先輩パパとママの毎日コラムvol.26

ハルちゃんと僕「4泊5日のパパと娘だけの時間」

2016/7/1
ハルちゃんと僕「4泊5日のパパと娘だけの時間」 ハルちゃんと僕「4泊5日のパパと娘だけの時間」

アムステルダムに暮らしながら写真家・文筆家として活動する小野博さんの、愛娘・ハルちゃんとの日々

僕の妻はダンサーをしています。そしてたまに1週間くらいの出張にでかけます。そうなると家には僕と娘の二人きりになります。

まず朝起きたら娘にピーナッツバターを塗ったパンを食べさせ、自転車に乗せて託児へ連れていきます。託児に到着すると娘は嬉しそうにペンギン組に向かって走っていきます。「じゃあね、今日も楽しんでね」というと、娘はいつも左手の中指と人差し指を口で吸いながら僕に手を振ってくれます。

それから家にとんぼ返りして、家に帰ってすぐ夕食が用意できるように、そそくさとお米を洗って、ハンバーグを練って、味噌汁をつくり、枝豆を解凍させてから仕事に行きます。

仕事をしながらも4時を過ぎたあたりから娘に会いたくてウズウズしてきます。5時に仕事が終わり、スーパーマーケットで買い物をしてから託児に向かいます。 窓から娘のいるペンギン組の様子を見ていると、ちょうど娘がクマのぬいぐるみのオシメを変えているところです。

ガラスをトントンと叩くと、娘がこっちを見て「お父ちゃん、きたきた」って顔をします。教室の中に入ると、娘が駆け寄ってきて僕に抱きついてきます。

あら幸せ。

それからスリナム系オランダ人のティア先生から本日の報告を受けます。

「今日はハルコにとっていい日だったわ、でも咳が苦しそうだったわね。でも他の子もみんな風邪よ。お昼にパンは2枚食べて、昼寝を1時間半して、最近はやりたいとやりたくないをしっかり言えるようになったわね、いいことだわ。あとエマちゃんと踊って、笑って、走ってとっても楽しそうだったわね。」

あ、そうですか、よかったよかった。

外は小雨が降っているので、ポンチョを着させます。純日本人の地味な顔には、逆に派手な真っ赤がよく似合います。 腕を鳥みたいにパタパタさせながら笑っています。

かわいい。

家に着いて、バスタオルで雨に濡れた娘の頭を拭くと、すぐ部屋の片隅に転がっている赤ちゃんのぬいぐるみを拾い上げオシメを交換し始めます。どんだけ世話好きなんだと思います。

一人遊びしている間に、ハンバーグを焼いて夕食を食べます。ポン酢で食べるハンバーグの味が気に入ったらしく、おいしいね、おいしいねと言いながら1枚ぺろりと食べます。納豆ご飯も、味噌汁もほぼ完食。お父さんはすごくうれしいです。

娘は食後に枝豆をつまみに牛乳を1杯飲みながら日本のアニメを見ています。その間にバスタブにお湯を入れ、一緒にお風呂に入ります。最近は僕がシャンプーの泡を流すとき娘がお湯をかけてくれます。時間がかかるので本当は自分でやりたいけど、娘はやりたくてウズウズしているのでやってもらいます。体を拭いてリビングに行くと、裸の娘が部屋中をキャッキャキャッキャと駆け回ります。子どもが裸になるとテンションがあがる理由がわからないけど、ともかく娘を捕まえて寝間着を着させます。そして歯を磨きます。

「あーん」と言うと口を大きく開けてくれて、「いー」と言うと歯を閉じて前歯を見せてくれます。

えらい。

歯磨きが終わったら、娘を抱っこして一緒にアニメを見ます。しばらくするとだんだん娘の体が熱くなってきます。お眠のサインです。ゆっくり寝室に連れて行き、トントンと寝かしつけます。30分くらい添い寝をすると、スースーと寝息を立て始めます。やれやれと、ゆっくり立ち上がると、娘が「ウワーン」と泣いて咳をします。胸に咳止め薬を塗ってあげると、またスースーと寝息を立て始めます。

ふう。やっと寝た寝た、娘寝た。これからやっと僕の時間です。

そうです、今日は娘にとって記念すべき日でした。それは、なんと娘が初めて2語文を喋ったのです。娘の靴が階段の下に落ちた時「くつ おちた」と言ったのです。お父さんは「くつ おちたね!!」とオウム返ししちゃうくらい嬉しかったです。

そんな、娘と二人きりの時間でした。

ハルちゃん
小野博

PROFILE

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写真家・文筆家。2002年よりアムステルダム在住。著作に世界を旅した記録を綴ったエッセイ集『Line on the Earth ライン・オン・ジ・アース』(エディマン)、日本とアムステルダムでの暮らしを綴った『世界は小さな祝祭であふれている』(モ・クシュラ)など。

(制作 * エチカ)

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