写真家・大畑陽子さんの二世帯での暮らしについて伺いました。おじいちゃん、おばあちゃんと赤ちゃんとの良い関係とは。
赤ちゃんが来てくれたら、田舎に戻ろうと決めていました。お婿さんになってくれた夫がいて、戻りたい守りたい場所が私にはあって、それでも東京が大好きだったから、なかなか離れられませんでした。
子どもができてもカメラマンという仕事は絶対に続けていきたくて、そんなときに母親が言ってくれた「こっちに来たら子どもの面倒は見るからガンガン仕事しなさいよ」という心強い言葉に背中を押され、私の両親との埼玉での同居生活が始まりました。
ありがたいことに夫はとても寛容な人で、小さいことは気にしないタイプ。私の親にも(そんなに)気を使わないでいてくれます。むしろ東京生まれ東京育ちの夫にとっては憧れの田舎暮らしだったようで、毎日家の畑から直送の季節のお野菜食べ放題の環境に大喜び。
私の父の多彩な工具道具にも興味津々で毎日楽しそうに過ごしてくれています。夫はしばらく東京まで通っていたけど、一年が経ったころ車で通える距離に仕事場を変えました。今までは朝6時半に家を出て、帰ってくるのは夜の11時という環境だったけど、今では6時半には帰ってきてくれるので私もとっても助かっています。夫婦で話す時間も増えました。
やっと昨年の夏に家の大規模リノベーションを終え、移住空間を分けた二世帯同居が始まりました。二世帯住宅だけど、お互いの気配を感じられる家にしたくて、玄関とお風呂だけは共用、だけど世帯同士も回遊できるように設計しました。
新しい家のなんとまぁ居心地の良いこと!
ご飯は別々だけど、お互い作ったものを分けあったり、ちょっとした頼み事も気軽にできるし、子どもはどちらの世帯にも行き放題、ぐるぐると良い感じにかき回してくれます。息子は私に怒られてても逃げ場がたくさんあって、のびのびしている感じ。同じ屋根の下に住んでいるから気が楽、私も保育園の時間に追われず仕事に打ち込めます。
なにより、ジジババがとっても幸せそうに目尻を垂らして孫のためならエンヤコラとはしゃいでいるのを見ると、私もとっても幸せな気持ちになります。「子どもは宝」この言葉が身に染みる毎日です。
今は核家族化が進んで当たり前になってきているけど、私にとっての二世帯同居はいいこと尽くめ。二世帯同居というと、「大変そうだね」とか、「旦那さん大丈夫?」と心配されることも少なくありませんが、私はありがたいことに最高の環境で子育てができていると思うし、全員がウィンウィンの良い関係なのです。
PROFILE
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フォトグラファー。自然光での人物撮影を得意とする。大事にしているのは表情。現在写真集の出版と写真展の開催を企画中。
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(制作 * エチカ)