自然豊かな信州でネイチャーガイドをしながら2児の子育てに奮闘中の阿部菜々恵さん。今回は絵本を通して赤ちゃんの成長を楽しんでいる日々についてのお話です。
絵本。それは我が家での日々にかかすことのできないものです。我が家にある絵本の大部分は私が幼少時に読んでいたものを母がとっておいてくれたものです。森でのガイドのときや、ようちえんで働いていたときに子どもたちに読み聞かせることもありましたが、時を経て、それを今、我が子と共に読むことができ、とても嬉しい気持ちになります。
娘に産まれて初めて絵本をみせたのは1ヵ月の頃でした。いつでも読めるようにと小さな赤ちゃんの絵本を2冊ほどベッドサイドにおいていました。目をキョロキョロと動かし、私の声や動作に反応するようになってきたので、これは楽しめるかも?と、絵本のページをひらいて読みはじめました。
すると目と首を絵本の方へ動かし、じーっと見つめてきました。動物たちが次々とでてきて、「こんにちは」と「バイバイ」をくりかえす内容なのですが、娘はキリンが黄色で鮮やかで目に留まったのか、そのページにくると目の輝き?が違って、読んでいる私も楽しくなり、その日から毎日の遊びの中で絵本を読むようになりました。
2ヵ月の頃には息子も娘に読み聞かせてくれたりして、その頃には娘もしっかりと楽しんでいるようで、息子もはりきって読んでいました。4ヵ月の頃にはうつ伏せができるようになり、ベッドからおりて床で遊ぶことが多くなりました。その頃には手の届くところに5冊ほどの絵本をいつもおいておきました。すると自分から本を手に取り、ページを開いたり閉じたりして遊びはじめました。そして、1冊の本のあるページを開くとにこにこ笑顔で反応したり、大好きで何度も読む本がでてきました。
笑顔になったのは茶色いフワフワのうさぎがでてくる本なのですが、息子もなんと同じところでいちばん最初にニコッと笑いました。それは我が家の飼い猫にそのうさぎが似ているから2人とも反応したのかもしれません。娘はにゃんこが大好きで、昼間遊んでいるときは傍らに必ずにゃんこが寝そべっています。時には娘にしっぽをむんずっ!とつかまれたり、バンバン背中を叩かれたりしていますが、いつも娘のそばにいてくれるよき遊び相手です。そのおかげか?猫のでてくる絵本をはじめ、動物が登場するとキャッキャッと笑って喜ぶようになりました。
8ヵ月くらいになると、息子の絵本棚からどんどん絵本をだし始めて、あちらこちらに絵本が散乱するようになりました…(涙)。なので、息子のときにもやったのですが、娘専用の絵本棚を作ることにしました。
今ではここから自分で読みたくなるとその棚に向かい、自分で開いてみたり、時には息子に読んでもらったり、私に読んで〜!!と絵本をもってきて叫んだり(笑)して、毎日棚が空になるまで読んでいます。と、いっても絵本の好みがあるようで、時には座りながら跳び跳ねたり、叫び声をあげたりと反応も豊かで、こちらも読んでいて嬉しくなります。1ページめくったら終わり!という絵本もあったり、何度も何度も繰り返し読む本もあったり、娘の好きなことが見えてきて面白いなあと思っています。なんとなく、息子とも好みが似ているような…?
そして、絵本のおかげか、「バイバイ」を6ヵ月頃から理解しはじめ、朝仕事にでかける夫に向かってにこにこスマイル&バイバイをしはじめ、夫はすっかり娘にメロメロになりました。最近は「ちょうだい」と言うと物を手渡してくれたり、絵本のまねをして小さな手でこちらを誘うので、家族みんなが娘のいいなり(笑)です。
私も、子どもが成長と共にさまざまな絵本と出会い、その都度いろいろな発見があります。毎晩の絵本の読み聞かせは私にとっても、楽しくていろいろな世界に連れていってもらえ、娘と気持ちを共有できる大切なときです。これから娘とも絵本を通してどんな時間、どんな子育てができるのかとても楽しみです。
PROFILE
阿部菜々恵このライターの記事一覧
ネイチャーガイド/保育士/野草ハーバリスト
道草を愛でること、食べることがライフワーク。軽井沢周辺の森のガイド、森のようちえんの講師などを行う。子育てや暮らしの中で美味しく、楽しい自然の楽しみ方を提案。野草茶、野草料理などのワークショップなども行う。下見と味見は2016年生まれの食いしん坊な息子と2021年生まれの娘と共に。
(制作 * エチカ)