写真好きのママがお届けする、3人の子どもの子育て写真日記。今回のテーマは「プチ移住」です。
我が家は毎年8月、東京の自宅を離れて、一ヵ月間プチ移住をすることにしています。2015年の夏に長野(長和町)の古民家で田舎暮らしをしたのが最初で、それから秋田(男鹿)、岐阜(白川町)、山梨(北杜)と体験し、今年で5年目です。
夏のプチ移住をするようになった理由は、色々あるのですが、第一は、長女が幼稚園に入園した年の初めての夏休みに、「夏休みだしなにか特別なことをしたいよね、できれば自然に触れる体験がいいよね」と思ったこと。そこに、「ずっと灼熱の東京にいる必要もないし、涼しいところ行きたいよね」「キャンプや旅行もいいけど、リモートワークが可能な仕事/職場だし、どこかにじっくりロングステイすることもできるんじゃない?」という考えが重なって、思い切って実行してみました。いまにして思えば、以前からなんとなく移住することへの憧れはあったけれど、すぐに動ける感じではないので、一ヵ月でもいいから体験してみようか、というような気持ちもあったかなと思います。
昨年10月に生まれた次女(0才9ヵ月)も加わって5人家族となって初めてのプチ移住。今年は、北海道の長沼町というところに滞在しました。
せっかく夏に東京を脱出して田舎暮らしをするなら、涼しいところがいい、というのは最初から一貫して思っています。いつかは北海道に行ってみたいよね、と夫婦で常々話していたのですが、昨年は出産を秋に控えていたので断念。今年は満を持して、北海道に狙いを定め、物件を探し、無事に見つけることができたのでした。
さて、小学校2年生の長女と幼稚園年中の息子は夏休みですが、夫は一ヵ月も夏休みはありません。夫は平日月曜から金曜まで、滞在先の家の一角でリモートワークという形で仕事をします。いつもは会社に出勤している夫が毎日家にいる、という点が東京での生活とは違うものの、仕事をしているので、子どもたちと遊んだりはできないし(たまに”おじゃま虫”してますが…笑)、家族みんなで観光地へ連日出かけるということもできません。なので「長い旅行」というよりは、場所を変えて「暮らしている」というようなイメージです。
一ヵ月暮らすとなると、荷物がけっこう多くなります。ホテルやペンションなどといった施設に宿泊するわけではないし、食事も外食メインではなく基本的に自炊になるので、調理道具や調味料など台所まわりのアレコレ。長期の滞在になるので、洗濯と物干しのためのアレコレ。旅行とはちがって毎日どこかへ出かけられるわけではないので、子どもたちが家(とその周辺)での時間を楽しむためのアレコレ。次女はまだ0才なので体は小さいですが、ベビーチェア・寝具・離乳食関連のグッズなど、意外と場所をとるものが多いんですよね。それに低刺激の石鹸や爪切りなど、地味だけど赤ちゃんがいるからこそ必要なものもあります。
滞在する家にどんな生活道具が備わっているかを事前に問い合わせてリサーチしたうえで、なにを持っていくべきかを考えるのですが、必要最小限に絞ったつもりでも、かなり嵩張ります(特に赤ちゃん用のものはほとんど用意されていないので!)。
さらに現地でも、食材の買い出しなどの日常生活にどうしても車が必要なので、プチ移住へはいつも飛行機や新幹線など公共の交通機関ではなく、自家用車で向かいます。
北海道へももちろん、車で。といっても、東京からずっと陸路は無理なので、茨城県の大洗から、北海道の苫小牧まで、深夜便(夜行)のフェリーで移動しました。それもまた、冒険の始まりという感じがして、とても楽しかったです。
上の子たちふたりに関してはあまり心配していませんでしたが、次女については、夜ちゃんと眠れるか、夜泣きしないか、と少し不安でした。やはり予想通り、夜中に何度か目を覚まして愚図ったりもしましたが、そのおかげでわたしは朝日が昇るのを見ることができたし、結果オーライ。同室の方の寛容さにも助けられて、無事に北海道にたどり着くことができました。
後編は、幼い子どもや赤ちゃんを連れて田舎暮らしをすることの魅力や苦労について、書きたいと思います。
PROFILE
伊野妙このライターの記事一覧
東京生まれ、横浜育ち。女の子と男の子の三児の母。家庭業の傍ら、編集・ライティング・翻訳などの仕事を少々、ニットデザイン・制作販売の仕事を少々(Juhla[ユフラ]主宰 /『輪針だからカンタン! おしゃれでかわいい手編みこもの』発売中)。
http://instagram.com/eatoooni
(制作 * エチカ)