先輩パパとママの毎日コラムvol.414

子どもと紡ぐ日々「赤ちゃんと手づくり」

2021/7/7
子どもと紡ぐ日々「赤ちゃんと手づくり」 子どもと紡ぐ日々「赤ちゃんと手づくり」

今は布作家となったハヤシチエさん。お裁縫をはじめたきっかけが子育てでした。

私がお裁縫をはじめたのは、娘を妊娠したことがきっかけです。「子どもが生まれたら必要かな?」と、軽い気持ちで安価なミシンを購入しました。初めて縫ったのは、以前の日記でもふれた母子手帳のカバー(上の写真の左が初めて縫った母子手帳カバー。右は第2子用に作ったもの)。

本を参考に作ったのですが、学生時代の家庭科以来のお裁縫は思った以上に大変でした。まずミシンの糸掛けから大苦戦。やっと糸が掛かったと思ったらまっすぐ縫うことが難しい。そして本の説明がなかなか解読できない(涙)。それでもなんとか形にしたくて、数時間をかけてやっと完成。できあがった母子手帳カバーは縫い目ガタガタ、お世辞にも美しい仕上がりとは言えませんでした。

…が、なにこれ、楽しい!達成感が半端ない!パァッと新しい世界が開けたのを覚えています。それからというもの、私は仕事が休みの日、少しずつ暇を見つけてはハギレを組み合わせて小物を作るようになります。

小さなハギレに手を加えるだけでちゃんと役に立つモノになって生活を彩ってくれる。1枚の布っ切れがお気に入りの小物に変身するその過程を見届けるのがとても楽しく、すっかり布遊びの世界にのめり込んでしまいました。

里帰り先の実家でも、母のミシンを借りて、チクチクカタカタ。にぎにぎ、おくるみ、授乳ケープに授乳クッション、ガーゼケットによだれかけなど赤ちゃんのものをたくさん縫いました。

そして待望の出産後、仕立てたガーゼケットにくるまった娘を見て私は気がついたのです。赤ちゃんと、新米母のハンドメイド品は抜群に相性が良い、ということに。

左/退院してきた日、作ったガーゼケットを初めて使ってみたときの写真。象と鳥のにぎにぎも手づくりしたもの。右/短時間で縫えるスタイはたくさん縫ったアイテム。左/退院してきた日、作ったガーゼケットを初めて使ってみたときの写真。象と鳥のにぎにぎも手づくりしたもの。右/短時間で縫えるスタイはたくさん縫ったアイテム。

大人が身につけるのはちょっと恥ずかしいかな、と感じる初心者ならではのいびつな仕上がりも、小さな赤ちゃんのそばにあると愛嬌たっぷりに見えます。むしろその素朴さが、生まれたての赤ちゃんの可愛さを引き立ててくれているではありませんか。

しかも赤ちゃんサイズのものは、小さくて装飾も少ないため、使う生地も少なく比較的短時間で縫いあがります。お裁縫初心者にはピッタリなのです。

レッグウォーマーに合わせてよくはかせた手づくりブルマ。ほんの少しの生地でできます。レッグウォーマーに合わせてよくはかせた手づくりブルマ。ほんの少しの生地でできます。

こうして産後も赤ちゃんのお世話の合間に、暇を見つけてはミシンを踏む日々は続き…娘が大きくなるにつれ、縫うものも小物からベビー服、そして子ども服へとランクアップ。

初めて作ったトップス。セパレートの服が着れるようになったことがうれしかったときの写真。初めて作ったトップス。セパレートの服が着れるようになったことがうれしかったときの写真。

縫って、着せて、ああ可愛い、と感嘆して。1年も経てばもう小さくなったのね、と子の成長をしみじみと感じながら、ワンサイズアップした服を仕立てる。

育児家事に追われる目まぐるしい日々の中、子どもが寝静まったあと無心に物作りをする時間は私にとって、心癒されるご褒美のようなひとときでもありました。

もうすぐ11才を迎える娘。今でこそ本人の好みも出てきて、服を縫ってあげる機会も減りましたが、子ども服と呼べるサイズの服を着られる時間も残りわずか。

久しぶりにワンピースでも仕立ててあげようかなあ。

ハヤシチエ

PROFILE

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布作家。インテリア会社を退職後、長女の出産をきっかけに洋裁にはまり、子ども服から小物まで様々なモノを縫うようになる。今は自宅で縫い物の仕事を行なっている。

(制作 * エチカ)

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