京都の海の町・久美浜で暮らす後藤さん家族は、父と母と息子・季之介くんの3人暮らし。母・明咲実さんに聞く、「子どもの服」のはなし。
男の子の服って何でこんなに種類が少ないんだろう。
妊娠中、おなかの子が男の子と判明してから、男の子の服ってどんな感じのものがあるんだろうと思い、大手チェーン店のベビー服のコーナーを見てみるが気に入るものがない。どうしてこう、ガチャガチャした柄ものが多いのか。もっとシンプルなものがいいよねと旦那さんと話していた。
気に入るものがないなら、作ってしまえばいい!と思い、まずは本屋さんへ。作ってみたいなと思うデザインの載っている型紙付きの本を買ってきて、次はどんな生地を買うか決める。
夏生まれになるので、肌着はダブルガーゼにしようと考えていた。あとは、スタイもガーゼ生地で。
生まれてくる子のために作ることはとても楽しくて、幸せな時間だった。サイズアウトしてからも綺麗な状態が保てたらちゃんと保管しておこう。そして、理解できる年頃になったら見せてあげよう。おなかの中にいるときから、いっぱい愛情を注いできたことが伝わるように。
妊娠中に作れたものは、肌着とスタイ、おくるみ、母子手帳ケース、ベビー用品を入れる大きなカバン。他にもっと色々と作りたかったが、時間が足りなかった。足りないものは、よく利用するネットストアのベビーコーナーでシンプルなものを見つけ、購入することができた。
出産後も色々作ってあげたいというお裁縫熱は続いていたが、寝ているときのすけの横でもできることをと思い、ミシンは少しの間お休みし、冬に向けてポンチョを編むことにした。それから、帽子も。
ときのすけの月齢が上がっていくと、お昼寝している間や夜寝る前に少しだけミシンを使える余裕ができるようになった。本格的に再開したのは、春が終わった頃。夏の保育園入園に向けて準備を始めた頃だった。私の保育園時代の記憶を手繰り寄せ、思いつくものを片っ端から作っていた。
保育園の入園グッズも洋服も買えばすぐに揃えることができるが、買ったものと作ったものでは温かみが違うように感じる。そして、我が子のために手作りすることは私の愛情表現のひとつでもある。手作りの服はもういらないと言われるまで作り続けることができればいいなと思っている。