食べごと研究所・山田奈美さんのこころも整う一皿「つわり中にも授乳中にもおすすめの『かぼちゃと里芋のカノムモーケン風(タイ風焼きプリン)』」


日本の食文化の素晴らしさを受け継ぐ活動「食べごと研究所」を主催する山田奈美さん。薬膳の考えと発酵食を取り入れた食事をすることで、しだいに心身ともに整ったという体験から、築90年以上もなる古民家に移り住み、アトリエで「和食薬膳教室」や「発酵教室」、「離乳食教室」を開講しています。そんな山田さんに妊婦ママにおすすめの、体に優しい野菜を使ったおいしいデザートを教えていただきました!
妊娠中はホルモンバランスの変化などによって、無性に甘いものが食べたくなることもあると思います。でも糖分の取りすぎは気になるところ。そこでおすすめしたいのは野菜を使ったおやつ。ビタミンやミネラル、食物繊維などの栄養素も取れますし、罪悪感なく食べられるのではないでしょうか。
今回ご紹介するのは、タイ風の焼きプリン「カノムモーケン」です。タイではタロイモというお芋を使うのが一般的ですが、タロイモも日本の里芋と同じサトイモ科で、主に熱帯アジアやオセアニアなどの地域で栽培されているものをタロイモというようです。普通のプリンと違い、里芋独特のねっちりとした食感が特徴です。ここでは里芋に、抗酸化作用や免疫力アップに役立つビタミンの豊富なかぼちゃを合わせて作りました。かぼちゃの皮には果肉以上にβ-カロテンが豊富なので、ぜひ皮ごと使ってくださいね。
私はおやつのレシピにも砂糖類は使わないようにしていますので、甘味ははちみつを使っています。このレシピではオーブンで焼いていますが、蒸してもいいですし、ココナッツミルクをもっとたくさん加えたり、かぼちゃの代わりにさつまいもにしたりと、いろいろアレンジしてみてください。

RECIPE
かぼちゃと里芋のカノムモーケン風(タイ風焼きプリン)
所要時間:40分程度
材料(2〜3人分)
・かぼちゃ…50g
・里芋…50g
・卵…1個
・はちみつ…大さじ2(好みで調整)
・ココナッツミルク…60ml
・米粉…15g
作り方
- 1.かぼちゃと里芋は柔らかく蒸して、里芋は皮をむく。
- 2.1とココナッツミルク、卵、はちみつ、米粉をミキサーにかけてなめらかにする。
- 3.型にオーブンシートを敷いて3を流し入れ、オーブンの天板に湯を張り、180度で25〜30分焼く。冷めたら好きな大きさに切り分ける。


ポイント
切り分けてから、カラメルなどをとろりとかけてもおいしいですよ。私は砂糖の代わりに煮詰めた“みりん蜜”で使っています。みりんを鍋に入れて中火にかけ、全体が細かく泡立つまでじっくり加熱すると、砂糖のカラメルのようなねっとりと濃厚な蜜になります。


PROFILE
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薬膳・発酵料理家/国際中医薬膳師/「食べごと研究所」主宰。
「東京薬膳研究所」の武鈴子氏に師事。東洋医学や薬膳理論、食養生について学ぶ。雑誌やwebなどで発酵食や薬膳レシピの提案や解説を行うほか、神奈川県葉山町のアトリエ「古家1681」にて、「和食薬膳教室」「季節の仕込みもの教室」「発酵教室」「離乳食教室」などを開催。 日本の食文化や手しごとを継承したり、体にやさしい季節の食養生を伝える活動を行い、幅広い世代の支持を集めている。著書に『昔ながらの知恵で暮らしを楽しむ家しごと』(エクスナレッジ)、『疲れた日のスープ 頑張る日のスープ』(文化出版局)、『二十四節気のお味噌汁』(WAVE出版)、『菌とともに生きる 発酵暮らし』(家の光協会)など。
http://tabegoto.com
(制作 * エチカ)