先輩パパとママに聞きました!vol.132

赤ちゃんとおしゃれの自由な関係。vol.3「出産・産後。予想外の出来事もおおらかに受け止めて。」

2021/4/6
赤ちゃんとおしゃれの自由な関係。vol.3「出産・産後... 赤ちゃんとおしゃれの自由な関係。vol.3「出産・産後...

多くのファンを持つ大阪のファッションブランド「MOI」のデザイナー、岡田奈美さん。この冬に満1才を迎えたばかりの縫(ぬい)ちゃんを育てながら、天職とも言えるデザイナー業に日夜全力で取り組んでいます。ファッションとものづくりを心から愛する岡田さんならではの赤ちゃんとおしゃれの話、妊娠・出産、そして子育てと仕事の関係について、全6回に渡ってお聞きしました。3回目は出産と産後についてのお話です。

(前回のつづき)

——いよいよ出産。入院準備はどのようにされていましたか?

岡田さん
私の場合は帝王切開の計画出産で、入院日が事前に決まっていたので、準備もわりと計画的にできました。といっても、入院前日までフルで仕事をしていたので、2週間まるまる全身全霊で休む!というのは初めてのことで。気合いを入れて、いろいろとぬかりなく(笑)準備を楽しみました。

入院用バッグの中身

——本当にギリギリまでお仕事をされていたのですね…。入院用のバッグには、どのようなものを入れましたか?

岡田さん
自分のリラックス用に、お気に入りのマッサージグッズやメイク道具、基礎化粧品、アロマを焚くセット、精油と加湿器などを用意しました。あとは、授乳パッドや悪露用のパッドなども買っておいたのですが、病院からいただいた出産セットにも同じものがたくさん入っていたので、事前にあまりたくさん準備しすぎなくてもよかったな、と後で思いました。

——アロママッサージはとっても気持ち良さそうです!いざ入院してからは、ゆっくりできましたか?

岡田さん
それが、普段は、あれをしながらこれをやって…という感じで二つ以上の作業を同時進行することが日常になっていたので、いざ自分のことだけに集中できるとなると、新鮮すぎて、少し戸惑ったりもして…(笑)。とはいえ、配信ドラマを一気に見たり、アロママッサージを楽しんだり、基礎化粧品で念入りに肌のお手入れをしたりと、本当に久しぶりに自分だけの時間を過ごすことができました。出産予定日は本来は1月16日だったのですが、病院の都合などもいろいろあって、最終的には12月25日に手術を受けることになりました。

——クリスマスがお誕生日なんて、素敵ですね!お産本番はいかがでしたか?

岡田さん
のんびり構えていたのですが、予想外のことがいろいろと起きました。最後の健診では体重は3000gを超えていたのに、いざ産んでみたら2400gで。体重が少なかったのと、羊水を飲んでしまっていたこともあり、出産後は対面することもなく、すぐに娘だけがNICUへと運ばれていきました。手術中に、急にまわりがバタバタしだしたときは驚きましたが、不思議とすぐに「大丈夫!」とどっしりとした気持ちに切り替えることができました。楽観的な性格が幸いしたのかもしれません。

NICUで過ごす縫ちゃん。家族とはガラス越しに対面。NICUで過ごす縫ちゃん。家族とはガラス越しに対面。

——それは大変でしたね…。産後はどのように過ごされましたか?

岡田さん
しばらくは直接抱っこも禁止だったので、さく乳した母乳を娘の元に届けることの繰り返しでした。ようやく娘が退院となり、やっと家族4人で暮らせる!と思ったとたん、今度は息子と夫が立て続けにインフルエンザになってしまって、私と娘はやむをえず実家のほうに移動して…と、新年早々、本当にドタバタでした。それでもなんとかようやくいろいろと収まって、新生活をスタートすることができ、ホッとしました。

抱っこされている赤ちゃん

——聞いているだけで本当に大変な様子が伝わってきますが…、無事にみなさんが元気になって、本当によかったです。家族で乗り越えた最初のできごとでしたね。

岡田さん
私自身も大変でしたが、娘に触れることもできない夫や息子が気の毒で…、携帯でたくさん写真や動画を送ったりして励ましていました。予定より遅くなりつつ、ようやく本当に娘を抱っこできたときは、夫も息子も本当にうれしそうでした。

15才差の妹、縫ちゃんを溺愛中の心温くん。ぬいぐるみは、縫ちゃんが生まれた日に贈られた、心温くんからの初めてのクリスマスプレゼント。15才差の妹、縫ちゃんを溺愛中の心温くん。ぬいぐるみは、縫ちゃんが生まれた日に贈られた、心温くんからの初めてのクリスマスプレゼント。

——15年ぶりの新生児との暮らしはいかがでしたか?

岡田さん
元々かなりタフな方だとは思うのですが、産後ひと月はホルモンバランスも不安定で、授乳がなかなか上手くいかなかったこともあり、寝る暇もないほど忙しく、さすがに精神的にまいってしまうこともありました。辛い思いを日記に書いたり、子育ての経験を持つ友人に携帯などで気持ちを打ち明け、親身に相談に乗ってもらったりして、なんとか乗り越えることができました。支えてくれた家族や助産師さん、そして友人たちにはいまでも本当に感謝しています。

——しんどさや、モヤモヤした気持ちをしまい込まず、文字にして表したり、信頼できる友人に相談したりというのは、とてもよい対処方法ですね。

岡田さん
気持ちも安定して、いろいろと子育てのリズムが落ちついてくると、今度は仕事を休んでゆっくりしている状態のほうがストレスを感じるようになってきて、ひと月ほどでまた仕事も始めることにしました。

仕事に追われるいまとなっては、ただ子どもたちを見ているだけで心が癒されていくのを感じます。特に息子は本当に妹を可愛がってくれているのですが、「自分に妹ができたなんて信じられへん…」なんて言いながら、じーっと娘を見つめるその様子を見ていると、あまりに愛しくて、育児の疲れも仕事の疲れもすーっと遠のいていくんです。日々、子どもたちから、本当にたくさんの癒しとパワーをもらっているんだと思います。

縫ちゃんの命名書。達筆の文字は岡田さんのお姉さんによるもの。縫ちゃんの命名書。達筆の文字は岡田さんのお姉さんによるもの。
岡田奈美

PROFILE

岡田奈美このライターの記事一覧

大阪発のファッションブランド「MOI」デザイナー。メンズリメイクブランド「ink」のデザイナーである夫の岡田真幸さんと共に、大阪の昭和町でコンセプトショップ「PERK」を営む。2019年12月に縫(ぬい)ちゃんを出産。1才を迎えたばかりの縫ちゃん、15才の心温(しおん)くんとの4人暮らし。
@ moi___official

(制作 * エチカ)

RELATED 関連情報はこちらから

RANKING アクセスが多い記事をランキング形式でご紹介。

妊娠・出産・育児は、
わからないことがいっぱい。
悩み過ぎず、自分のペースで
行える育児のカタチを紹介していきます。
コモドライフとは?