先輩パパとママの毎日コラムvol.486

火山のふもとで深呼吸「育児の悩みとのつき合いかた」

2022/5/16
火山のふもとで深呼吸「育児の悩みとのつき合いかた」 火山のふもとで深呼吸「育児の悩みとのつき合いかた」

浅間山の裾野に家族5人で暮らすピラティスインストラクター前村詩織さん。繰り返す熱、なかなか治らない乳児湿疹。育児で尽きない悩みとどうつき合っているか、というお話です。

11年前に長男が生まれ、よーい、ドン!初めての子育てが始まりました。同年代の友人たちの中では比較的早く子どもを産んだほうで、周りにも赤ちゃんがいなかったため、抱っこもオムツ替えも授乳も、何もかもが初めての経験でした。

保育園に通い始めた息子は、週の後半になると毎週熱を出しました。毎週木曜日か金曜日になると仕事中に保育園から電話がかかってきて、「お母さん、●●くんお熱出てます。お迎えに来られますか?」。急いでお迎えに行くと冷却用のシートをおでこに貼ってポーっとした息子が先生に抱っこされています。そこから小児科経由で帰り、週末をのんびり過ごすとまた元気になって月曜に登園する・・・というのを何度繰り返したことでしょう。夜中に熱性けいれんを起こして救急で病院に運ばれたこともありました。あんまり律儀に毎週毎週熱を出すので、保育園の先生に大きな病院で検査したほうがいいと言われ、検査をしましたが、どこにも悪いところはなかったのです。

(左)熱性けいれんを起こして病院で点滴を打っている息子。(右)熱で保育園に行けないときはバアバに子守をお願いしました。(左)熱性けいれんを起こして病院で点滴を打っている息子。(右)熱で保育園に行けないときはバアバに子守をお願いしました。

こんな調子で3〜4ヵ月が過ぎ、有休が底をつきそうになった頃、息子も身体が強くなってきたのか、ようやく熱を出さずに1週間を終えられるようになりました。小学5年生になった今では、1年の半分はノースリーブで過ごし、ほとんど風邪もひかない健康優良児です。

過ぎてしまえば思い出話ですが、当時は必死。熱で保育園に行けない息子を預かってもらうためバアバに来てもらう手筈を整えたら、朝早く起きてお昼ご飯やおやつの準備をして会社に向かい、仕事を終えて急いで帰宅して夕飯を作り・・・と、これを書いているだけであの頃を思い出して胃がキリキリと痛みます。

必死といえば、長男が赤ちゃんのときには乳児湿疹にも悩まされました。生後3ヵ月くらいから顔や全身にベタベタが広がり、痒がって泣くのをどうにかしてあげたい一心で、軟膏を塗ったり、私が漢方を飲んでみたり、甘いものを制限してみたり。何をしてもあまり良くならず毎日心配だったのですが、これも時間が解決してくれました。生後10ヵ月を過ぎたあたりからウソのようにきれいになりました。

繰り返す熱も、乳児湿疹も、あんなに悩んだけれど、我が家の場合は時間とともに落ち着いていきました。もちろん重篤な病気ではないことが前提ですが、成長にしたがい、来るときが来れば良くなっていきました。

病気に限らず、子どもが成長する過程で何かトラブルや意に反することが起きたとき、親としてはついつい原因と解決方法を明らかにしようと躍起になって、解決策を施したら、すぐに成果を見たいと思ってしまいます。でも、必ずしも因果関係が明確なものばかりではないし、ただ成長の段階で今はそのときではないということもあったんだなあと思います。

今では妹の蕗ちゃんの面倒をよく見てくれる頼れる息子です。今では妹の蕗ちゃんの面倒をよく見てくれる頼れる息子です。

新生児の頃も、毎日あまりにつぶさに赤ちゃんを見ているので、些細なことでも「これ大丈夫なのかな?」と不安になったものでした。おっぱいを飲むとき苦しげな声を出す。ゲップとともに毎回ミルクをもどす。鼻の頭の毛穴が目立つ。

そんな小さな心配ごとも、いつのまにか気にならなくなって忘れてしまうほど、息子の成長は早いものでした。

子どもを信じて待つ。これが簡単なようでなかなか難しい。今でも「人事を尽くして天命を待つ」の言葉を自分に言い聞かせています。

前村詩織

PROFILE

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ピラティスインストラクター。日本で十数名しか保有していないオーストラリアのピラティス国家資格を取得し、ASICS Sports Complex TOKYO BAYなどでクラスを受け持つ。2020年長野に拠点を移し、フリーのインストラクターとして働きながら一男二女の子育て中。
https://www.instagram.com/shiorilates/

(制作 * エチカ)

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