赤ちゃんを迎えるときに準備しておきたいベビーカー。生まれたばかりの大切な命を運ぶものなので慎重に選びたいですよね。そこで「お店で選ぶときは、どんなところに気をつけたらいいの?」と悩めるママ・パパに代わり、ママ・パパサポーターの前川がピジョンベビーカー道場に入門!普段ピジョンのベビーカーの開発に携わるベビーカースペシャリスト津田師匠に選び方の心得と極意を指南してもらいました。
目次
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(母乳育児情報サイト ぼにゅ育)
ピジョン・ママパパサポーターの前川です。日々、ママやパパが赤ちゃんとのお出かけの時間を楽しめるようにお手伝いをしています。今日はベビーカー開発のスペシャリスト・津田さんにベビーカーを選ぶときの心得や極意について教えてもらいます!
任せなさい!ベビーカーは他のアイテムよりも買い替えが難しいので、細かく調べた上で納得して買いたいという方が多いはず。そんな悩めるママ・パパのための極意をしっかり学ぶべし!
はい、ベビーカー師匠!よろしくお願いします!
どうぞよろしく!ではさっそくベビーカーの購入を検討し始めたママ・パパにしてほしいことから教えます。それは自分の生活スタイルを再確認すること!
生活スタイル?たとえばどんなことですか?
移動手段はいつも車なのか、公共交通機関なのか、徒歩なのか。自宅は戸建なのか、マンションなのか。階段やエレベターの有無もポイントです。他にもベビーカーを使い始める赤ちゃんの月齢や使う頻度についても考えるべし!ベビーカーを選び始めるのは妊娠中が多いので、赤ちゃんのいる生活を想像しにくいと思いますが、一緒に行きそうな場所やベビーカーを押している状況をイメージするのも大切です。
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(母乳育児情報サイト ぼにゅ育)
なるほど。階段しかないマンションに住んでいるのに重いベビーカーでは大変ですよね。
確かに日本では重さを気にする人が多く、確認ポイントの1つではあるんですが、じつはベビーカーを持ちあげて運ぶ場所はそんなに多くない。それよりも、自分の生活スタイルに合ったベビーカーを選ぶことが重要です。さらに、ママやパパ、赤ちゃんのことを考えてベビーカーを作っている私が一番重視してほしいのが、走行するときの「押しやすさ」です!
確かに、ベビーカーは押している時間がいちばん長いですよね…。実際に先輩ママ・パパからも、購入後に赤ちゃんを乗せてベビーカーを押してみて、思っていたよりも道の段差やでこぼこが押しにくくて大変、という話を聞いたことがあります。
そうでしょう?ベビーカー師匠としては、そんな話を聞くのは辛くてしょうがない。なので、ベビーカー選びでお店に行くときの極意を6つ説明します。この極意を知っていれば、ぜったいベビーカー選びに後悔させません!
おしゃぶりは、どれくらいの人が、どんなところで使っている?
(ピジョンインフォ)
師匠、さっそく「押しやすさ」を確かめる1つめの極意についてお願いします!
お店ではどうやって確認したらいいですか?ん、そのぬいぐるみは…?
これは、赤ちゃんの体重を想定したおもりのぬいぐるみです。かわいいでしょう?こういったおもりがお店に用意されていれば、おもりを乗せてから走行体験をすることが大切です。われわれ開発者は赤ちゃんが乗っていることを前提にベビーカーを開発していますから、赤ちゃんを乗せたときに操作しやすいかどうかをそれぞれのベビーカーで比較してみてください。
確かに、実際の道で空っぽのベビーカーを押すことは少ないですよね(笑)。
多くのベビーカーは0才から3才まで使うことを想定して作られています。赤ちゃんが生後1ヵ月の約3kgでも成長して15kgでも、押しやすさが変わらないのがいいベビーカーといえるんです。あとやってほしいことは、お店の床はフラットで実際の道よりも押しやすいことが多いので、でこぼこ道の疑似体験コーナーがあったら必ず試すこと!
わぁ!平らな床と段差がある床だとこんなにも違うんですね!ベビーカーでお出かけしてみると、思っていたよりもでこぼこ道が多くてベビーカーが押しにくく、結局赤ちゃんを抱っこした、という先輩ママ・パパの話もよく耳にします。
その通り!ただ歩くだけでは気づかないような小さな段差やでこぼこでも、赤ちゃんを乗せているベビーカーにとっては押しやすさを妨げる大きな要因です。ハンドルを握る手元に感じる振動やフレームにガタつきがないかも確認しましょう。
手に伝わってくる振動で、手にかかる負担や赤ちゃんが感じている振動をママ・パパが確認するんですね!
あとはでこぼこ道でもスムーズに走行できるか、段差を乗り越えやすいタイヤかどうかも確認すべし!
なるほど!師匠よく理解できました。ありがとうございます!
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(ピジョンインフォ)
では師匠、次に極意の2つめ「お店をぐるっと1周」とはどういうことですか?
極意その1ででこぼこ道をイメージして押してみることについて教えましたが、その他にベビーカーで出会うことの多いシチュエーションは駅の改札やお店の通路のような道幅の狭い場所や曲がり角です。
そういえば先日あるママが、小回りの利かないベビーカーだとお店で無理やり動かしたり、改札でうまく曲がれずに何度も引っかかったりして、他のお客様の目を気にしてしまう、って嘆いてました。
小回りが利くことがベビーカー選びの重要なポイントだって理解できるでしょう?せっかくベビーカー選びでお店にいるのだから、お店に一言お願いしてぐるっと一周させてもらいましょう。その場でベビーカーを前後に動かすだけじゃもったいない!赤ちゃんが生まれてからお買い物で通る狭い道や曲がり角を具体的にイメージできるはずです。
そのときもおもりは忘れずに!ですね。
よく覚えていますね!おもりを乗せて曲がり角を曲がったり旋回する操作をしてハンドルにがたつきがないか、手に余計な力がかかっていないかどうかを確認しましょう。
とある先輩ママは赤ちゃんを抱っこして腱鞘炎になってしまったらしく、押しやすいベビーカーだと手に負担がないからラク!と言っていました。
力の負担が少ないものを選ぶことが大切ということです!揺らしてみて、がたつきが少ないものを選びましょう。
赤ちゃんにやさしいベビーカーは、ママパパにもやさしい!ですね!師匠、極意その2ありがとうございました!
師匠、では次に極意3つめ「メジャーを使ってチェック!」について教えてください!
極意1と2でも説明しましたが、赤ちゃんはどんどん成長します。ベビーカーは生後1ヵ月から3才くらいまで使うものなので、その成長を見越した上でシートの広さもしっかりお店で確認してください!
確かに、生後1ヵ月の赤ちゃんと3才の赤ちゃんだと大きさもかなり違いますもんね。
生後1ヵ月の赤ちゃんに合わせて購入してしまうとベビーカーが狭くなってしまいそうですね。
その通り!だから、大きくなった赤ちゃんを想定してシートの広さはチェックしておいた方がいいんです。ではまずは横幅から。生後すぐでも3才でも窮屈にならず広々としているかがポイントです。ちなみに日本のベビーカーの横幅は駅の自動改札通れるように設計されていることが多いので、その決められた横幅の中でより広々としたものを選ぶこと!
次にシートの長さ。赤ちゃんが座る股ベルトの部分から背もたれの長さが十分確保されているか、成長したときも頭がしっかりシートに収まるかも一緒に確認してください!
あとは成長して赤ちゃんの足が長くなっても足をしっかり支えてくれるかどうか、シートの前側部分も同じように確認すべし!この部分が短いと、乗せる足の下はクッションがなく、痛くなることも。クッションに厚みがきちんとあるかなど、快適性も整っているか気をつけたいですね。
赤ちゃんがおすわりできるようになって、前側がペラペラで膝の裏側が当たることに気づいた!という先輩ママの話を聞いたことがありますね。
購入するときには気づきづらいポイントですよね。赤ちゃんはしゃべれないので意見を言えません。ベビーカーはどうしてもママにとって嬉しい機能が多いものが選ばれやすいんですが、それだけではダメだと思っています。赤ちゃんのためになる機能も必要ですから、赤ちゃんの気持ちになって考えてみるといいですね。
赤ちゃんのため、そしてママ・パパのため。バランスの取れたベビーカー選びが大切ですね!
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師匠、では次に極意その4「シートの素材」についてお願いします!
赤ちゃんは大人が思う以上に汗っかき!シートが汗でビショビショなんてこともよくあります。でも実は通気性がいいだけじゃダメ。赤ちゃんが汗をかいた後に風を通して涼しいだけでなく、水蒸気になった汗までしっかりと逃がしてあげる透湿性があるとより快適です。
確かに、大人を基準にして考えてはダメですね。体温が高い赤ちゃんは汗をかきやすい、冬でも汗でびっしょりになって驚いたという話もよく聞きます。しかも、赤ちゃんはあせもになりやすかったり、皮膚のトラブルも気になります。大切な赤ちゃんのために快適でサラッと過ごせるシートのベビーカーを選んであげなくちゃ!
あと忘れてはいけないのは、お手入れがしやすいかどうかです。取り外して洗濯できると、いつも清潔な状態を保ちやすいですね。
確かにそれは欠かせないポイントですね!他にシートの素材で大切なところはどこですか?
クッション性もチェックすべし!赤ちゃんは手足をよく動かすので、その動きを妨げないような柔らかすぎず、硬すぎない適度な弾力性が大切です。
なるほど。大人でもクッションが柔らかすぎると腰が痛くなったりすることがありますよね。赤ちゃんが自分で動きたいように動けるかがポイントなんですね!赤ちゃんの気持ちまで理解できるなんて、さすが師匠!ありがとうございます!
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では、次に極意の5つめについてお願いします。師匠、大きなバッグをもっていますが…。
ベビーカーを開閉するシチュエーションとしては、赤ちゃんを抱っこしていたり、バッグなどの荷物を手にもっている機会が多いでしょう。そこで、片手に荷物を持った状態でベビーカーを開けられるか、そしてたためるか、実際に試してみることをおすすめします。
確かに、ベビーカーをたたむときには赤ちゃんをシートからおろさなきゃいけないし、かといって外出先でどこかに寝かせておくのも難しいし。つまり片手で操作できないとベビーカーとして実用的ではないということなんですね!
その通り!片手でも簡単にできること、あとはママの力でも簡単に開いたりたたんだりできるかどうか確かめるべし。
では師匠、極意の最後6つめ「ベビーカー選びには1泊用の旅行カバンをもっていく」ということですが、どういう意味ですか?
赤ちゃんとのお出かけにはおむつやブランケット、着替え、食べ物、おもちゃなどかなりの量の荷物になることが多いですよね。それを実際にベビーカーのカゴに出し入れしてみて体感してほしいんです。
確かに、大人の1泊分くらいの荷物の量かも…。ママ・パパは大変!
ちなみに日本のメーカーのベビーカーだとカゴの容量は5kg前後までと決まっているんですよ。そうなるとポイントになるのは、出し入れがしやすいかどうか。出し入れの邪魔にならないように間口が広く作られているか。これは実際の使い始めてみないとわからないことなので、必ず購入前に店頭で比べてみてください。
容量は気にするけれど、入れやすさは案外気にしないかも。実際に買ってから使いづらくては残念ですよね…。
ベビーカーは赤ちゃんを乗せるだけでなくカゴに荷物を載せることも多い。毎日使う場所なので、ベビーカー選びの大きなポイントですよ!
そういえば、ベビーカーのカゴに赤ちゃんの靴を入れておいたら片方落としてしまったという声も聞くんですが、どんな点を確認すればいいですか?
確かに、公園や歩道に靴が片方だけ落ちている光景、見かけますよね(笑)。赤ちゃんの靴のような軽いものは実際に落ちやすいので、荷物を入れたときに落ちづらい構造になっているかも確かめたいポイントですね。
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師匠、6つの極意ありがとうございました!これでベビーカー選びに悩む先輩ママ・パパたちへのサポートがばっちりできそうです!
ちょっと待った!最後にもう1つだけ番外編としてポイントを教えましょう。実際にお店にベビーカーを選びに来て、いざ購入というとき、「あっ、車のトランクに入るかな?測ってからまた来ます!」という方が結構多いんです。
そうなんですか??トランクに入らないと車移動の多い人は困ってしまいますよね。しっかり長さを測ってからお店にいかないと!
そのとき、高さは気にする人が多いんですが、コンパクトカーの場合などは横幅や奥行きが入らないことも!3方向すべてメジャーできちんと測った数値をメモしてからお店にいくべし!
そうすれば、二度お店に行く手間も省けますよね!マタニティ期間は外出が大変なこともあるし、いろいろな準備で忙しいので、効率よくベビーカー選びを進めるには外せないポイントですね!
そうですね。心得と6つの極意、そして番外編、しっかり理解できましたか?これらのポイントをお店に行く前にチェックしておけば迷うことなく自分たちにぴったりな一台を見つけることができるはずですよ!
師匠、今日はありがとうございました!とても勉強になりました!私もベビーカー師匠になれるかも!?
まだまだ10年早―い!(笑)