神楽坂発酵美人堂・清水紫織さんの、取り分け発酵離乳食 #2「旨みがたっぷり『鯛とアサリの出汁煮』」
妊娠をきっかけに発酵食と出会い、発酵料理専門の料理教室を開催するなど、その魅力を伝える清水紫織さん。「発酵調味料は時間のないママの味方」と話す清水さんが、今回は大人と赤ちゃんの料理が一度に作れる離乳食期の取り分けレシピを教えてくれました。2回目は塩麹で旨みを凝縮させた「鯛とアサリの出汁煮」です。
——今回のポイントとなる「塩麹」は、発酵ブームの火付け役ともいえる人気の調味料ですが、どんなところが魅力ですか?
清水さん
まろやかな塩味に旨みが加わった、シンプルがゆえに飽きがこないのが魅力の万能調味料です。肉、魚の漬け込みから炒め物の味付け、漬物やクッキーの隠し味など、とにかく幅広く使えます。トマトやきのこ、ラッキョウなど旬の野菜と混ぜて調味料にするのもおすすめですよ。
——離乳食の食材としてもよく登場する魚ですが、扱いが難しい面もあると思います。清水さんが離乳食で魚を扱う際に気をつけていたことはありますか?
清水さん
赤ちゃんがお魚の匂いを嫌いにならないように工夫をしていました。たとえば、新鮮なお魚を使ったり、振り塩をして臭みを拭き取ったり、昆布や椎茸などの植物性の出汁を必ず合わせるなどです。
また、魚は下ごしらえして切り身のまま冷凍することもできるので親子共にストック食材として活用できますし、今回のレシピでは赤ちゃん用の完成品を冷凍して作りおきにすることも可能ですよ。
——タンパクな味わいの白身魚はバリエーションもできそうですね。
清水さん
人参やほうれん草などのすり潰しとお粥を混ぜて、1品でバランスの良い離乳食メニューにアレンジするのもおすすめです。
RECIPE
鯛とアサリの出汁煮
材料(2人分)
・鯛の切り身…2〜3切れ
A
|・塩麹…大さじ1
|・酒(※)…大さじ1
B
|・水…200ml
|・酒(※)…大さじ1
|・昆布5cm角…1枚
・アサリ…80g
・片栗粉…大さじ1
・水…大さじ1
・三つ葉…適量
作り方
- 1.鯛はAを混ぜたものを両面に塗り、30分程冷蔵庫で漬けておく(この後、一切れずつラップしフリーザーバッグに入れて冷凍保存可能) 。
- 2.鍋にBと一緒に1を入れ中火にかける。沸騰してきたら蓋をして4分程煮て火を通し、蓋を開けて1分間しっかりアルコールを飛ばす。鯛に火が通ったら子ども用を取り出し、皮と骨を取ってすり鉢に入れる。
- 3.大人用に2の鍋にアサリを加え蓋をして1〜2分、アサリが開くまで火にかける。アサリが開いたら大人用も皿に取り、残った出汁に水溶き片栗粉でお好みのとろみをつける。
- 4.とろみがついたら子ども用のすり鉢の鯛に少量かけ、すり潰す。大人用の鯛にもかけ三つ葉を盛り付けて出来上がり。
※ 魚の臭みを消して風味を良くしてくれるお酒は、赤ちゃん用(9ヵ月〜が目安)のとりわけレシピで使用するのは少量ですが、十分に加熱してアルコールを飛ばして使用しましょう。味やにおいをチェックしてからあげてください。
PROFILE
清水紫織このライターの記事一覧
自身のアレルギー改善をきっかけに発酵料理人の伏木暢顕氏に師事し、広く発酵食の魅力を伝えたいと2015年に発酵料理専門の料理教室「神楽坂発酵美人堂」を立ち上げる。発酵をより深く学ぶため、東京農業大学醸造科学科で科目等履修生として三年学ぶ。教室運営のほか発酵食品のブランドも手がける。0才からの腸活を掲げキッズ発酵教室も定期的に開催。著書に『発酵料理のきほん –はじめてでも、とびきりおいしく』(朝日新聞出版)、『発酵調味料でつくる からだにいい 発酵スープ』(朝日新聞出版)、時短にもなって、多忙なママやパパにおすすめの『発酵食のストックレシピ “漬けて置く”だけ、おいしく整う』(マイナビ出版)。
https://www.hakko-bijindo.com/
(制作 * エチカ)