先輩パパとママの毎日コラムvol.385

オガワナホのいろいろ子そだて記「犬とベビーとの暮らし」

2021/1/7
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これまでずっと犬と暮らしていたイラストレーターのオガワナホさん。赤ちゃんと犬との生活についてうかがいました。

ベビーがやってくる1年ほど前、保護犬を迎えました。先代犬が亡くなり、犬のいない生活がさびしくてしかたがなくて1年ほどたった頃に、保護犬団体からシュナウザーミックスの男の子を譲り受けました。モノクロカラーの犬だったので、名前はモノ。シェルターのドッグランで育ったので、外に散歩にいったことがなく、首輪やリードに緊張して固まってしまうほど怖がりな子でした。我が家にやってきて、散歩も大好きになり、わたしたちとの暮らしにも慣れてくれた頃、わたしの妊娠が判明。知ってか知らずか、いつも隣にきておなかに寄り添ってくれるようになりました。妊娠後期には大きなおなかに頭をのせて目をつむってリラックスするようになり、中のベビーの存在がわかっているかのようでした。

ゆりかごで眠るベビーを覗き込むモノ

さすがに新生児だと犬になめられたりするのは不安なので、少し高さのある籐のゆりかごを準備しました。退院後、はじめてベビーをつれて帰るときには不安がありましたが、わたしたちをみて大喜び。だっこしている小さな生き物は何だ?と不思議そうに、鼻をクンクンし匂いをかいで、しっぽをふりふり。顔をぺろぺろしそうな勢い。その様子にほっとしました。が、熱烈歓迎すぎて、ゆりかごのまわりにはバリケードが設置されました(笑)。

それからはゆりかごの近くがモノの定位置に。自分の持っているありったけのおもちゃを集めてきて、ゆりかごの中のベビーに見せつけるように遊んでみたり、ベビーが泣くと、心配してわたしに知らせにきてくれたり、ゆりかごの中が見えるソファーに座り泣いているベビーを観察したりと大忙し!決してほえることはありません。犬の仲間意識におどろくばかり。下の子ができたときの上の子への対応はこんな感じかしら…と思いながら、モノがさみしくないように、ベビーが寝ているときには一緒に遊んだり、なるべくたくさん声をかけたりは心がけました(散歩は夫の係に) 。

ベビーのとなりにきてくれる

ベビーがバウンサーに乗るようになると、となりにきてくれて、料理しているわたしのかわりにベビーシッターに。ずりばい練習ではベビーの前でおもちゃを振り回し、ずりばいを促してみたり。お兄ちゃんっぽい対応に、モノも一緒に子育てをしてくれているみたいな感覚でした。はいはいができるようになると、さらなる仲間意識が芽生え、ベビーに体当たりをして犬のように遊ぶようになり、ヒヤッとすることもありましたが、基本的にはいつも友好的。モノの存在がわかってきたベビーも、口ひげにさわってみたり、耳をさわってみたり。ときには力加減がわからず、ひっぱってしまうこともあったけど、それでもモノは怒らずに、かみつくこともなく対応してくれました。いいお兄ちゃんだなぁ。

そんなモノの愛情を受けて育ってきたベビーの初めての言葉は「パン」と「ワンワン」でした。ママよりもパパよりも先にワンワンだったことに、ベビーの「モノ愛」があふれている気がします。そしていつの間にか「モノ」と言えるようになりました。

仲良しなベビーとモノ

ずっと友好的な態度だったモノですが、少しだけ対応に変化があったことがあります。それはベビーが立てるようになり、二足歩行をはじめたとき。今までは四つ足歩行で仲間意識があったのかも?同じ目線で暮らしていて、妹だと思っていた動物が、突然立ち上がり見上げなくてはいけなくなったこと、そして自分のごはんをくれる係になったことで、モノは落ち込んでしまったのです。いつものやさしい目がさみしそうになり、今まで完食していたごはんを残すように…。はげましてみたり、声がけしたり、遊んだりを大げさすぎるほどにしたら、しばらくして元の元気なモノにもどりましたが、あのときは本当にあせりました。

ベビーは2才半になり「モノはあた(あたしのこと)のにいに。」と兄として認識していて「モノ、だーいしゅき♡」「モノ、かわいいねー」とモノ愛にあふれています。やさしくナデナデできるようにもなり、ほっとしています。モノも嫌なことは態度で表し教えてくれますし、相変わらずやさしくしてくれます。ふたりでソファーでくっついている様子をみると、動物と人間だけど仲の良い兄妹だなと思うのでした。

オガワナホ

PROFILE

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日本、アメリカ、台湾、香港など国内外で活躍中のイラストレーター。書籍や雑誌、文具などのグッズのほか絵本も手掛ける。ご主人・娘さん・愛犬と4人でのんびり東京暮らし。
www.naho.com

(制作 * エチカ)

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