先輩パパとママの毎日コラムvol.286

オガワナホのいろいろ子そだて記「小さな人がやってきた!」

2019/11/27
オガワナホのいろいろ子そだて記「小さな人がやってき... オガワナホのいろいろ子そだて記「小さな人がやってき...

人生いろいろ、子育てもいろいろ。40代で娘さんを授かったオガワナホさんの出産までのお話です。

はじめまして。イラストレーターのオガワナホです。2018年の春に40代でママになりました。いつかは子どもが欲しいと思っていたので30代はいろんなことを試してはみたのですが、まったくご縁がないまま気がつけば40才に。完全に諦めていたところで、まさかの妊娠でした。

妊娠に気がついたときは、台湾出張中。台湾で出版したイラストで綴るガイドブックの出版記念イベントのため1人旅をしていました。生理がきていないことを思い出し、「まさか……」と半信半疑で現地のドラッグストアで翻訳アプリを片手に妊娠検査薬を購入。こんな日がくるとは夢にも思わず、ホテルではじめて陽性反応を見たことは、忘れられない良き思い出となりましたが、残念ながらその子はしばらくして帰っていってしまいました。

かなしい結末にすっかりやさぐれ、近しい友人からの妊娠の報告すら喜べないほど落ち込んでいたら、また小さな命がやってきてくれました。前回のこともあり、ほとんど誰にも知らせずにいたので出産を報告したときには周りにかなり驚かれました。

妊娠中は小さなことが気になって仕方なく、毎日のように見知らぬ妊婦さんやママのブログを読み漁り、かつて自分が表紙を描かせてもらった妊娠と出産についての本で、週ごとのママの体と赤ちゃんの成長を確認し、少しでも体調の変化を感じると病院にかけこむ日々でした。胎児の心拍を聞けるアイテムも購入し、診察がないときにお守りがわりにおなかにあてて生存確認をしていました。

妊娠初期は夏だったこともあり食欲は低下。でも食べづわりで空腹がつらい!キュウリ、トマト、もずく酢、スイカで生き延び、炭酸水ばかりを欲していました。いつもは甘いものが大好きなのですが、妊娠中は甘いものにはまったく興味がなくなり、しょっぱいもの、すっぱいものを好んで食べていました。

満開の桜

中期、後期は少し貧血になったこと、夜中の足のつり、いつもベビが横向きだったことくらいで、とくに大きなトラブルもなく、日に日に大きくなるおなかをなでなでしたり、話しかけて過ごしていたりしたら、いつのまにか春に。桜の開花のとても早かった2018年3月に、髪の毛がふさふさの女の子が生まれたのでした。すやすやと眠る彼女をみて、私のおなかでしばし一緒に過ごしていたけれど、わたしとは違う1個人で別の生きものなのだと強く感じました。「彼女はこれから彼女の人生を生きていくのだなぁ」とぼんやり思っていたのを覚えています。そして私にできるのはサポート役のみ。距離感を大事にしなくては!と心に決めました。この目の前の小さな人が、私のおなかにいた生き物で、豆つぶサイズからここまで成長したことが、ただただ不思議で、遠方からの来客をねぎらうおばあさんのように「ほんとによくやって来たねえ」と何度もつぶやいてしまいます(これは今も)。産んでからもしばらく、「おなかにいた生き物=目の前の小さな人」の認識ができないままで、引っこまないおなかを無意識にナデナデしたり、話しかけてしまったり。目の前のベビも、もちろん愛おしいのですが、産む前の大きなおなかが恋しくもなり、もう私の中にはいないんだなぁと寂しい気持ちになりました。

娘さんと犬

こんな風に意外と冷静な気持ちではじまった小さな人との生活。たった1年ちょいの前のことですが、忘れていることも多く、当時つけていた日記を見直しつつ書いています。これから少しずつ出産や子育てについてお話しできたらと思います。どうぞよろしくお願いします!

オガワナホ

PROFILE

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日本、アメリカ、台湾、香港など国内外で活躍中のイラストレーター。書籍や雑誌、文具などのグッズのほか絵本も手掛ける。ご主人・娘さん・愛犬と4人でのんびり東京暮らし。
www.naho.com

(制作 * エチカ)

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