先輩パパとママの毎日コラムvol.334

子育てを、ちょっと素敵にする工夫「赤ちゃんと見つける特別な場所」

2020/6/4
子育てを、ちょっと素敵にする工夫「赤ちゃんと見つけ... 子育てを、ちょっと素敵にする工夫「赤ちゃんと見つけ...

アメリカ・オレゴン州にあるアシュランドという芸術活動が盛んな美しい都市で暮らすセキアキコさんのアメリカでの子育てエピソード。今回のテーマは「赤ちゃんと見つける特別な場所」です。

妊娠・出産というのは、私の生活に大きな変化をもたらしました。それはなにも身体的な変化だけじゃなくて、自分を取り巻く世界がガラリと変わっていくような…(なんて言ったらちょっと大袈裟だけど、実は大袈裟でもないのです)。

私は妊娠する前からそれほど行動的なタイプではなかったけど、いつもアクティブに動き回っていてお気に入りの場所もいっぱいあって遠出も大好き!というタイプだったとしたら、妊娠・出産というのが船についた碇みたいに感じてしまっていたかもしれません。

でも私が経験して思ったのは、必ずしもそうでもない。船がちょっと赤ちゃん仕様になって、ゆっくりになったり行き先が変わったり時には止まってしまう時もあるけれど、また必ず動き出す。そんな感じ。

そこで今回は、私が「赤ちゃんと一緒に」見つけた特別な場所のお話をします。

里帰りした時は必ずお邪魔するパン屋さん。この出会いも妊娠があったから。里帰りした時は必ずお邪魔するパン屋さん。この出会いも妊娠があったから。

妊娠してしばらく経った頃のことです。産婦人科に向かう途中、小さなパン屋さんを見つけました。ちょうどおなかが空いていたので入ってみました。パンが並ぶショーケースの後ろにはニコニコしたおかあさんがいました。すると店の奥からもっとニコニコしたおとうさんがひょいっと顔を出して「いらっしゃいませ」と言いました。私はパンとコーヒーを頼んで、窓辺の椅子に座りました。私の次に入ってきたスーツを着た会社員さんが「ミックスサンドイッチと、スリールちゃん(れっきとしたパンの名前です。ちなみにチョコクリームパンです。)と、きんぴらごぼうで」と注文するのを眺めていたら、淹れたてのコーヒーとほかほかのパンが運ばれてきました。パンをひと口食べた瞬間、幸せの味が!エスプレッソマシンで淹れたコーヒーはもう絶品!この時から、この小さなパン屋さんは私にとって特別な場所になりました。妊娠していなかったら、たぶん見つけられなかったパン屋さん。赤ちゃんができて生活が変わって行動範囲も変わる。今まで行けてたお店に行きにくくなってしまうこともある。でもそりゃそうだって話だけど、変わるってことは、新しい場所も見つかるってことなんです。

公園

見つけるのは新しい場所だけとは限らない。実家に里帰り中、子どもの頃よく遊んでいた群馬の森という大きな公園に行った時のこと。園内にある美術館に十数年振りに入ってみると、平日の昼間だからかお客さんはほとんどいなくてほぼ貸切状態。小さい子ども連れでもゆっくり美術鑑賞できるなんて思ってもみなかったから、本当に癒されました。

週末は賑わう美術館も、平日の昼間は意外な穴場スポットになることも。週末は賑わう美術館も、平日の昼間は意外な穴場スポットになることも。

それだけじゃありません。息子を連れて実家の近くを散歩していると、これまた楽しい。自分が子どもの頃歩いた小学校までの道のりを息子と一緒に歩いていたら、25年前から変わらない懐かしい景色が見えてきました。実家から目と鼻の先にある公民館で息子と遊んでいると近所のおばあちゃんが「あらアッコちゃん、久しぶり。帰ってきてたの?」と声をかけてくれたり、子どもの頃よく行っていた駄菓子屋さんに「これからは息子と一緒にお世話になります」と挨拶に行ったり。今度は息子がこの場所で思い出を作っていくのかな?と思うと、ここもまた特別な場所になる。

私が子どもの頃からある、大小ふたつの滑り台。私が子どもの頃からある、大小ふたつの滑り台。久しぶりに滑ったら、思ってたより高かった。

これはまだほんの一部で、妊娠・出産を通して本当に色々な新しい発見や懐かしい再発見がありました。そしてそれを見つけた時はいつだって、赤ちゃんと一緒だったんです。

セキアキコ

PROFILE

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アメリカ・オレゴン州で出産と子育てをスタート。現在はメイン州在住。サンフランシスコで写真を学んだ後、スタジオアシスタント、ブライダルカメラマンとして働く。
http://ameblo.jp/aco-84/

(制作 * エチカ)

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