雨の多い時期や紫外線の強い真夏はなかなか外に出られず、赤ちゃんと家の中でどうやって遊んだらいいか分からないと困ってしまうママやパパは多いようです。そこで今回は、家の中で簡単にできる赤ちゃんとの室内遊びを「中田家庭保育所」施設長であり保育士の中田さんに教えていただきました。
赤ちゃんと遊ぶときはスキンシップも意識して
手をつないだり、抱っこしたり、頭をなでたりするママやパパとのスキンシップは、赤ちゃんに安心感をもたらします。また、リラックスした気持ちで肌を触れ合うことによって親子間の温かい絆である愛着関係を深めてくれることも分かっています。スキンシップは保湿クリームを塗ってあげるときなど日常でもとれるものですが、遊びにもとりいれてみましょう。肌が触れ合わなくても、コミュニケーションがとれる遊びや運動になる遊びも赤ちゃんの成長、発達につながります。なお、赤ちゃんと遊ぶときは赤ちゃんから目を離さず、部屋の環境を整えて安全に十分気を付けておこないましょう。
保育士おすすめ!おうちでできる赤ちゃんとの室内遊び7選!
「赤ちゃんが小さすぎてどうやって遊んであげたらいいか分からない」というママ、パパ向けに、スキンシップがとれたり運動にもなったりする、赤ちゃんとのおすすめの室内遊びをご紹介します。赤ちゃんの機嫌のいいときにぜひおうちでとりいれてみてくださいね。
【おすすめ室内遊び1】 手遊び歌やリズム遊び
歌やリズムに合わせて手や体を動かして楽しむ遊びです。まだ言葉を理解することができなくても、目を合わせて体に触れながらコミュニケーションをとることができます。ママが歌いながら赤ちゃんの体をこちょこちょしたり手を握ったりしながら行えるので、ねんねの時期から遊べます。ママやパパのまねっこが好きになる10ヵ月頃になると、手指を動かせるようになってくることもあり、お手本を見せてあげると赤ちゃんが動きをまねしたりして、遊び方も発展するでしょう。月齢によっていろいろな遊び方が楽しめます。
代表的な歌に「らららぞうきん」「一本橋こちょこちょ」「あたま・かた・ひざ・ぽん」「むすんでひらいて」などがあります。
【おすすめ室内遊び2】 うつぶせ遊び
首がすわってきたらうつぶせ遊びをしてみましょう。赤ちゃんの胸の下にくるくる巻いたタオルを入れて、おなかの圧迫を軽減します。また、肘がタオルよりも前にくるようにすると、肘で体を支えやすくなります。赤ちゃんと目線を合わせてやさしく声をかけながら背中をさすってあげましょう。スキンシップになるだけでなく、うつぶせは赤ちゃんの運動にもなります。また、おもちゃに興味が出てきたら、赤ちゃんの近くにお気に入りのおもちゃを置いてみましょう。手を伸ばしたら近付けて取らせてあげます。「ママ、取って~」の気持ちが伝わったことや「取れたこと」に赤ちゃんは楽しくなるでしょう。
なお、うつぶせにしているときは絶対に目を離さないこと、はじめは短い時間から慣らしていくことに注意してください。慣れてきたら時間は月齢×10分を1日の目安にするといいですね。
【おすすめ室内遊び3】 いないいないばあ
大好きなママやパパの顔が見えたり隠れたりするのは赤ちゃんにとって楽しい遊び。いつもの「いないいないばぁ」ももちろん楽しいのですが、4ヵ月頃は赤ちゃんの手を持ってママの顔を隠して、「ばあ」と同時にママが変顔などをして表情に変化をつけてみましょう。大人の動きに赤ちゃんは楽しくて笑ってしまうかもしれません。また、6~7ヵ月頃になって短期的な記憶力がついてくると、何度か遊ぶうちに「ママは『ばあ』と言ってでてくるだろう」と予想します。そして予想通りママが現れると赤ちゃんは喜んで笑います。月齢や興味に応じてタオルで顔を隠したり、ぬいぐるみを使ったり、「ばあ」をじらしてみたり、いろいろなバリエーションを楽しんでみてくださいね。
【おすすめ室内遊び4】 くすぐり遊び
仰向けにねんねした赤ちゃんや、あるいは抱っこした状態で「あんよはどこかな~、こちょこちょ~」などと言って笑顔で赤ちゃんをくすぐったりさすったりしてみましょう。ハイハイする頃の赤ちゃんなら「まてまて~」と追いかけながらするのもいいですね。赤ちゃんは自分にママやパパの注目がむけられていることが実感できて嬉しくなります。また、大好きなママやパパと目を合わせ、声を出し合い、肌と肌が触れ合い、一緒に笑い合って楽しい時間を共有することで、赤ちゃんの心は満たされるでしょう。赤ちゃんの様子を見ながら楽しくこちょこちょしてみてくださいね。
【おすすめ室内遊び5】ガーゼでつなひき
4~5ヵ月頃になるとものをつかむ、ひっぱるということに興味を持ち始めます。そこで、赤ちゃんにガーゼや小さめのハンカチの端を握らせてあげましょう。握るだけでも赤ちゃんにとっては遊びになりますが、握る力が強くなってきたら、「イッチニ―、イッチニ―」など声をかけながら引っ張りっこをすると、赤ちゃんはママやパパとのやりとりを楽しめます。おすわりが始まったら赤ちゃんが後ろに倒れないように軽い力で引っ張ってくださいね。
【おすすめ室内遊び6】 飛行機ごっこ
おすわりがしっかりできるようになった頃から楽しめるのが飛行機ごっこ。ママやパパが仰向けに寝転び、膝を立てます。赤ちゃんのわきの下をしっかりつかんで支えながら大人のすねに乗せたら、「ひこうき、ブーン」と言いながら足をゆっくり浮かせてみましょう。赤ちゃんが怖がったりしない程度にやさしく動かすのがポイントです。月齢が上がってきたら、様子を見ながら顔と顔を近づけたり、「着陸しま~す」などと言って膝の角度を変化させたりするとより楽しく遊べます。赤ちゃんを抱っこしたままママやパパが寝転んで、そのまま体を左右に揺らしたりする遊び方もたくさんスキンシップがとれておすすめです。
【おすすめ室内遊び7】ハイハイ遊び
赤ちゃんがハイハイをするようになったら、となりでママやパパも赤ちゃんと一緒にハイハイしてみましょう。大人がハイハイする姿に赤ちゃんは喜ぶでしょう。「まてまて~」と後ろから追いかけられるのも赤ちゃんは大好きです。ハイハイは全身を使う運動なので、良い運動になり、夜はぐっすり眠れるかもしれませんね。また、ハイハイをしっかりすると体幹が鍛えられるので、ハイハイの次の「歩く」につながります。
最後に
今回は家の中でできる遊びの中でも、赤ちゃんとのスキンシップになる遊び、コミュニケーションがとれる遊び、体を動かせる遊びをご紹介しました。ママやパパとのスキンシップは赤ちゃんの心を満たします。また、日中に体を動かすと、赤ちゃんの睡眠にもつながり生活リズムを整えやすくなるメリットもあります。ママとパパそれぞれの得意な遊びや好きな遊びを選んでもよいですし、もちろん疲れているときは一人遊びを見守ってあげるのでも十分です。ママやパパが無理をせず、赤ちゃんとの生活を楽しめるよう心から願っています。
PROFILE
中田馨このライターの記事一覧
一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長
0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!