先輩パパとママの毎日コラムvol.436

こいもらいふ 「うんちよ出てこい」

2021/10/2
こいもらいふ 「うんちよ出てこい」 こいもらいふ 「うんちよ出てこい」

エディトリアルデザイナー兼イラストレーターの齋藤州一さんとイラストレーターの野田映美さんご家族の物語。文章は齋藤さん、イラストは野田さんがご担当。今回は新生児期の「うんち」についてのお話です。

我が子こいもくんとの生活は、楽しいこと、嬉しいこともたくさんありますが、それと同じくらいに心配事も尽きません。中でも「まさかこんなことで!」と悩まされたのは排泄、うんちについてです。

こいもくんが我が家にやってきてすぐくらいは、緑色のうんちが出ていて「わーこれが新生児のうんちかぁ」と嬉々としてお世話をしていました。うんちは頑張ってミルクを飲んで栄養を摂った、生きようとしている証!こんなことで感動を覚えるなんて思ってもいませんでしたが、我が子のうんちが誇らしく、愛おしく思いすらしたものです。

出産前はうんちの処理なんてできるのだろうかと思っていたこともありました(野田)。出産前はうんちの処理なんてできるのだろうかと思っていたこともありました(野田)。

そんなある日、いつも出るはずのうんちが出ていなかったのです。まぁそんな日もあるかと思いながらも、こいもくんのおなかはミルクをいっぱい飲んでぷっくりとしていたものですから、心配の種が芽を出しはじめます。「明日の朝までには出るといいね」と妻と言いつつ就寝。

何度かミルクやオムツ替えで起きた時にチェックしていましたが、翌朝になってもうんちはまだ出ていない……。その段階になってくるとネガティブな想像が湧いてきちゃいます。

「おなかが張って苦しくない!?」

「もしかして今日の夜泣きはおなかが痛くて泣いていたのでは!?」

「このままうんちが出なかったらどうしよう!!」

今になって思えば大袈裟ですが、新生児と向き合うことも、うんちが出ないこともなにぶん初めてのことですし、この小さな体に何か負担があるのではと思うとそんな些細なことですら心配になるのです。

母子手帳の妊娠期間欄は「便」という字でいっぱい(野田)。母子手帳の妊娠期間欄は「便」という字でいっぱい(野田)。

育児本を開いたり、インターネットで調べたりしてみると「綿棒浣腸」という方法があることがわかりました。赤ちゃんのお尻を綿棒で刺激して排泄を促す方法です。

「うーん、ちょっとためらうけれどやってみようか」

妻と熟考に次ぐ熟考を重ね、その方法を試してみることにしました。

「綿棒の先にワセリンをつけて、と。いざ!うんちくんよ出てきておくれ!」

祈るように極細サイズの綿棒の先端をこいもくんのお尻の穴に差し入れ、ちょちょっと刺激すると……。あらまぁ。ぷぷぷ、と音を立ててもりもりと出てきてくれたのです。その時の嬉しさと言ったら。嗚呼愛しのうんちくん。「出たねー!」とこいもくんに声を掛け、夫婦顔を見合わせて安堵したものです。

後々、健診の際に先生に聞いたところ、「1〜2日出ないくらいは全然気にしなくて良いですよ」とのこと。「どうしても気になる時に綿棒浣腸してみたら?」ともおっしゃっていただきました。

その後も生後2〜3ヵ月くらいは1〜2日出ない時は当たり前、3日出ない時はさすがに心配になり、綿棒浣腸を何度か試しましたが、出る時は出るし、出ない時は出ないといった具合でした。どうやら百発百中ではないようです。

そして、離乳食が始まってからはほぼ毎日快腸で次第に心配することはなくなっていったのでした。

オムツ替えもチームワークで乗り越えます(野田)。オムツ替えもチームワークで乗り越えます(野田)。

子どもと向き合うと私たちが考えにも及ばなかったこと、当たり前だと思っていたことが実はそうではなかった、ということにいつも気付かされますね。当たり前のことが当たり前にできるありがたみ。うんちでそれを感じることができるとは思いもしませんでした。

齋藤州一・野田映美

PROFILE

齋藤州一・野田映美このライターの記事一覧

齋藤州一
1980年生まれ。宮城県出身。出版社のインハウスデザイナーを経て独立。書籍のデザインやイラストレーションなどを幅広く手がける。
http://sososographics.jp

野田映美
1982年生まれ。多摩美術大学美術学部生産デザイン学科テキスタイル専攻卒業。雑誌、ウェブなど各方面でイラスト、挿絵、イラストコラムを手がける。
http://nodakimi.main.jp

(制作 * エチカ)

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