待つ間に10歩自力で歩けた。診察医の先生に診てもらうときには、「ついさっき、はじめて歩けたんです」と夫婦そろって興奮気味に話してしまった。診察は様子観察ということになり、この日をきっかけに、毎日少しずつ歩数が伸びていった。1才6ヵ月健診が終わった後の妻がみせたうれしさとほっとした気持ちが混在した表情が忘れられない。

1才6ヵ月健診を終えた後の妻のほっとした表情。1才6ヵ月健診を終えた後の妻のほっとした表情。

そして、僕は心のどこかで、娘を姉妹や他の子と比べていたことに気づいた。子どもの成長のスピードには個人差があることは知識としては理解していた。でも、成長がゆっくりだということをいつの間にかネガティブに捉えて、姉や他の子と比べてしまっていた。

比べないってどうすればよいのか、その答えは、子どもが見せてくれる些細な変化をありのまま受け入れて、小さな成功体験をおもいっきり褒めるのを続けていくことだと僕は思っている。褒めるってことは相手のいいところ探しで、ポジティブな面を見つけていく作業だ。僕は「かわいいなー」と言い続けていたけど、今まであまり褒めていなかったのかもしれないなとこの日深く反省した。

「ねーね、まってー」と強くしがみつく妹。「ねーね、まってー」と強くしがみつく妹。

現在、次女は2才になり、保育園に通うときは姉妹で手をつないで歩いている。派手にころんでしまうときもある。でも、自分で立ち上がり「ねーね(お姉ちゃん)、まってー」とまた歩き出す。その先にはお姉ちゃんが待っていて「泣かなかったね、えらかったね」と頭をなでながら言う。お姉ちゃんは僕なんかよりずっと褒め上手だ。

子どもたちといっしょに過ごす日々が、僕にたくさんのことを教えてくれる。

姉妹で手をとり歩く姿。落ち葉を踏んだ感触が面白くて、二人で笑いながら歩いていた。姉妹で手をとり歩く姿。落ち葉を踏んだ感触が面白くて、二人で笑いながら歩いていた。
押しやすさで選べば、ベビーカーはシングルタイヤ
川原和之

PROFILE

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富山県在住。作業療法士。2人の娘と妻の4人暮らし。
https://instagram.com/kazuyukikawahara/

(制作 * エチカ)

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