天神尚子

子育てエール!専門家による、ママパパ応援コラム

vol.85

【産婦人科医が解説】妊娠中に起こりがちなマイナートラブルの原因と対処法

妊娠中のマイナートラブルは、便秘、胸焼け、腰痛、むくみなど人によって症状が異なります。母体や赤ちゃんに危険はないものですが、症状を感じている妊婦さん本人にとってはつらいもの。 そこで、産婦人科医院長の天神先生に、実際に妊婦さんからご相談の多いマイナートラブルについて原因と対処法を教えて頂きました。

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妊婦さんを悩ますマイナートラブルとは

マイナートラブルとは、妊婦さんが不快に感じる症状で、大部分が妊娠経過中か分娩後に自然に消失するものです。しかし、母児のリスクになる病気の前兆のこともあるので気をつけましょう。症状は、便秘、腰痛、むくみ、皮膚のかゆみ、動悸、めまい、胸焼け、寝つきの悪さなど、妊婦さんによってさまざまです。

原因は、妊娠に伴ってホルモンバランスが変化すること、また、おなかの赤ちゃんが成長するにつれて子宮が大きくなっていくことなどに関係することが多いといわれています。

妊婦さんの主なマイナートラブルの原因と対処法

マイナートラブルの原因と対処法を理解して少しでも症状が和らぐよう工夫しましょう。とくにご相談の多い症状は次のとおりです。

(1)腰痛

腰痛の妊婦さんの画像

妊娠中はリラキシンホルモンの分泌が増えることで関節や筋肉の結合のゆるみが生じ、腰痛が起こりやすくなります。また、おなかが重くなるにつれて、重心が前にかかるため上体を反らしてしまいがちになり、腰や背中の筋肉に負担がかかることも腰痛の原因となります。

おなかが大きくなると上体を反らしがちですが、できるだけ背筋をまっすぐにして正しい姿勢を保つようにすると改善や予防につながるでしょう。また、長時間同じ姿勢を続けることを避けるなど、腰への負担を軽減することも大切です。

妊婦帯や骨盤ベルトを着用したり、マタニティヨガ、ストレッチ、妊婦体操などで体を動かしたりするのも良いですね。

(2)便秘

妊娠して増えた黄体ホルモンにより消化器官の動きが鈍ること、増大する子宮の腸管への圧迫、また、つわりの時期には食事や水分摂取量が減ること、それに運動不足などが主な原因で起こります。

対処法としては、適度な運動を取り入れたり、食物繊維や水分を意識的に摂取したりすると良いですね。妊娠していないときにも言えることですが、毎朝同じ時間にトイレに座る排便習慣をつけるのも良いかもしれません。

なお、下剤を使用する際は必ずかかりつけの医師に相談しましょう。

(3)皮膚のかゆみ

妊娠することによって起こるホルモンバランスや皮脂腺の分泌変化などで皮膚の状態が変わり、敏感になるのが原因といわれています。

対処法としては、皮膚を清潔に保って保湿剤を塗るほか、衣類を天然素材にしたり、できるだけ締めつけのないものを着たりするなどがあります。

かゆみがひどい場合は皮膚科を受診して相談すると安心ですね。

(4)むくみ(浮腫)

むくみを気にしている妊婦さんの画像

むくみの原因には、黄体ホルモンの作用のほか、循環血液量が増加して水分が溜まる、子宮が大きくなって下大静脈が圧迫され、下肢の血液循環が悪くなるなどがあります。

対策としては、水分・塩分を摂りすぎない、バナナ、納豆、わかめなどのカリウムが含まれた食材を意識して摂るなど食事面の工夫が挙げられます。また、ストレッチやウォーキングなどの適度な運動、足のマッサージ、弾性ストッキングなども効果的です。

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(5)胸やけ

胸やけをしている様子の妊婦さんの画像

胸やけは、子宮が大きくなるにつれて胃が圧迫されたり、黄体ホルモンによる消化管の運動性低下で胃内容が食道に逆流することによって引き起こされることが主な原因。

消化の良いものを食べる、1日少量ずつ5、6回に分けて食べる、寝る前の食事を控える、脂っぽいものを避けるなどして胃腸の負担を軽減すると良いですね。また、衣類で胸やおなかを締め付けないことも大切です。リラックスした服装を心がけましょう。

まとめ

ご紹介したマイナートラブルはご相談される症状のなかでも多いものですが、ほかにも、立ちくらみやめまい、動悸、寝つきが悪くなる、などの症状もみられます。

基本的には規則正しい生活をして適度な運動を心がけること、栄養バランスのとれた食事や水分をしっかりとること、休息をとることなどが予防や改善につながるでしょう。

ただ、症状や程度は妊婦さんによっても違いますし、症状によって対処法が異なるものもあります。不快な症状を感じたらかかりつけの病院で相談すると安心ですね。

みなさんが妊娠中、少しでも快適に過ごせるよう願っています。

天神尚子

PROFILE

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産婦人科 | 三鷹レディースクリニック院長
日本医科大学産婦人科入局後、派遣病院を経て、米国ローレンスリバモア国立研究所留学。その後、日本医科大学付属病院講師となり、1995年5月から三楽病院勤務。日本医科大学付属病院客員講師、三楽病院産婦人科科長を務めた後、退職。2004年2月2日より、三鷹レディースクリニックを開業。

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