子育てエール!専門家による、ママパパ応援コラムvol.130

離乳食を開始したら、飲み方も練習を始める?コツやタイミングは?【助産師がアドバイス】

2022/5/12
離乳食を開始したら、飲み方も練習を始める?コツやタ... 離乳食を開始したら、飲み方も練習を始める?コツやタ...

母乳・ミルク以外の水分をとるために、飲み方の練習が必要って知っていましたか? いつから練習をスタートすればいいのか、飲み方の練習のコツなどを一児のママであり、「助産師サロン」を運営する助産師の高杉絵理さんに教えてもらいました。

母乳や哺乳瓶と、コップやストローで飲む口の動きは違う?

飲み物を飲んでいる親子

赤ちゃんはおっぱいや哺乳びんで母乳・ミルクを飲むことに慣れているので、コップやストローで飲むことも簡単にできると思うかもしれませんが、実は口の動きが違うため、練習が必要です。

おっぱいを飲むとき、哺乳びんで飲むときは、舌が巻き付くように乳首を包み、ぜん動様運動と呼ばれる、舌を前後に動かしながら飲み込む動きで、舌は歯茎よりも前に出て乳首を舌の上に乗せて飲んでいます。舌の位置は上あごから離れ下の位置にあります。

コップで飲むとき、離乳食を食べるときは、唇で飲み物・食べ物を感知して口の中に取り込み、唇を閉じて飲み込みます。唇を閉じて、舌が上あごについていることが、おっぱい・哺乳びんで飲む場合との大きな違いです。ストローで飲むときは、「吸うと出る」という感覚がつかめれば飲めるようになりますが、その感覚をつかむまでには個人差があります。

いつから何をどのぐらい飲ませたらいいの?

離乳食を食べている赤ちゃん

離乳食を始める5~6ヵ月ごろのタイミングで、母乳・ミルク以外の飲み物を飲む練習をスタートしましょう。飲ませるものは、ベビー用麦茶か湯冷まし(水を1度沸騰させて人肌くらいまで冷ましたもの)が基本です。

5~6ヵ月ごろは…

飲む練習を始めるころなので、離乳食を食べさせるタイミングで、ベビー用スプーンでスープや麦茶や湯冷ましなどを口に入れてみましょう。この時期は、スプーンを使って口に飲み物を入れることが目標でOKです。顎がまだ上下運動する時期なので、口に入れた飲み物がこぼれてしまうこともありますが、次第に上手に飲み込めるようになります。まずはスプーンを使って飲むことができるように練習をしましょう。

7~8ヵ月以降の練習のポイント

離乳食が2回食になってきたころがステップアップの目安です。徐々に飲む動きが上手になってくるので(舌が上あごにつくような動き)、コップで飲む練習を始めるといいでしょう。コップで飲むことに慣れてきたら、ストローで飲むことにチャレンジしても。徐々に運動量が増え活発になってきますから、起きた後、離乳食時、おでかけ時・帰宅後、おふろ上がり、就寝時などのタイミングで水分補給することを意識していきましょう。

1日に必要な水分量ってどのくらい?

離乳食の食事の中にも水分は含まれているので、必要水分量は厳密でなくても構いませんが、乳児(生後1才未満)が必要とする水分は、1日のトータルで体重1kgあたり約125~150mlといわれています。例えば体重が6kgなら、6x125~150=750~900mlが必要な水分量です。この水分量は、母乳やミルク、食事から得られる水分などをすべて含めた量です。

ただし、夏場の汗をかきやすいときや冬場でも乾燥した室内、胃腸炎等にかかったときなど、脱水症状が出やすい状況はこの限りではなく、十分な水分に加え塩分の補給も必要になります。その場合はこまめな水分摂取(授乳でもOK)を心がけるといいでしょう。

コップで飲む場合・ストローで飲む場合の練習のコツ

一人で飲み物を飲んでいる赤ちゃん

コップで飲む場合の練習のコツ

スプーンで水分を口に入れることに慣れてきて、離乳食が2回食になってきたら、コップで飲む練習から始めましょう。コップは、赤ちゃんが持ちやすく、落としてしまっても安全なものを選び、はじめのうちは、親がコップに手を添えてサポートします。飲み口の小さなもの(おちょこなど)から練習すると、赤ちゃんの口のサイズと合致するため、効率的に練習できると言われています。おちょこは少量しか入らないので飲み物をこぼしても汚れる範囲が少なくてママ・パパも助かりますね。

大人が飲む姿を赤ちゃんに見せるということも大切です。コップを傾けるなど、正しい見本を見せ、まねることでできるようになります。わが子の場合は、おふろでカップのおもちゃ(子どもの手に持ちやすいサイズ)でお湯を口に運びながらいつのまにか覚えていました(笑)。遊びの中でやりたい気持ちから進めるというのも効果的かもしれません。

コップで飲むことができるようになっても、1才を過ぎてもこぼすことが普通です。こぼさずに飲めるようになるのはまだまだ先ですから、長い目で見守ってあげましょう。

ストローで飲む場合の練習のコツ

ストローが付いている紙パックの飲み物、ストロー付きのマグなどで練習してみましょう。いきなりストローが難しい場合、ストローより飲み方を練習しやすいスパウトタイプでもよいかもしれません。吸うと出るという感覚をつかむまでは、ストローを噛んでしまう、うまく吸えないこともあります。

ストローマグを遊んでいる近くに置いて、遊んでいるうちに飲めるようになることも多いので、試してみてくださいね。また、ストローの硬さも関係あるかもしれません。柔らかいもので上手くいかないときは、硬いものに変えると上手くいくこともあります。

まとめ

コップやストローで飲めるようになると、赤ちゃんとの外出が随分ラクになります。とくに蓋つきの市販のマグならこぼす心配もありませんので、じょうずに活用するといいですね。ただ、飲めるようになるまでは親としてはヤキモキすることもあるかもしれません。「飲む、食べる」ということは後天的に練習することで獲得していくので、これもわが子の成長過程の一つと思って、ゆっくり見守っていけるといいですね。急に飲めるようになった! となるので楽しみにしていてくださいね。

高杉絵理

PROFILE

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看護師、助産師、保健師の資格を取得。総合周産期母子医療センターの産科やNICU、産科クリニックで経験を積む。現在は世田谷区の保健センターで妊婦さんやママたちの相談業務に携わる。助産師にオンラインで相談できる「助産師サロン」も運営。自身も1児の母として育児に奮闘中。 オンライン助産師サービス「助産師サロン」

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