先輩パパとママの毎日コラムvol.281

福はうち!「はじめてのおもちゃ」

2019/11/7
福はうち!「はじめてのおもちゃ」 福はうち!「はじめてのおもちゃ」

書籍や雑誌のデザイナーとして活動する高橋倫代さんが綴る、パパと節分産まれの息子さんとの幸福いっぱいの日々。今回は記念すべきはじめておもちゃについてです。

夫はいつも、世界を偏りなくそして優しい目線で見ています。

とても穏やかでゆったりとした空気をまとっているので、産まれてくる子どももきっとパパと一緒にいると居心地が良いだろうな、パパとたくさん仲良くできたら幸せだろうなと思っていました。

もちろん子ども自身が色々と分かるようになってきたら父子2人の関係は2人で築いていくのでしょうが、それまでは育児をメインで担う私が積極的に仲を取り持たねば!と思っていました。出産に向けた準備もなるべく夫婦で一緒に、そして夫がなるべく楽しんで関われるようにウキウキすることは夫に主体でやってもらおうと、『はじめてのおもちゃ』はパパに選んでもらうことにしました。

最初に2人でベビー用品店に行ってみたのはまだまだ妊娠が発覚したばかりの頃、私自身も実感のわいていない時期だったのですが、今まで赤ちゃんという生きものとほとんど関わったことがなかった夫は私以上に、これからはじまる3人での生活が全く想像できていなかったそうです。それでも、売り場にたくさん並ぶおもちゃを手にとってこれで遊んでくれるのかなぁと想像したときに、はじめてリアルな赤ちゃんの姿が浮かんだと言っていました。どれもこれも可愛すぎて決められない!と目を細めて笑っていました。

夫が選んだのは、握ると音のでるちいさなクマのぬいぐるみでした。

産まれてくる子どもにプヒップッという可愛い音をはやく聞かせてあげたくて、出産準備の際に入院用のカバンにしのばせておきました。

里帰り中の実家にて。里帰り中の実家にて。パパが毎週末、息子と私に会いに泊まりがけで来てくれました。

まだまだ目の見えない新生児の頃に分からないのはもちろん、少し成長してガラガラやボールを一生懸命につかむようになってからも、そのクマのぬいぐるみは息子の手にはまだ大き過ぎたためか、あまり興味を示しません。

あやすと少しにこりとしてくれるようになった3ヵ月頃、そのことを伝えると『パパにも笑った顔見せて!』と、右手にそのおもちゃを握ってブーブープヒッと鳴らしながら、両手を大きく振って脚を上げて、さらにへんな顔をしながら歌を歌って。なんとか喜ばせようと全力であやしていました。そのかいがあってか、はじめはきょとんとパパを見ていた息子の口元が少しだけゆるんだように見えました。クマが楽しかったのか、必死な姿にびっくりしたのか定かではありませんが、パパがはじめて息子を笑わせたのはそのおもちゃを使ってなのでした。

夫が子育てに関わりやすくなるように間を取り持たねば…というのは、どうやら私の考え過ぎだったようです。息子が産まれたその瞬間から、パパは息子が可愛くて可愛くて可愛くて。泣きやますのも寝かしつけもお散歩も、自ら担って積極的に息子と関わろうとしてくれています。オムツ替えさえも楽しそうにやっている姿はなんだか微笑ましく、頼もしく見えます。

生後2日目、パパのはじめてのオムツ替えは息子に大泣きをされていました。生後2日目、パパのはじめてのオムツ替えは息子に大泣きをされていました。

そして私が2人の仲を取り持とうとしたのと同じように、夫は『息子の幸せのためには、ママが笑顔でいてくれるのが一番。ママを笑顔にするのはパパの仕事です!』と宣言し、私と息子が穏やかに過ごせるようにと精一杯のエネルギーを注いでくれています。家事をたくさん担ってくれているのはもちろん、クヨクヨと不安な気持ちを訴えても、寝不足で疲れてイライラとした気持ちをぶつけても『家庭平和のために、パパはサンドバッグになります…』と言って受け止めようとしてくれます(もちろん度を超すと夫もパンクするので、そのときは大喧嘩に発展するのですが!)。

息子とパパに仲良くなってもらいたいと思っていたけれど、息子が産まれる前よりもずっと、私自身もパパと仲良くなれたのかなと感じています。

高橋倫代

PROFILE

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グラフィックデザイナー。本の装丁や雑誌のデザインなどを主に手がける。2月3日の節分に産まれた男の子と夫の3人暮らし。
http://takahashitomoyo.com

(制作 * エチカ)

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