二人の男の子のママであり、写真家として活動する原 未来さんの、子育ての楽しい思い出。今回は「季節を感じる写真の楽しみ方」がテーマです。
「写真」とひとことで言っても、写真の撮り方や撮る場所などいろいろとあります。ただただ真っ白なスタジオで綺麗に撮る写真もいいのだけれど、子どもの写真を撮るときは、できる限りそのときの空気感や雰囲気を入れ込みたい。
さらに季節感も加えたらそのときの気持ちも蘇ってくる。1才より前の月齢だったら尚更のこと。「つい先月まではつかまり立ちだったのに、いまは手を離して数歩歩けるようになっている」など変化の著しい時期。
その時期の草花を部屋の壁に飾って、その前で歩けるようになった姿を披露している写真を残しておいたり、抱っこやベビーカーで通った公園を今度は新しい靴を履いて一緒に歩いている姿を撮影したらどうでしょう!
立てるようになった!歩けるようになった!など、できるようになったことを記念して撮影することはあるかもしれないけれど、そこに是非季節感を意識して入れ込んでみてほしい。
手帳などに立てるようになった時期や日付を記帳されている方は多いと思いますが、そこに実際のその時期の写真も一緒に残しておくことができたら、より振り返って写真を見たときにそのときの情景が蘇ってくるような気がします。
自身の写真を振り返ってみると、やっぱりその時期の植物と一緒に撮ることを意識していることが多いように感じます。
都会に住んでいて、自然が近くになくても季節を感じることはできるし、季節感を写真に残すことはできます。近くのお花屋さんで季節の花を買ったり、道端に咲いている雑草でも地面に落ちてしまった木の実でも。子どもの視線は大人に比べたらとても低く、下の方に落ちている可愛い季節の落し物をよく見つけてくれますよね。
そんな季節の植物と一緒に写った写真は、少し前の写真でも、見返すたびに一緒に歩いた場所や季節、空気感などがふわーっと思い出されて、いつもジーンとします。
毎日一緒にいて、すごく近くにいるのに、日々こんなにも変化していることを、我が子の姿を撮った写真を改めて振り返ることで気付かされます。
大人と子どもの日々の時間は同じだけれど、スピードは全然違います。
『昨日の夢は今日の希望となり明日の現実となる』
これは私の好きな言葉ですが、流石に大人では言葉どおりの変化はありませんが、子どもならこの言葉のように本当にすべてのことが刻一刻と進んでいます。
昨日できなかったことが今日はできる。そんなことをつぶさに側で見せてもらえるのも、子育てをさせてもらっているから。
「子育ては自分の子ども時代をもう一度生き直している」という話を聞いたことがあります。
出来ること出来ないこと色々と悩みが尽きない子どものことですが、楽しく、一緒に楽しんで、めいっぱい今この瞬間を一緒に味わってほしいなあと思います。
可愛い日もちょっと可愛くない日も本当に一瞬でかけがえのないときなのですから。そして、写真というツールを使って沢山の一瞬を残しておいてほしいと思います。
PROFILE
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写真家。2人の男の子のママ。高校卒業後に渡米し、写真家・ホンマタカシ氏のアシスタントを経て独立。
http://miraihara.wixsite.com/work
(制作 * エチカ)