フォトグラファーとして活動する山神千里さんのマタニティー日記。1回目は、妊娠判明で、生活がガラリと一変!のお話です。
わたしたち夫婦は結婚10年目で子どもを授かりました。ある日、熱っぽくてなんとなく体調がすぐれないという違和感があったんです。そこで一応、市販の妊娠検査薬を試してみることに。でも、それまでは一度も妊娠反応が出たことがなかったので、「どうせダメだろう」「もうできるだけがっかりしたくない」という気持ちで、検査薬の反応が出る前に、夫に投げ渡したのを覚えています。
さらに、当時はコロナ禍の真っ只中!妊娠しているかもしれないという期待感よりも、コロナにかかってしまったら困るなぁ、という気持ちのほうが大きかったんです。
夫に検査薬を渡して数分後。まさかの陽性反応が!「大変だ!すごいよ!すごいよ!」喜ぶ夫に対して、わたしは実感を持つことができず、嬉しいような半信半疑の気持ちでした。
妊娠5週目、クリニックで血液検査をしてもらって妊娠の陽性判定をしてもらっても、これまで一筋縄ではいかなかった経緯もあったので、このまま妊娠を継続することができないことだってあるだろうと、喜びより不安のほうがまだまだ大きかったです。今振り返ってみると、どれだけ心配性なんだって思います(笑)。
なかなか我が家には赤ちゃんが来なかったので、心配性すぎるわたしに対して、夫は「いつかは赤ちゃんが来てくれるよ〜」と思っていたようで、「この子はちゃんと大きく育ってくれるだろうな」と、わりとゆったり構えてくれていたのがありがたかったです。
血液検査では、妊娠初期に見られるホルモンを数値化したhCGで妊娠判定をするのですが、担当の医師から、「この時点でこの数値なら、元気な1人か、2人という可能性もありますよ!」と言われて、一気に2人!?家族が倍に増えるってこと!?それも賑やかで楽しそう!! …でも生活とか家とかどうしよう…と、ドキドキしたことがとても印象に残っています。
6週目では、胎嚢がひとつ、心拍がひとつ、元気にピコピコと動いているのを確認することができました。映像越しの小さな命を見て、可愛い!!生きてる!!頑張ってる!!と、感動。
ここで “2人”ではなく、“元気な1人”であることが判明したわけですが、元気が良すぎる息子を見ながら、今では「1人でよかったよね。息子、空気読んでくれたなあ!」と、夫婦で笑って話しています。
それと同時期に、この頃からつわりらしき症状が出てきました。
毎日なんとなく微熱があって、食べたいものに偏りが出てきました。ありきたりですが、本当に酸味のあるフルーツが食べたくなるんだなと!そしてなぜか崎陽軒のシウマイ弁当がむしょうに食べたくなって、夫に買ってきてもらったりしていました。お弁当の濃いめの味付けと、冷たくてももちもちと美味しいお米が、食べやすかったような気がします。
わたしはフォトグラファーとして仕事をしているのですが、この時期はまだ撮影が入っていて、宿泊の出張もしていました。しかし、微熱と吐き気と嘔吐は、日に日にひどくなっていって。
まずは予定されてる仕事の調整、報告のタイミング、いつまで仕事を続けるのかが当時の悩みでした。移動が多かったり、重たい機材を持って(場合によっては走り回ったり!笑)もするので、同じフォトグラファーの先輩にも相談しました。
それでも、おなかの子には母が写真を撮って人に喜んでもらえたり、楽しく仕事しているということを知ってほしいと思ったので、もしかすると一時的にはお仕事を減らさないといけないかもしれないけど、なんとか仕事は続けたいと思いながら、悩ましい日々を過ごしていました。
PROFILE
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1985年埼玉県所沢市生まれ。活発で男の子のような幼少期を過ごす。高校生まではスポーツ少女だった一方でものつくりが好きだった母の影響から、絵画や造形、映画に興味を持つようになる。大学は日本大学芸術学部写真学科に進学。卒業後、広告代理店制作部勤務。フォトグラファーを志し、広告フォトグラファーアシスタントを経験。2013年からの2年間はバンコクを拠点とし活動。2015年からは東京を拠点とし、人物写真、料理写真、ウェディングフォト、ファミリーポートレートなど女性らしいあたたかみのある写真を得意として幅広く活動中。
https://www.chisatoyamagami.com/
(制作 * エチカ)