先輩パパとママの毎日コラムvol.142

子育てを、ちょっと素敵にする工夫「息子と私が卒乳という試練を乗り越えた話」後編

2018/3/9
子育てを、ちょっと素敵にする工夫「息子と私が卒乳と... 子育てを、ちょっと素敵にする工夫「息子と私が卒乳と...

アメリカ・オレゴン州にあるアシュランドという芸術活動が盛んな美しい都市で暮らすセキアキコさんのアメリカでの子育てエピソード。

(前編のつづき)むし歯を発見したことからパニックになり、その日の夜から突然始めてしまった断乳は、まさに試練の連続でした。

断乳初日の夜、最後の授乳をして、さあ寝かしつけです!もちろん息子は「ぱいぱい!ぱいぱい!」と号泣……。私も泣きながら息子を抱っこしてあやしましたが、全然泣き止んでくれません。そしてとうとう私だけではどうしようもなくなってしまい、パパに息子を託しました。リビングの椅子に座って、寝室から響いてくる息子の絶望的な泣き声を聞いている間、つらかった。断乳なんて中止したい……と思いました。ところが、20分くらいすると泣き声が止んだのです。なんと、パパの寝かしつけ成功!夜中にも2度起きて泣きましたが、そんなに時間もかからず寝てくれました。

断乳2日目もパパが寝かしつけをしてくれて、夜中に1度起きたけれどそれからは朝までぐっすり寝てくれました。そして3日目は私が寝かしつける事が出来ました。しかも1度も「ぱいぱい!」と言わずに。嬉しいやら寂しいやら。母親の仕事って、こうやって少しずつ減っていくのね、なんて哀愁に浸っていました。でもそれは、これから始まる長い戦いの序章にすぎませんでした。

断乳4日目からが、本当の試練の始まりでした。なぜならこの日夫が1ヵ月半の短期留学へ旅立ち、パパ不在の育児が始まったからです。

実はそれも突然の断乳を決意した理由のひとつでした。むし歯の状態から、添い寝添い乳を夫が帰国するまで続けるのは良くない。かといって、夫が不在の時に私ひとりで断乳を始めるのは不安。なので、最初の3日だけでも夫がいてくれる今始めるのがベストなのでは、と考えた結果断乳に踏み切ったのです。

でもこの考えが甘かった。3日で断乳が完了するなんてことはないと、わかっていたつもりだけど、どこか断乳をなめてました。

パパ不在での夜の寝かしつけは本当に大変でした。一番つらかったのは、私が「もう限界!」となってもバトンタッチする人がいないこと。10分でも、5分でも、泣き止まない息子を誰かに託す事ができたら、どれだけ救われるか……。パパがいる時に断乳すればよかったと毎晩後悔していました。

ある夜は、眠そうな雰囲気だったので「今だ!」と寝室で寝かしつけを始めるも、また大泣き……でも少しすると息子がキッチンを指差して泣いていることに気がつきました。もしかして、と夕ご飯の残りとアボカドをあげたらペロリと完食。そういえばこの日、夕ご飯がいつもより進んでいなかったんです。授乳していた頃は、食事量が少し少なくてもおっぱいで補えていた部分がありました。でも断乳したらそうはいかないということを身を以て実感しました。

またある日は、一日中ぐずりっぱなしで、いやだ!ちがう!のオンパレード。今までなら抱っこしておっぱいをあげればすぐに落ち着いてくれていたことばかりなのに……。

綺麗な夕日卒乳中になかなか寝てくれない息子を抱っこして散歩していた時に苦しい気持ちを癒してくれた綺麗な夕日

でも、つらいことばかりだったわけではありません。

断乳4日目、寝かしつけは大変だったけれど、一度眠ってくれたらそれから朝の7時までぐっすり寝てくれたんです!私にとって、息子が産まれてから夜通し眠れた初めての夜でした。次の日には、初めて絵本で寝てくれました。そうやって、少しずつ少しずつ、時には戻ったりしながら卒乳の道を進み、「卒乳完了したかな」という所まで辿り着くのに4週間くらいかかりました。

今になってその4週間を振り返ると、母親として情けないやら申し訳ないやら悔しいやら……。子育て中の失敗で、後々笑い話になったこともあるけど、卒乳のことはもしかしたら苦い思い出としてずっと心に残るのかもしれません。

だけど、息子が頑張っておっぱいを卒業してくれたのはやっぱりすごいことだし、私もこの経験からたくさん学びました。だから失敗も後悔も息子の頑張りも全部、次の試練を乗り越える力になってくれるはず。いや、してみせます。

セキアキコ

PROFILE

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アメリカ・オレゴン州で出産と子育てをスタート。現在はメイン州在住。サンフランシスコで写真を学んだ後、スタジオアシスタント、ブライダルカメラマンとして働く。
http://ameblo.jp/aco-84/

(制作 * エチカ)

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