もっと知りたい!愛してやまないベビーカーのコト。ベビーカー博士ちゃんが開発担当者にインタビュー!
テレビ朝日系列の番組『サンドウィッチマン&芦田愛菜の博士ちゃん』出演で一躍注目を浴びた、「ベビーカー博士ちゃん」こと奥井ゆうかさん。2才のころからベビーカーの魅力にハマり、現在は8台のマイベビーカーを所有するまでに。そんなベビーカー大好きの奥井さんが、日頃からベビーカーで気になっていたギモンを、ピジョンでベビーカーの開発を担当する、ベビー大型商品設計G津田賢一郎さんにインタビュー!
ベビーカー歴16年!高校3年生がベビーカーにハマった理由
津田さん
奥井さんのことをテレビで拝見して、びっくりしました!こんな高校生がいるんだって。なぜベビーカーに興味を持ったのですか?
奥井さん
きっかけは覚えていないのですが、子どもがアニメのキャラクターやオモチャにハマるように、ベビー用品が好きだったんです。2才くらいの頃には、ベビーカーのカタログを絵本のように眺めていたと母から聞きました(笑)。最初は形や色などの見た目が好きで、カタログにトレーシングペーパーを敷いて、上からなぞって描き写していました。これが小さい頃から好きなベビー用品をイラストにまとめているノートです。
津田さん
2才といえば、まだ自分が乗る側ですよね。そんな時から好きだったなんて。そしてこの情熱がこもったこのノート!イラストだけではなく、特徴だったり疑問だったりもまとめたりしていて。歴史が詰まっている、貴重な一冊ですね。どのようにして情報を集めたのですか?
奥井さん
メーカーさんが作っているカタログです。数えてみたら、300冊くらい持っていました。ずっと飽きることがなくて・・・。高校2年のとき、ついにお小遣いをためて自分のベビーカーを購入したんです!とっても嬉しくて!
津田さん
乗せる赤ちゃんがいるわけでもないのに!?凄まじいベビーカー愛を感じます・・・!どこに惹かれているんでしょうか。
奥井さん
“モノ”として好きなんですよね。デザインもかっこいいし、小さいのにとても機能的でよく考えられていて。最近は、タイヤやフレームなどの構造にも興味があります。実はいま、ベビーカーは8台に増えたのですが、そのうち1台は分解して、構造について自分なりに調べたりもしています。なので、今日は開発者の方のお話を聞けるということでとても楽しみにしてきました!
教えて!ベビーカーの選び方
津田さん
いまはベビー用品専門店でアルバイトしているそうですね。ベビーカー売り場担当なんですか?
奥井さん
はい、そうです。最初はこれまで蓄えてきた知識でベビーカーの特長を説明していたのですが、たくさんのお客さまとお話ししているうちに、求めている機能やデザイン、値段などとのバランスのなかで、いかにピッタリなベビーカーを提案できるかということが楽しくなってきました!
津田さん
どのようにアドバイスをされているのですか?
奥井さん
お客さまが何を一番重視しているかというのと、逆に一番なくてもいい要素を聞くようにしています。例えば、押しやすさでいうとしっかりとした造りのシングルタイプのタイヤがおすすめだけれど、もし軽さやコンパクトさのほうを重視するなら別のタイプを紹介するなどですね。また、私の住んでいる地域は車で移動する方がほとんどなので、車に入れやすいサイズというのもポイントになってくるのですが、どのような場面でどのように使うかというも聞くようにしています。お客さまそれぞれに違う答えがあるので面白いです。開発されている方の選び方のアドバイスも教えてもらえたら嬉しいです。
津田さん
優先順位を聞くというのは大切なポイントで、すでに奥井さんは実行されていてすごいなと聞いていました。使うシーンを想像してもらうというのもとても重要なポイント。デザイン性や先入観で大きなベビーカーを選んだものの、車に出し入れが面倒だったり、玄関の限られたスペースに置き場がなくて困ったり、ということのないようにですね。
そしてもうひとつ大事なのが、子どもの成長を念頭に入れること。ベビーカーは36ヵ月くらいまで使われることが多いのですが、新生児の頃は3~4kgくらいでも、1年も経つと10kgくらいに成長しますから。店頭には赤ちゃんの体重を想定したおもりのぬいぐるみが用意されているところが多いのですが、小さいタイプだけではなく、成長後の大きいタイプも乗せて、1年後、2年後もイメージして選んでもらうといいですね。
奥井さん
新生児だけではなく、赤ちゃんの成長をみすえて選ぶんですね。さっそくお客さまへアドバイスします!
聞きたい!ベビーカーの開発秘話
津田さん
奥井さんは、ピジョンのベビーカーで好きなところはありますか?
奥井さん
ピジョンといえば、シングルタイヤですよね!特にサスペンションが大好きです!
津田さん
(嬉しそうに)えぇーそうなんですか!そこに注目してくれているなんて、開発に携わる者として、とても嬉しいです。
奥井さん
サスペンションが黒じゃなくて、グレーというのもいいんです!見えているのがカッコいいなと思っていました。なぜサスペンションを採用したのですか?
津田さん
本当はもっと目立つ色にしたかったんですけど、馴染みやすいグレーにしたんです。サスペンションはクッションの役割を果たすので、振動を吸収してくれるのがひとつ。そして、段差の乗り越えやすさです。サスペンションがあることで、段差を乗り越えるときにタイヤが動いてくれるので、乗り越えやすくなるんですよ。
奥井さん
確かにタイヤがスムーズに動いて段差をストレスなく乗り越えますね!
津田さん
スムーズさでいうと、もうひとつ見えない部分なのですが「超精密ボールベアリング」も組み込まれています。これはカットしてわかりやすくした模型なのですが、ベアリングが入っていることで軸が滑らかに回転するんですよ。
奥井さん
ピジョンのベビーカーの走行性が素晴らしいと思っていたので、自分では分解できない構造も見ることができて感激です!ところで、そもそもなぜシングルタイヤを採用しているのですか?タイヤのサイズはどのように決めているのですか?大きい方がいいのでしょうか?
津田さん
いい質問ですね。シングルタイヤのいいところは、左右同時にタイヤの向きが同じ方向に動くので小回りが利いて、段差のある道でも安定した走行ができるところですね。サイズは、大きいタイヤの方が段差の乗り越え等にメリットがありますが、小回りが利くかというポイントも意識しているので、操作性と快適性のちょうど良いサイズを研究してサイズを決めます。
奥井さん
種類によってサイズが違うのも、細かく計算された結果、最適なサイズのタイヤが採用されているんですね!
津田さん
そうですね。どの部品もひとつ一つ細かく計算して設計します。持ち運びやすさを考えると、軽い方がいいですから1グラム単位で考えるんです。もちろん、安全性に影響のないようにですが。
奥井さん
フロントガードの硬さも、やわらかめなものが多いなかで、ピジョンのベビーカーは硬めであることも、なぜだろうと気になっていました。これも安全面と軽さのバランスなんですか?
津田さん
やはり赤ちゃんを守るための部品ですから、しっかりとした造りである必要はあります。ただ、折りたたんだ状態でママが持つ部分にもなるので、ある程度は柔らかいほうが手になじむのと、見た目の美しい形状が保てる硬さでもある、というバランスをとっています。
奥井さん
赤ちゃんのことはもちろん、使いやすさもとても考え抜かれてベビーカーが作られていることが良くわかりました!
ベビーカーは知れば知るほど、素晴らしいです。今日お話を伺って、作るのにとても大変な努力もあることがわかりました。そういう、ベビーカーの魅力をもっとたくさんの方に知ってもらえるような活動を、これからも続けていきたいと思います。いつか私も開発に携わってみたいです!今日は貴重なお話をありがとうございました!
津田さん
こちらこそ、ありがとうございました!これからも頑張ってくださいね!
奥井ゆうか
テレビ朝日系列の番組『サンドウィッチマン&芦田愛菜の博士ちゃん』に「ベビーカー博士ちゃん」として出演。現在8台のマイベビーカーを所有。将来の夢は、ベビーカーの魅力を発信していくことと、開発に携わること。
津田賢一郎
ピジョンのベビーカーの開発を担当する、ベビー大型商品設計Gに所属。ベビーカーへの情熱が高じて、コモドライフにて「ベビーカー選びの極意」を指南するベビーカー師匠でもある。
https://comodo.life/everyday/article-1225.html