二人の男の子のママであり、写真家として活動する原 未来さんの、子育ての楽しい思い出。今回は「出産」がテーマです。
人生初めての出産!
もうワクワク感なんてよりも未知数すぎて恐怖でしかありません。本で予習すればするほど、不安とドキドキは募り、眠れない夜が続きました。
年末に切迫早産の絶対安静が担当の先生から解かれ、赤ちゃんが産まれてからしばらくは自分のことをする時間がとれないと聞いていたので、お正月は母とランチやショッピングなどを楽しんでいました。
予定日はまだまだ先だからと、気にはしていたけれど先延ばしにしていました。
赤ちゃんを迎える準備でまだ用意していなかった最後の品を無事に購入して帰った翌日の1月8日。
寝起きになんだかヘン!破水かも!とドキドキしながら病院に電話をしました。
初めての私は、本で予習していた通り、このまますぐに陣痛が始まって、出産になるんだーと慌てていたのですが、病院からの返答はなんと「食べたいものなど召し上がって、ゆっくり来てくださいねー」という悠長なものでした。
ビックリ拍子抜けしながらも、食べたいものを食べて、ゆっくりお茶をしてから歩いて病院へ向かいました(イメージでは痛くて歩けなくて動けなくて苦しみながら車で連れて行かれるというものだったのですが)。
病院に着いてからも痛みはなく、年末に撮影した雑誌がポストに届いていたので、それを読みながら看護師さんと楽しく談笑し、それでも出産の兆候がないのでようやく陣痛促進剤というものを打ってもらいました。
間もなくして多少の痛みがあり分娩台へスタスタと移動して、さほど痛みに苦しむこともなく30分でスルッと健康な赤ちゃんが誕生しました。
本当に想像とは全くと言っていいほど違う出産に驚きました。
その後も産院でのお祝い膳で赤ワインが出たり(ずっと飲みたかったので嬉しかったけれど、赤ちゃんにアルコールはダメなはずと思い込み飲まずに我慢しました)、産後しばらくは赤ちゃんを預かってくれたりと拍子抜けするくらいラクなお産でした。
この5年後に次男を同じ産院で出産したのですが、次男の時は本当に本当に大変で……
ちゃんとおなかにいるのか不安になるくらい蹴ったりせず、胎動をあまり感じられなかった長男と違い、次男はおなかにいた時からすごく主張のある子で、生まれてきてからの気の強さを見ると「あぁなるほど!」と感じます(笑)。
出産も相当な痛みと苦しみでした(しかもその日は満月で、小さな産院に出産する妊婦さんが私を含め5人駆け込み、先生不在の中、ひとりの助産師さんで5人の面倒を見るというような状況でした)。
個室でひとり、押し寄せてくる陣痛で、おなかと腰の痛みに必死に耐えるような状況が数時間続きました。1台しかない分娩台がようやく空き、いよいよ私の番となった時にはフラフラになりながらなんとか分娩室まで向かい……私にとってはすっごく大変なお産でした。
お産にかかった時間は3時間くらいだったのですが、長男は分娩台に上がって30分というスピードだったので、次男の時にはこんなにかかるなんてー!と驚きでした。でもそのおかげで、出産を思う存分味わうことができたので良かったです。
一口に “妊娠”“出産”と言っても本当にさまざま。そして全てが本の通りではないのだなあと実感しました。
出産に限らず人生何事も聞くだけではなく体験体感する事が本当に大切で、それによって成長させてもらっているのだなあと思います。
出産のお話はこれでハッピーエンドなのですが、なにが大変ってやはり病院から自宅に帰ってからの赤ちゃんとの生活<実践編>です。
次回は実践編についてまたまた書かせていただこうと思います。
PROFILE
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写真家。2人の男の子のママ。高校卒業後に渡米し、写真家・ホンマタカシ氏のアシスタントを経て独立。
http://miraihara.wixsite.com/work
(制作 * エチカ)