先輩パパとママの毎日コラムvol.496

まだまだ新米おかあさん「桃の花咲く、ひなまつり」

2022/6/20
まだまだ新米おかあさん「桃の花咲く、ひなまつり」 まだまだ新米おかあさん「桃の花咲く、ひなまつり」

赤ちゃんが生まれたら毎年の節句をどう楽しむのでしょう。ライターの藤沢あかりさんの「ひなまつり」の過ごし方です。

親子で楽しみにしている年中行事はいろいろありますが、わたしがハロウィンやクリスマスより待ち遠しいのはひな祭りです。

ひとり目が女の子だったということもあり、思い入れもひとしおでした。

これは初節句のとき。まだ娘は8ヵ月で、大人だけで食べました。これは初節句のとき。まだ娘は8ヵ月で、大人だけで食べました。

わが家のひな祭りに欠かせないのが、桃カステラという長崎の郷土菓子。砂糖細工をまとったカステラで、その名の通り桃のかたちをしています。とてもかわいらしく、華やかな縁起もののお菓子です。

初節句のとき、長崎出身の友人が送ってくれたことをきっかけに、毎年注文するようになりました。ひし形のケーキもかわいいですが、この時期だけの桃カステラが並ぶ食卓の様子も気に入っています。

同じ桃カステラでも、店ごとに味も形もさまざま。同じ桃カステラでも、店ごとに味も形もさまざま。

桃カステラと並んで、ひな祭りの食卓の定番となっているのがコーンシュウマイです。おそらく、2年目くらいだったでしょうか。娘も一緒に食べられるメニューで、桃カステラのピンク色や、菜の花の緑色に合うメニューを、と思ってたまたま作ったのが、コーンをまとわせたシュウマイでした。

毎年、「去年はなにを作ったんだっけ?」と写真を遡って準備をするため、いつしかこれも定番メニューとなりました。

ひな祭りのお料理
生ものを一緒に食べられるようになったころからは、手巻き寿司にすることも増えました。生ものを一緒に食べられるようになったころからは、手巻き寿司にすることも増えました。

そしてひな祭りといえば、なくてはならないのがひな人形です。ひな人形を飾るのは、立春を過ぎたころが良いと言われています。暦の上では春ですが、まだまだ本格的な寒さはこれからだというこの時期。あでやかな着物やお道具が並ぶ様子は、冷たい空気をほんの少しあたためてくれる存在です。

ひな人形の選び方については、地域や家庭ごとに習わしがあるようです。加えて住宅事情や予算もありますから、わたしもずいぶんと悩みました。

うちではわたしが中心となり、夫と一緒に選びました。しかし初節句のときは選びきれず、翌年、気になったものを見つけたときには完売。結局、ひな人形がやってきたのは、3年目のひな祭りだったと記憶しています。

選んだのは、奈良の一刀彫りのひな人形。カウンターの上にも飾れる、小さなサイズです。

屏風や段飾りもすべて、下の箱に収められるのがありがたいです。屏風や段飾りもすべて、下の箱に収められるのがありがたいです。

狭いスペースでも、段飾りの華やかさを楽しめそうだったこと。加えて、わたしは子どもが巣立ったあとも、自分が楽しんで飾れるものにしました。もちろん、娘のためにと選びましたし、好んで持っていってくれるぶんには大歓迎。そうしてくれたらうれしいと思います。でも、必ずしも彼女が引き継ぐ必要はないですし、ましてや、娘が女の子を産んだとしても、これを飾るかどうかはまた別の話です。

まだ本格的なひな人形がなかったころに飾っていたのは、ぬいぐるみのひな人形です。木版による手染めで、和やかな雰囲気が気に入っています。(写真奥に写っているのがそれです)まだ本格的なひな人形がなかったころに飾っていたのは、ぬいぐるみのひな人形です。木版による手染めで、和やかな雰囲気が気に入っています。(写真奥に写っているのがそれです)

というわけで、夫婦2人になっても気負いなく飾れるもの、そして経年変化が「古さ」ではなく「味わい」になるものがいいなと思って選んだ結果、木製のひな人形になりました。

そうはいっても、祖母の時代から受け継いだ、という歴史を感じるひな人形にも憧れます。いつかそうなってくれたらいいなと淡い思いを抱きつつも、あまり期待はせず、まずは自分が気にいるものを選ぶというのもこれからの選択肢のひとつかな、と感じたりもしています。

桃カステラとコーンシュウマイ、そして木彫りのおひなさま。毎年代わり映えのないわが家のひな祭りを、これからも同じように続けていくつもりです。お決まりの安心感が、イベントごとが得意でないわたしを支えてくれますし、子どもたちにとっても、このピンクと黄色の食卓の風景が、桃の季節の記憶と結びついてくれたらうれしいです。そしてなにより、同じことを毎年繰り返せる、当たり前の喜びを味わっていけたらと思います。

藤沢あかり

PROFILE

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編集者、ライター。衣食住や子育てなど暮らしまわりを中心に執筆。主流・傍流にこだわらない視点で丁寧に取材し、分かりやすい言葉を使って伝えることがモットー。2012年、2017年、どちらも夏生まれの2児の母。
https://www.instagram.com/akari_kd/

(制作 * エチカ)

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