食べごと研究所・山田奈美さんのこころも整う一皿「つわり中にも授乳中にもおすすめの『とろとろオニオンスープ』」
日本の食文化の素晴らしさを受け継ぐ活動「食べごと研究所」を主催する山田奈美さん。薬膳の考えと発酵食を取り入れた食事をすることで、しだいに心身ともに整ったという体験から、築90年以上もなる古民家に移り住み、アトリエで「和食薬膳教室」や「発酵教室」、「離乳食教室」を開講しています。そんな山田さんに妊婦ママにおすすめの、寒い季節にぴったり!「とろとろオニオンスープ」を教えていただきました!
玉ねぎをとろとろに煮込んだオニオンスープは、寒い季節にぴったり。
玉ねぎは血液循環をよくして体を温めてくれる、冬こそ取りたい食材だからです。また、冬は気分が沈みがちですが、気(生命エネルギー)のめぐりをよくして、気持ちを晴れやかにしてくれる働きもあります。胃の不快感を取り除く作用もあるので、つわり中や妊娠後期の胃の圧迫される時期にもおすすめ。オリゴ糖が豊富ですから、腸内の善玉菌を元気にして、便通の改善にも役立つでしょう。
玉ねぎの甘みやうま味を十分に引き出すコツは、繊維を断ち切るように切ること。また、隠し味の干ししいたけを油でじっくり炒めると、まるでバターのような味わいに。植物素材だけでも、スープの素を使わなくても、コクのある濃厚なスープになりますよ。じっくりコトコト煮るだけなので手間いらず。ぜひ熱々をフウフウしながらほおばってくださいね。
RECIPE
とろとろオニオンスープ
所要時間:15〜20分
材料(2人分)
・玉ねぎ(大)…1個
・干ししいたけ…1枚
・干ししいたけの戻し汁…300ml
・酒…大さじ1
・塩…小さじ1
・黒こしょう…適量
・なたね油…大さじ1
・モッツァレラチーズなど…好みで適量
・パセリ…好みで適量
作り方
- 1.玉ねぎは縦半分に切ってから、繊維を断ち切るように薄切りにする。干ししいたけは水で戻してから石づきをとり、薄切りにする。
- 2.鍋を強めの中火にかけ、なたね油を入れてしいたけを炒める。香りが立ったら玉ねぎを加えてじっくり炒める。
- 3.玉ねぎが飴色になったら塩をふり、酒としいたけの戻し汁を加えて蓋をして10分ほど煮込む。
- 4.器に盛り、好みでチーズをのせ、パセリと黒こしょうをふる。
ポイント
玉ねぎを炒めるときはあまり動かさないようにすると、早く飴色になります。鍋についた焦げもこそげ落としてスープに混ぜながら煮ると、香ばしい色と香りがつきます。お好みでチーズをのせたら、オーブントースターやグリルで表面を焼いてもおいしいですよ。
PROFILE
山田奈美このライターの記事一覧
薬膳・発酵料理家/国際中医薬膳師/「食べごと研究所」主宰。
「東京薬膳研究所」の武鈴子氏に師事。東洋医学や薬膳理論、食養生について学ぶ。雑誌やwebなどで発酵食や薬膳レシピの提案や解説を行うほか、神奈川県葉山町のアトリエ「古家1681」にて、「和食薬膳教室」「季節の仕込みもの教室」「発酵教室」「離乳食教室」などを開催。 日本の食文化や手しごとを継承したり、体にやさしい季節の食養生を伝える活動を行い、幅広い世代の支持を集めている。著書に『昔ながらの知恵で暮らしを楽しむ家しごと』(エクスナレッジ)、『疲れた日のスープ 頑張る日のスープ』(文化出版局)、『二十四節気のお味噌汁』(WAVE出版)、『菌とともに生きる 発酵暮らし』(家の光協会)など。
http://tabegoto.com
(制作 * エチカ)