料理創作ユニットGomaの中村亮子さんの子育て日記。今回のテーマは「子育てノート」です。
出産したてでまだ興奮冷めやらぬ時、産院で頂いた1冊のノート。「わたしの育児日記」と題されたノートは赤ちゃんのお世話を記録するためのものでした。すぐに理解できたのは、子育ての先輩であり、一緒に料理創作ユニットGomaを主宰するアラキの同じようなノートを見たことがあったから。
1冊目はやはり当時産院でもらったもの、2冊目からは他のノートを使って、彼女の息子のふうちゃんが3才になるぐらいまで毎日書き続けていた子育ての記録。従姉妹でもあり仕事の仲間でもある彼女の子育てを、すぐ近くで見守りながら、私も楽しみに読ませてもらっていました。
そして、いよいよ自分の番です。イラストはそんなに得意じゃないのでふうちゃんのノートみたいにできる自信は全然ナシ。でも、自分にできる限りの記録はしていきたいなと思いました。
実際に書き始めたのは、出産した翌日から。
産院から移った助産院さんで母乳やオムツの記録をしなければいけなかったので、一緒にノートにも記録することに。産後は助産院の落ち着いた和室に滞在させてもらい、比較的のんびりとした気持ちでスタートしたのもよかったかもしれません。幸い息子はよく寝てくれる赤ちゃんで、日記をつける時間は何とか確保。スヤスヤと眠る天使のような寝顔を眺めながらの日記を書く時間は思っていたよりも楽しかった。「書く」ということで自分の子育てについて客観的に見ることができたような気もします。心配だらけだった初めての子育てでしたが、1日を書くという行為で振り返ることで、自分を応援し、力を得ていたのかもしれません。
さて、どんなことを書いていたかというと…ごくフツーのことです。起床時間、母乳、おしっこ、うんち、ねんね、就寝の生活リズムが基本。そして1日の小さな日記。空いているところに思ったことなどを付け加えたけど、イラストまで描く余裕は全然なくて、今読み返しても文字がびっしりで読みにくい。でも、読みだすと止まらなくなってくるのは、やっぱりその日に書いたライブ感がすごいからだと思う。一気にその場に還ることができるというか…日記はタイムマシーンですね。
2冊目からは無地のノートを使って、やはり日々の記録(起きてから寝るまで。食べたもの、おしっこうんちが基本!)を書いています。イラストもごくたまにだけど描いたりするけど、絶対に描かないといけないと決める訳じゃなく、印象的なことがあったり、描きたいと思える時だけ。忙しくて白紙のページの日もたくさんある。でも日にちだけ、その白紙ページに書いておく。日記を書く余裕が本当になかったんだな、と思い返せるからそれも良いな、と思って。そう、無理せずに続けることって結構大事。友人は、文字や記録をほとんど書かないけど、1日の一番印象的だったことを1カットだけ文庫サイズのノートにイラストを描いているそうです。1カットだけって思うと確かに続けられるよね。そして1カットでもその日のハイライトだとしたら、それだけでいろんなことを思い出せそうだし良いなあと思いました。
そんなこんなで3才直前の今に至るまでに15冊ほどのノートができてしまいました。
いつまで続くのかなあと思いつつ、それもまた、いつか自然にやめたくなる日まででいっか、と思っています。ゆるーくゆるーく、できる限りで無理せずにが何でも一番!(←子育て全般、そんな気持ちでいい気もする!)
PROFILE
中村亮子このライターの記事一覧
食や子どもをテーマに料理、雑貨デザインなど幅広く活動している料理創作ユニットGomaを従姉妹のアラキミカと主宰(www.gommette.com)。媒体での作品発表他、ものづくりワークショップ開催なども行う。著書に、絵本へんてこパンやさんシリーズのレシピ本『12つきのおはなし&パンレシピ』(フレーベル館刊)、『かんたん☆かわいい♡だいすきクッキング』(あかね書房刊図書館シリーズ)、レシピ付き絵本『へんてこパンやさん』(フレーベル館刊)など子どもに向けてのものも多数。
instagram.com/ryocogoma
(制作 * エチカ)