先輩パパとママの毎日コラムvol.453

愛するプニプニ「計画無痛分娩レポ 〜いよいよ初めての無痛分娩〜」

2021/12/21
愛するプニプニ「計画無痛分娩レポ 〜いよいよ初めて... 愛するプニプニ「計画無痛分娩レポ 〜いよいよ初めて...

イラストレーターかみやかやこさんの子育てダイアリー。初めてのドキドキ計画無痛分娩。出産日が決まり、いよいよ入院することに。まだ軽い前駆陣痛くらいしかないけれど、本当に産まれるのでしょうか??

前日入院の日、娘はやや心細そうに、マタニティタクシーに乗り込む私をパパと見送ってくれた。「ママ、がんばってね」と一番嬉しい応援をもらい、病院に向かった。病院に着いても、個室のため、ほぼずっとテレビ電話で家と繋がっていた。

さて、入院すると、まずバルーン処置から始まった。バルーンが入ると、弱い痛みが始まると説明を受けたが、その通り、痛み始めた。これは夜中に産まれてしまうかも!なんて、気が焦ったが、気づけば夜はぐっすり眠っていた。

翌朝、診察の後、促進剤の投与が始まった。本当に自分の都合のいいように、産まれてくるんだろうか。そりゃ、今日、産めるなら産みたい。促進剤のおかげで、張りはあるものの、痛みはあまりない。足浴したり、カイロで温めてみるが、あまり効果はない。予定ならばあと5時間後には産まれるが、まったく気配はない。そんなこんなで、まもなくお昼だ。焦り始めた私は、ツボ押しと乳首マッサージを頑張る。そうすると、ものの30分でとんでもない痛みに襲われるようになった。

あーー、、これだこれだ、、こりゃ今日産めるぞ、、。なんとしても、今日早めに産みたくて、子宮口がどんどん開くように痛みをひたすら耐える。助産師さんが麻酔を入れられるかチェックしに、部屋に来るまであと15分。それまでに、ばっちり産める状態にしとかねば。私が痛がっているところを娘に見せたくない&ちょうどお昼ごはんの時間、ということもあり、テレビ電話は繋げておらず、孤独な闘いだった。夫がそばにいない陣痛耐えは心細かった。

そして、ついに助産師さんと先生がやってきた。うん、7cm。分娩台で麻酔入れましょう!と神の声がした。

早く麻酔入れて欲しくて、いろいろ準備する助産師さんより先に、1人で点滴台に寄りかかりながら、分娩台にヨタヨタと歩く。この時が一番辛かった。無痛分娩を痛みゼロと思うのは、大誤解だ。ちなみに、うちの父は麻酔で寝ている間に産まれると思っていたらしい(こういう人は結構いる)。ある程度、子宮口が開くまでは、やっぱり耐え忍ぶものなのだ。

麻酔の素晴らしいこと。

そして、麻酔の素晴らしいこと。体感だと打った5秒後くらいなんじゃないか。痛くも何ともない。楽。楽。楽!!

分娩室も平和だった。助産師さんと子どもの話をしたり、最近のおもちゃ情報を交換しあったり。娘の出産の時の分娩室は、緊迫感がすごかったから、こんなに平和な出産ってあるんだなぁ。と静かに感動した、と同時に、産んだ時は感動できるかしら、と疑問が出るくらい落ち着いていた。分娩台の上にて、BGMが聴こえるなんてあるんだな。

「もうこのまま、ストーンと産まれると思うので、赤ちゃんが出てくるまで、ご家族とテレビ電話してリラックスしてくださいね〜」と助産師さんに言われたので、まず母と姉にテレビ電話し状況報告し、そのあとは夫にテレビ電話し、自宅とずっと繋げていた。このご時世なので、娘と夫はお見舞い・立ち会いはNGだった。けれど、テレビ電話での出産立ち会いはOKだったので、携帯電話を分娩台に三脚で括り付け、出産するのだ。自宅のリビングで「赤ちゃんまだー?まだー?」と遊んでいる娘と夫を分娩台から眺めていた。なんだか、家で産むような感覚だった。

ちょっと時間がかかってきたので、助産師さんが赤ちゃんの体勢を見てくれた。「赤ちゃんが横の体勢で、臍の緒が巻きついてるかもなので、お母さんうつ伏せになりましょう。」と提案され、ビーズクッションを抱きかかえ、うつ伏せになり、そして腰をふりふりした。

助産師さんの的確な指示により、みるみる赤ちゃんが下に降りてきたので、いよいよ出産することになった。それまで、先生と助産師さんの二人体制で対応してくれていたが、ワラワラと助産師さんが沢山きて、分娩準備を始めた。テレビ電話で繋がっている生活感あふれる我が家のリビングを皆さんに見られてしまい、お恥ずかしかった。

そして、ついに。どぅるん。と生暖かい感覚。その瞬間、聞こえる赤ちゃんの声。しっかり感動できた。涙もほろり。やはり十月十日、おなかの中で守り続けて、やっと会えた赤ちゃん。母性が突然溢れ出す。分娩後、助産師さんの粋な計らいで、臍の緒を自分で切ることができた。テレビ電話立ち会いした夫と娘にも、自宅でしっかり見届けてもらえてよかった。夫も実感が湧いたらしい。

眠る赤ちゃんを穏やかな気持ちで眺める幸せ

産後はすぐに落ち着き、赤ちゃんの様子を見ることができて、体力も有り余っている。会陰部分もあまり痛くない。麻酔のために、昨晩から何も食べていなかったので、おなかがペコペコだった。和室個室にてあぐらをかいて座れるほど元気だ。出産したその日に、あぐらをかけるだなんて!初産で、ひどい下半身の痛さを思うと、とても考えられない体勢だ。

結論、計画無痛分娩は私にはとても良かった。出産時には、産む喜びをじっくりと味わえて、産後は自分の体のケアだけで手一杯にならず、尊い新生児との時間を、存分に味わうことができた。すやすや眠る赤ちゃんを穏やかな気持ちで眺める幸せは何事にも変えられないのだ。

かみやかやこ

PROFILE

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多摩美術大学グラフィックデザイン学科卒業。デザイナーを経て、イラストレーターとして独立。2018年に女の子、2021年に男の子を出産。愛情たっぷり注ぎながら、子育てを楽しんでいる。好きなものは、海、コーヒー、いい香り、植物、ドラマ、美容情報、美味しい食べ物、アイドル。
http://kamiyakayako.com/
https://www.instagram.com/kamiyakayako/

(制作 * エチカ)

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