先輩パパとママの毎日コラムvol.177

きみと一緒、あたらしい時間「いろいろと想定外」

2018/7/13
きみと一緒、あたらしい時間「いろいろと想定外」 きみと一緒、あたらしい時間「いろいろと想定外」

料理創作ユニットGomaの中村亮子さんの子育て日記。

いよいよ始まったはじめての子育て。

産前に「赤ちゃんのお世話、ちゃんとできるだろーか?」なんて抱えていた漠然とした不安なんてものは……産まれてみたら消えました。ものの見事に。

なぜかって……まずそんな不安考えるほどの余裕なし。授乳という名のおっぱい問題、あんまり増えない我が子の体重問題、もちろん自分の睡眠不足……。

次から次へとやってくる新しいチャレンジに立ち向かい続け、日が暮れるという日々。とてもじゃないけど考えるなんて時間ありません(考える暇があるなら寝たい)。そう、噂には聞いていましたが子育てとは体力と精神力の大勝負!頭を働かせるとしたらミッションインポッシブルの連続をいかにこなしていくかどうかぐらいなのです。

と言っても、息子は新生児の頃は割合よく眠る赤ちゃんで、夜中も3時間毎に起きるくらい。そこまで死にそうな睡眠不足に陥ることはありませんでした。不思議なことに自分が眠っていても、息子が目を覚ます30秒ぐらい前にパッと目を覚ますことができるのはビックリでした。産後の身体はまだ赤ちゃんと繋がっているのか?それとも赤ちゃんは何か不思議なモールス信号のようなものを発しているのか……??いまだにわかりませんが、その効力は2ヵ月ぐらいは続きました。

寝姿

そして産後の不思議はずっと続きます。なんというか、体は辛いのだけど、心はもう彼のトリコ。何をしていてもかわいいいいい!!のです(笑)。かわいすぎて何も辛いなんて思わないことに自分自身驚きました(←1年以上経った今はちょっと辛いこともありますがそれはまた……)。

泣かれても、ウンチを次から次へとされてオムツを汚されても、おっぱいがうまく吸えなくて浅く噛まれ乳首が傷だらけになったって!!「いいよいいよ」としか思えなかった。噂に聞いていた赤ちゃんと触れ合っていると分泌されるという幸せホルモン「オキシトシン」の仕業か?確かにそれもあるのでしょう。でもね、この小さな生き物がついこの間までおなかの中にいたこと、そして今一生懸命に新しい世界でがんばってくれようとしてくれてることを思ったら………!!ひとつひとつが成長なんだと眩しく感じられ(はじめてのウンチを見て泣きそうになったぐらい)、自分が今までよりちょっとがんばることなんてどーにでもなる!この人生の中のほんのちょっとの時間なんだ!と思えたのです。

正面のお顔

今思うと産後のアドレナリンと、親子3人でしばらく実家に寄せてもらったので身の回りのお世話は母や家族がガッツリとサポートしてくれたお陰ではあるのですが……。でも無理をせず、赤ちゃんとただただずっと一緒にすごしてお世話をすることができたことは、今考えるととても貴重な時間だったと思います。

ちいさな手

そんなこんなで1ヵ月半、すっかりお世話になった実家を後にし、ようやく自分たちの家での暮らしをスタート!少しずつリズムが決まってきた頃、なんと初めて入院をするという大事件が勃発!これには心底ビビりました。

夜中に泣き止まない息子を二人であやし続けるも熱が引かず、朝になって近くの小児科に連れていくと血液検査をするというのです。キランと光る注射針を目の前に母親の私が「ヒイッッ」とビビります。「お母さん、しっかりつかまえて!」と言われて息子の身体をがっしりおさえるも、今まで聞いたことのない泣き声を上げて叫ぶ息子。容赦なく注射針を刺すおじいちゃん先生……そんな光景を見てるだけで涙がポロポロとこぼれてきて辛かった。「代わってあげられるものなら代わってあげたい……」。

あぁ、本当にこんな風に思うんだな、などと思いながら親になった自分がどんなに涙もろいかを知りました(はっきり言って今までの人生で考えたらそういうキャラではない)。

小さなからだにコードやネットが今見てもちょっと切ない。小さなからだにコードやネットが今見てもちょっと切ない。でもすごくがんばってくれた。

結局入院は10日程。大きな病院でしっかり診てもらって無事退院できたのですが、生後2ヵ月の入院は想定外も想定外、本当に予測不可能の出来事でした。6ヵ月までは母親の免疫があるから風邪も引かない、なんて信じてた私はここでも甘かった。まわりに聞いたら意外にも小さな月齢でも病気にかかることは多いらしく、入院したことがあるという知り合いも少なくはなかったのでした。

ほんと、出産自体も奇跡なら、ただ健康に過ごしてくれていることも奇跡。奇跡奇跡の連続だと思うと、当たり前のことがどんなにすばらしいかと身にしみました。入院以来、風邪も引かずに元気に成長してくれている息子。でもいつ何が起こってもおかしくありません。そんな時「何で?」と思わず、ただ自分にできることを全力でやってあげたい。

想定外の大変さもあるけど、想像以上の幸せをいつももらっているのだから。まぁただ実際その時になったら慌てるでしょうけど……。想定外の出来事にも動じない肝っ玉かあちゃんになるのが目下のところの私の夢です。

ママと赤ちゃん
中村亮子

PROFILE

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食や子どもをテーマに料理、雑貨デザインなど幅広く活動している料理創作ユニットGomaを従姉妹のアラキミカと主宰(www.gommette.com)。媒体での作品発表他、ものづくりワークショップ開催なども行う。著書に、絵本へんてこパンやさんシリーズのレシピ本『12つきのおはなし&パンレシピ』(フレーベル館刊)、『かんたん☆かわいい♡だいすきクッキング』(あかね書房刊図書館シリーズ)、レシピ付き絵本『へんてこパンやさん』(フレーベル館刊)など子どもに向けてのものも多数。
instagram.com/ryocogoma

(制作 * エチカ)

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